『松代藩文武学校』がリニューアル!
新体験コンテンツで楽しみながら歴史を学ぶ

北信濃エリア 長野市

幕末に開校した松代藩の藩校『松代藩文武学校』(総敷地面積5,288㎡)。約10年の保存修理工事を終え、2020年10月1日リニューアルオープンしました。プロジェクションを駆使した展示や体験型のコンテンツが新設され、大人も子供も楽しみながら歴史にふれることができるスポットに生まれ変わったと聞き、早速GoNAGANO編集部が行って、見て・体験してきました。

まずは一番大きな建物『文学所』へ
リアルな再現映像で文武学校の歴史を知る

『松代藩文武学校』は、江戸幕府の八代将軍・徳川吉宗のひ孫である、松代藩8代藩主・真田幸貫が計画をたて、9代の幸教が完成させた藩校です。1855年の開校以来、松代藩士の子弟たちが文学や医学、軍学のほか、西洋砲術や剣術などの武芸などを学んでいました。
全国で約250あった藩校のうち、創建時の敷地や建物が現存するのは同校のみ。映画やドラマの撮影などでも使用されている貴重な遺構です。
 

文武学校の入口。立派な冠木門(かぶきもん)から入ります

2011年から約10年という保存修理工事を経て、生まれ変わった『松代藩文武学校』。期待が高まります。取材当日は、すっきりした秋晴れでお出かけ日和。長野市教育委員会事務局文化財課・学芸員の野村駿介さんに案内していただきました。
 

野村駿介さん:2017年入庁。長野市教育委員会事務局文化財課で学芸員として文武学校をはじめとする文化財整備事業に従事している

松代藩文武学校の総敷地面積は5,288㎡。教室や講堂として使われていた『文学所』のほか、『弓術所』や『槍術所』、『柔術所』など7つの施設で構成されています。
 

松代藩文武学校の鳥瞰図 ※画像提供:長野市教育委員会事務局

まずは一番大きな建物『文学所』へ。靴を脱いで手指消毒も忘れずに。入口には必ず消毒液が置かれています。こまめな換気と展示品の消毒も徹底されています。
 

 

文学所に入ってすぐの広い大広間に行くと障子風のスクリーンがあります。ボタンを押すと、文武学校の歴史についてガイダンスが流れます。臨場感のある影絵なども流れ、当時の様子をわかりやすく学ぶことができます。
 

ガイダンス映像は約8分。文武学校の成り立ちなどの解説があります

文学所の最も奥の部屋は『御居間』と呼ばれ、文武学校にやってくる藩主のための場所です。こちらの部屋だけ土壁の色が違い、丁寧に釘隠しも施されて特別な感じがします。
ふかふかの座布団と脇息(肘掛)が置かれていて撮影ポイントになっていますので、藩主になった気分で写真を撮ってみてはいかがでしょうか?
 

当時から特別な空間だった『御居間』。学校に通う生徒は立ち入れませんでした

「建物のちょっとした内装を見ても、江戸時代の厳格な身分制度を感じることができますよ」
御居間の内装もそうですが、建物全体で見ても畳敷きの部分と板張りの部分があります。当時は身分によって同じ建物内でも入れるところや玄関も違っていました。
 

最も身分が高いお殿様などが使った文学所の玄関。玄関は3つあり、身分によって入る場所が決められていました

重さや構造・映像も本物そっくり!
バーチャル砲術体験

文学所を出たら、『柔術所』へ。こちらではバーチャル砲術体験ができ、リニューアル後の目玉となっています。
時代の流れとともに柔術より砲術を重んじるようになり、明治元年には柔術所は大銃製造所として使用されていたそうです。
バーチャル砲術体験は、『スペンサー銃』『火縄銃』『臼砲』の3種類が体験できます。
 

砲術体験ができる『柔術所』内部。同時に6人が体験できます

まずは、スペンサー銃を体験。スペンサー銃は弾倉装填式の連発銃で、会津戦争で山本八重が使用していたことで有名です。
スタートボタンを押すと目の前のスクリーンに撃つまでの手順が映し出されます。持ち上げますが、重い……。とにかく重いです。3.7キロあります。銃の重さや形、構造は本物を忠実に再現しているそうです。
的に狙いを定めて……。
 

目の前の的に狙いを定めます

練習の1発目は外しましたが、本番の2発目は当たりました!面白いです!
続いて、火縄銃。スペンサー銃より前に使用されていた銃で、火縄の火が火薬を爆発させて発砲する仕組みです。
火薬を入れる『火薬袋』まであり、リアリティがあります。火縄銃も3.2キロと重め。重心が先端にあるため、狙いを定めることが難しいです。
 

火薬袋から火薬を火皿に充填します

臼砲(きゅうほう)は、火砲の一種で砲弾を入れて火を付けて発射するというシンプルな構造。砲身が臼に似ていることから臼砲という名前が付いたそうです。
「一番簡単そうに見えて、実は一番難しいですよ」と野村さん。
左右に動かして狙いを定めます。
野村さんの言う通り、3種類の体験で一番難しい。的には全然当たりませんでしたが、とっても楽しい体験でした。
 

左右に動かし、砲弾を飛ばします

銃や臼砲だけでなく、スクリーンに映し出される映像もリアルです。的の映像は、江戸時代の図面を基にバーチャル再現しているそうです。的までの距離も当時と同じで、スペンサー銃・火縄銃は50メートル、臼砲は100メートル。どうりで当たらない訳だ……。
「銃など普段は持ったり触ったりする機会があまりないと思いますので貴重な体験になるはず。楽しみながら歴史にふれてほしいですね」

楽しみながら歴史を学ぶ
地元住民と観光客の交流の場へ

砲術体験を楽しんだ後は、弓術所や槍術所をまわります。現在も剣道の大会や弓道の練習に利用されているそうです。槍術所の天井は高く、天井の太い梁や骨組みも迫力があります。
 

長い槍の稽古ができるよう、槍術所の天井は高くなっています

リニューアルを機に、各建物の入口に解説板も設置されました。建物の歴史やどんな用途でどのように使われていたのか丁寧に解説されています。QRコードにかざせば英語や中国語で読むこともできます。
新型コロナウイルスの感染予防のため現在は休止中ですが、タブレット端末を用いたクイズに挑戦することもできるそうです。解説版を読んだり体験して学んだことをクイズに答えることでアウトプットできる仕組みです。
 

敷地内中ほどにある『西序』でクイズに挑戦できます(現在は休止中) ※写真提供:長野市教育委員会事務局

文武学校は明治4年(1871年)廃藩置県以降も、松代県学校、松代尋常小学校、松代小学校など時代とともに名前を変えながら、現在まで地域の学問・教育の拠点として大切に活用されています。「幅広い人に訪れていただき、建物を末永く残していく意味でも積極的に使っていただきたいです。リニューアルを機に、地元住民と観光客との交流の場としても活性化したい」と野村さん。
約10年を経て生まれ変わった松代藩文武学校。最新技術を使った映像やリアリティ溢れる体験は想像以上に楽しくあっという間に時間が過ぎていきました。大人も子供も楽しみながら歴史に親しめること間違いなし!気持ちの良い気候になったこの頃。感染症対策はもちろん徹底しながら、歴史を学びに行ってみませんか?

更新日:2020/10/12

おススメポイント

プロジェクションを駆使した展示や体験型のコンテンツが増え、楽しみながら歴史を学べます。文武学校の目玉コンテンツ『バーチャル砲術体験』は本物そっくり!歴史的価値のある建物の中で貴重な体験ができます。

松代藩文武学校

時間 4月~10月まで 9:00~17:00 (入場16:30まで)
11月から3月まで 9:00~16:30(入場16:00まで)
料金 400円(小中学生100円)
TEL 026-278-6152

 

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この記事を書いた人Go NAGANO 編集部
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