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【保存版】 博物館・美術館の数が日本1位!? おさえておきたい! 長野県の博物館・美術館リスト

長野県は、博物館・美術館の数が日本1位(*1)。美しい自然を享受した作家やアーティストをはじめ、長野県出身の画家や建築家、音楽家などの創作の軌跡を辿ることができます。博物館や美術館を巡り、長野県に根づく芸術文化や創作者ゆかりの風土を感じてみませんか。

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top photo:イメージ写真であり、長野県の博物館・美術館を特定するものではありません
(*1)「しあわせ信州」長野県産業労働部 営業局 『データで知る信州』参照
https://blog.nagano-ken.jp/data_cat/life

 

日本の美術館の約10%が、長野県に集中している

2018年度社会教育調査統計表(文部科学省)で、長野県内の博物館・美術館の数が345館で日本一であることが発表されました。続いて、2位が北海道で331館、3位が東京都で312館です。美術館数だけで見ると、日本全国の美術館総数の約10%が長野県に集中しています。このことからも、いかに長野県に多くの芸術文化が眠っているかを知ることができます。

長野県に博物館・美術館が多いのはなぜ?

長野県に博物館・美術館が多いのはなぜでしょう。その理由を知るひとつの手がかりは、博物館・美術館の数に比例して、別荘・旅館の数が多いことにあります。観光資源が豊かで人の往来が多い長野県。地域活性化や文化交流をねらいとして、多くの博物館・美術館がつくられてきた経緯があるのです。さらに、広い敷地を確保できることや晩年を長野県で過ごした文化人がいることなども、大きな理由といえるでしょう。

長野県の博物館・美術館をもっと探そう!

さて、自分の好みに合った長野県の博物館・美術館を探してみませんか。以下では、長野県内のエリアを6つに分けて、代表する博物館・美術館、ゆかりの文化人などを簡潔に紹介していきます。スマートフォンやノートにブックマークして、トリップアイデアの参考にしていただけたらうれしいです。

長野県を巡る6つのエリアに分けて、博物館・美術館をご紹介します

北信濃エリア

(長野市、須坂市、小布施町、信濃町、飯山市など)

長野県立美術館

【概要】2021年にリニューアルオープン(旧長野県信濃美術館)。自然や歴史的景観と調和した〝ランドスケープ・ミュージアム〟
【所蔵・展示】常設展示「霧の彫刻」(中谷芙二子)/ 郷土作家作品 / 信州の風景画 / 近代美術 / 展覧会各種
【建築】プランツアソシエイツ(代表・宮崎浩)
【その他】アートライブラリー / カフェ、レストラン、アルコール提供もあり / 「豊田市美術館」や「金沢21世紀美術館」などのミュージアムショップを手がける「My Book Service Inc.」がミュージアムショップをリニューアル / 長野県出身の「Mame Kurogouchi」のデザイナー・黒河内真衣子がユニフォームデザインを担当

東山魁夷館

【概要】2019年にリニューアルオープン。横浜市に生まれ神戸市で育ち、青年期から頻繁に長野県を訪れてきた東山魁夷。79歳で自家所有の作品を長野県に寄贈。これを受けて1990年にオープン。
【所蔵・展示】900点以上の作品を展示。およそ2か月に一度に展示入れ替え
【建築】1990年~2019年は、「ニューヨーク近代美術館 新館」「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」など国内外の美術館建築に携わる建築家・谷口吉生
【その他】「長野県立美術館」に隣接。城山公園や善光寺もすぐそばで、子どもを連れて訪れやすい

北斎館

【概要】江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎の美術館。小布施町で過ごした晩年の北斎の雅号は、「画狂老人卍(がきょうろうじん・まんじ)」。80歳を超えてもなお創作を続けた北斎後期の作品を見ることができる
【所蔵・展示】肉筆画・画稿・書簡 / 東町祭屋台天井絵《龍》と《鳳凰》/ 上町祭屋台天井絵《男浪(おなみ)》と《女浪(めなみ)》など
【その他】「髙井鴻山記念館」や書斎兼サロン「翛然楼(ゆうぜんろう)」、最高傑作《八方睨み鳳凰図》が描かれた「岩松院」なども周辺にあり、北斎の足跡を辿ることができる

高橋まゆみ人形館

【概要】農家夫婦の素朴な表情や人々の徒然なる生活の光景を表現する高橋まゆみ(長野市出身・飯山市在住)の創作人形を展示。2010年にオープン
【所蔵・展示】常時100体展示
【その他】制作過程を紹介する映像コーナーやギャラリー、喫茶スペースもあり、子どもを連れて訪れやすい

黒姫童話館

【概要】異国の風情を感じさせる広大な「童話の森」のなかにある童話館。世界各国の童話、絵本、長野県の昔話などを展示
【所蔵・展示】『モモ』『はてしない物語』などで知られるドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデの直筆や遺品の展示、松谷みよ子の作品、画家・いわさきちひろの黒姫山荘などもある
【その他】ミュージアムショップ、喫茶、敷地内の芝生公園もあり、子どもを連れて訪れやすい。例年冬季休業となる。エンデの半生を学ぶ会朗読会や童話実作入門教室なども開催されている

日本アルプスエリア

(松本市、安曇野市、大町市、白馬村、塩尻市など)

松本市美術館

【概要】松本市出身の芸術家・草間彌生の作品展示のほか、上條信山や田村一男などの展示室を設けた美術館。コンセプトは、〝鑑賞の場、表現の場、学習の場、交流の場〟。開館は2002年4月
【所蔵・展示】草間彌生、上條信山、田村一男らの作品 など
【建築】株式会社 宮本忠長建築設計事務所
【その他】ミュージアムショップ、レストランもあり

安曇野ちひろ美術館

【概要】子どもの水彩画に代表される日本の画家・絵本作家のいわさきちひろの美術館。北アルプスの山々に囲まれた安曇野ちひろ公園や清流の乳川が流れる穏やかな環境。世界初の絵本美術館として1997年開館
【所蔵・展示】いわさきちひろの作品、世界の絵本展示 など
【建築】内藤廣
【その他】ミュージアムショップや絵本カフェ、子どもが人生で初めて訪れる美術館「ファーストミュージアム」としての設備も充実

絵本美術館「森のおうち」

【概要】森の中にたたずむ美術館。さまざまな国内外の絵本原画展の企画を、年に数回変えて開催。コテージを利用して宿泊することも可能。1994年にオープン
【所蔵・展示】英国女流作家・バーナデットワッツ / デリア・カンセラの『不思議の国のアリス』『シンデレラ』 / 宮沢賢治を描いた小林敏也の作品 など
【その他】図書館や絵本にちなんだランチやケーキなどを楽しめるカフェ、ショップもあり。貸切の結婚式場としても利用可

大熊美術館

【概要】デンマークを代表する「ロイヤルコペンハーゲン」「ビング&グレンダール」の磁器を展示。『マッチ売りの少女』や数々の童話を残したデンマークの作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの初版本なども展示
【所蔵・展示】「ロイヤルコペンハーゲン」「ビング&グレンダール」の磁器 / ボタニカルアートの磁器 / アンデルセンの初版本 など
【その他】デンマークに由来する自家製チーズケーキやお茶を松本民芸家具を配した喫茶室で味わえる

日本浮世絵博物館

【概要】信州松本出身で紙の諸式問屋だった酒井家の浮世絵コレクション。江戸時代後期の浮世絵コレクションでは世界最大。1982年設立
【所蔵・展示】菱川師宣、写楽、喜多川歌麿、勝川春章、北斎、歌川広重 など4万点におよびコレクション 【建築】篠原一男
【その他】酒井家九代の庄吉(1878-1942)は雑誌「浮世絵」を創刊。十代目の藤吉は国内外で浮世絵展覧会を開催するなど国際交流に貢献。現在も、収集や保管、鑑定などを行い浮世絵の文化研究をしている

東信州エリア

(軽井沢町、上田市、東御市、佐久市など)

サントミューゼ

【概要】美術館と劇場からなる文化複合施設。創作版画家の山本鼎の作品や農民美術、上田市ゆかりの作家作品や近現代美術の展覧会などを行う
【所蔵・展示】山本鼎の洋画・彫刻・写真・日本画・農民美術 / 石井鶴三 / ハリー・K・シゲタ / 中村直人 / 林 倭衛(はやし しずえ) など
【建築】柳澤孝彦+TK建築研究所
【その他】ミュージアムショップ、ワークショップスペースもあり

藤村記念館

【概要】明治・大正・昭和にかけて活躍し、長野県にゆかりのある詩人・島崎藤村の記念館。恩師・木村熊二に招かれて小諸義塾に赴任した小諸時代を中心として作品・資料・遺品などを展示
【所蔵・展示】手紙や遺品 / 大作『破戒』の原稿 など
【建築】谷口吉郎
【その他】懐古園内の共通券でも入館できる。ほかに小山敬三美術館、郷土博物館、徴古館、動物園、小諸義塾記念館もある

軽井沢千住博美術館

【概要】代表作『ウォーターフォール』でヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)にてアジア人初の名誉賞を受賞した画家・千住博の美術館。初期から最新作まで約40点を展示。2011年オープン
【所蔵・展示】千住博の作品、約40点 など
【建築】西沢立衛(にしざわ りゅうえ)
【その他】美術館を取り囲み150種類以上の彩りの植栽が広がる「カラーリーフガーデン」では四季折々の樹木や草花のうつろいを眺めることができる

池波正太郎真田太平記館

【概要】『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』『真田太平記』など、戦後を代表する日本の時代小説・歴史小説を書いた池波正太郎の記念館。『真田太平記』をはじめ松本清張、山本周五郎、瀬戸内寂聴、吉行淳之介、司馬遼太郎、五木寛之、池波正太郎、舟橋聖一、向田邦子など著名な作家のさし絵を手がけた洋画家・風間完の挿絵ギャラリーもある
【所蔵・展示】池波正太郎の遺品や直筆画、『真田太平記』の取材ノート / 風間完の挿絵 など
【その他】シアター、ギャラリー、『真田太平記』に登場する「草の者」の世界をからくり絵で楽しむ舞台セット「忍忍洞」などもある

美ヶ原高原美術館

【概要】標高2,000m、13万平方メートルの高原に広がる屋外彫刻美術館。タイムラプスの聖地としてもしられる高原で、天空の情景と約350点の現代彫刻のコントラストが美しい
【所蔵・展示】彫刻作品 / 美ヶ原高原の四季の上映 / ビーナスの城 など
【その他】〝日本一高い位置にある道の駅〟「道の駅 美ヶ原高原」が隣接。子ども用の屋内遊具もあるため、子ども連れでも訪れやすい

諏訪エリア

(岡谷市、茅野市、諏訪市、下諏訪町など)

神長官守矢史料館

【概要】明治時代まで諏訪大社の神長官を務め続けた守矢家に伝来した古文書などを収蔵し展示を行う施設。諏訪大社の奇祭「御頭祭」の様子を復元した展示も見られる史料館。近くには建築家・藤森照信が設計・制作した茶室「空飛ぶ泥舟」や「高過庵」もある
【所蔵・展示】諏訪大社・神長官の文書 / 「御頭祭」の復元展示
【建築】藤森照信

尖石縄文考古館

【概要】特別史跡に指定されている「尖石遺跡」および「与助尾根遺跡」の発掘調査の結果も発表する考古館。土器や黒曜石の実物、縄文時代の暮らしを紹介する映像などを楽しめる。さらに「縄文のビーナス」の模型づくりができる縄文体験コーナーなどもある
【所蔵・展示】国宝の土偶「縄文のビーナス」「仮面の女神」 / (八ヶ岳山麓の縄文遺跡から発掘されたおよそ2,000点の考古資料 など
【その他】喫茶コーナー、土偶のレプリカを販売するミュージアムショップ、縄文体験講座などもある

諏訪市原田泰治美術館

【概要】長野県諏訪市出身のグラフィックデザイナー・画家の原田泰治の美術館。歌手のさだまさしが名誉館長を務める。1998年開館
【所蔵・展示】原田泰治の作品
【その他】2階のティールームからは諏訪湖を眺めることができる。昨今も映画監督の山田洋次やタレントの梅宮アンナなど著名人も多く訪れている

イルフ童画館

【概要】大正から昭和にかけて童画・版画・刊本作品・玩具やトランプのデザインなど、さまざまな芸術分野で活躍した武井武雄の童画館。ちなみに「童画」は武井武雄が生み出した言葉
【所蔵・展示】武井武雄の童画・版画・刊本作品 / 『かいじゅうたちのいるところ』で知られるモーリス・センダックの作品 など
【その他】絵本ライブラリーやミュージアムショップもある

蓼科アミューズメント水族館

【概要】〝日本一標高の高い〟ところにある「天空水族館」。標高1,750m、海なし県・長野県にある淡水専門の水族館で、世界最大級の淡水魚「ピラルク」や南米アマゾンや世界各地の魚が遊泳
【所蔵・展示】世界中の淡水魚
【その他】ペットを連れての入館も可。エサやり体験も行われている

無藝荘

【概要】独自の映像表現の映画を手がけた映画監督・脚本家の小津安二郎が、シナリオライター野田高梧と数々の作品を創作した晩年の地。遺作となった『秋刀魚の味』『お早よう』『秋日和』などをこの無藝荘での生活から生み出した
【所蔵・展示】映画監督・小津安二郎の仕事場
【その他】例年9月には「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」という映画祭も行われている。グリーンシーズンの土日を中心に公開

木曽路エリア

(木曽町、上松町、南木曽町、王滝村、大桑村など)

木曽路美術館

【概要】1982年に木曽で唯一の美術館として開館。創立者は丸山利喜次。寝覚の床、木曽駒ヶ岳を望む好立地に建てられた美術館
【所蔵・展示】浮世絵(歌川広重ほか)、近代絵画、彫刻、陶磁器、そば猪口 など
【その他】※館内リニューアルのため、現在休館となっております。

そのほかの代表的な博物館・美術館

伊那路エリア

(伊那市、駒ヶ根市、阿智村、飯田市など)

飯田市美術博物館

【概要】「伊那谷の自然と文化」をテーマに、美術・人文・自然の3部門で展示を行う美術博物館。1991年に開館
【所蔵・展示】飯田市出身の日本画家・菱田春草を中心とした関連作家作品 / デジタルプラネタリウム など
【その他】期間ごとにさまざまな企画展を開催。地元出身の作家作品の展示なども開催されている。電動アシスト付き自転車のレンタサイクルもあり
【建築】原広司+アトリエファイ設計

上郷考古博物館

【概要】飯田市地域の旧石器・縄文時代から奈良時代、平安時代にかけての出土品を展示
【所蔵・展示】古代の出土品
【その他】例年、夏休みの子ども向けの縄文土器づくり体験や古代食クッキングなどのイベントも開催されている

川本喜八郎人形美術館

【概要】人形美術作家の川本喜八郎の美術館。NHK人形劇「三国志」「平家物語」や人形アニメーションやCMで登場した人形100体以上を展示。2007年に開館し、川本氏が館長を務めた
【所蔵・展示】川本喜八郎の人形作品
【その他】「人形劇のまち」として知られる飯田市内では、「黒田人形」「今田人形」という2つの人形芝居が活躍。300年以上の歴史を今に伝えるイベントなども開催されている

秀水美人画美術館

【概要】女流日本画家・浅井秀水の美人画美術館。故・伊東深水に師事したその作品群を見れるのは日本でも珍しい
【所蔵・展示】浅井秀水の美人画およそ200点

アンフォルメル中川村美術館

【概要】フランス芸術文化勲章を授章した鈴木崧(すずきたかし)の抽象画作品および建築家の毛綱毅曠(もづなきこう)の建築を見ることができる美術館
【所蔵・展示】鈴木崧(すずきたかし)の抽象画 / 現代美術作品 など
【建築】毛綱毅曠(もづなきこう)

椋鳩十記念館

【概要】長野県喬木村出身で、児童文学者の 椋鳩十(むく はとじゅう)の記念館。『大造じいさんとガン』や『片耳の大シカ』など代表的な児童文学を知ることができる
【所蔵・展示】原稿や出版当時の本、再現書斎 など
【その他】記念図書館で椋文学の全集などを読むこともできる

いかがでしたか。お気に入りの博物館・美術館を探して、長野県のことをもっと深く楽しく学んでみませんか。以下には、芸術やアートをテーマに紹介してきた記事をご紹介します。ぜひチェックしてみてください!

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