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地元密着ライター厳選シティガイド〈飯田エリア〉いまむかしが交わるNew & Retroな飯田の町を巡る。

古き良き城下町の面影を今に残す飯田市。戦国時代頃から交通の要衝として栄え、「丘の上」と呼ばれる丘陵地に広がる旧市街地は、碁盤の目状に整備された町並みから信州の小京都とも称されている。”今”と”昔”が混ざり合った飯田の町から感じられる独特の魅力を紹介する。

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各施設の営業状況やサービス内容、料金等は変更となる場合がございます。最新の情報は、各施設へお問い合わせください。

〈龍峡亭(旅館)〉
名勝天龍峡の渓谷に浮かぶ老舗旅館のおもてなしの心

 

龍峡亭
天竜峡の渓谷に顔を出すように建っているのが〈龍峡亭〉。

 

飯田市にある天龍峡は、天竜川の浸食によって造りだされた南北約2kmにわたる峡谷で、国指定の名勝。その天龍峡の絶壁に張り付くように建っている旅館が〈龍峡亭〉だ。
周辺一帯は国定公園となっており、さまざまな峡谷を彩る木々や雄大な天竜川の流れの中をくだる川下り舟など、ここにしかない景色を味わえるのが魅力だ。
また、天竜川にせり出す形で建造された建物の館内から外を眺めると、まるで建物ごと天竜川の上に浮遊しているかのような幻想的な体験をすることができる。
風光明媚な渓谷美の中で、このような魅力的な体験をできる場所は〈龍峡亭〉のほかにはないだろう。

 

龍峡亭

どのお部屋からも、眼下に流れる天竜川を眺めることができる。

龍峡亭

部屋と広間から見た天龍峡の風景。2016年に天皇皇后両陛下(現在の上皇上皇后両陛下)も訪れ、この景色をご覧になった。

 

龍峡亭
天然ラドン含有量が豊富なアルカリ性単純泉。大浴場の大きな窓からは四季の色彩を楽しみながら入浴することができる。

 

〈龍峡亭〉の歴史は1935年ごろ、天龍峡にある『姑射橋(こやきょう)』から見る峡谷美のなかで旅の人に温かくておいしいものを提供しようと、地元の板前であった鈴木五六さんが茶屋を開いたことに始まる。戦後に旅館に転換したが、会食などに使用される広間は今でも創業者の名前にちなみ五六茶屋と名付けられているなど、創業者のおもてなしの心は現在でも大切にされていることがわかる。
料理も茶屋の頃からのこだわりを受け継ぎ、五平餅や鯉料理などの南信州の郷土食や地元食材を多く使用した料理を提供しており、観光客にとって嬉しいのはもちろん地元の宴会客にも愛されている。

 

龍峡亭
南信州の伝統料理を盛り込んだ地元食材をふんだんに使った料理は、観光客のみならず宴会利用の地元客にも愛されている。料理は季節によって内容が変わるため、その時々でさまざまな味わいを楽しめる。©️龍峡亭

 

このように伝統のある旅館といえば敷居が高いように感じられるかもしれないが、最近では女子旅向けや素泊まりなどの比較的リーズナブルなプランも用意されており、若者層でも気軽に宿泊できるようになっている。
渓谷に浮かぶ伝統ある旅館で天龍峡の豊かな自然に囲まれながら、おもてなしの心を体験してみてはいかがだろうか?

 

〈龍峡亭〉
長野県飯田市龍江7454。TEL 0265-27-2356。1室2名2食付き 14,300円~。
https://ryukyoutei.com/
Googleマップ

 

〈Yamairo guesthouse(ゲストハウス)〉
旧街道沿いの築200年の古民家に泊まる

 

Yamairo guesthouse
昔は骨董品などを販売する古物商店だったという古民家。改修を経て今なお当時の雰囲気を醸し出している。

 

飯田市八幡町(やわたちょう)の旧街道沿いにある〈Yamairo guesthouse〉は、オーナーの高橋瑞季さんが生まれ故郷だった飯田市に2016年にUターンし、約2年間の改修期間を経て2018年にオープン。江戸時代に建てられた築200年の町屋造りの古民家をリノベーションし、古きと新しきが融合するゲストハウスへと生まれ変わらせた。

 

Yamairo guesthouse

オーナーの高橋瑞季さん。瑞季さんの朗らかで落ち着いた人柄も〈Yamairo guesthouse〉の魅力の一つである。

Yamairo guesthouse

暖色系の照明で落ち着いた雰囲気のロビー。こだわりの雑貨含め随所にレトロな要素が散りばめられている。

 

「ここを訪れてくれた人の人生にちょっとした変化や彩りを与えられる場所に」そう語る瑞季さんの想いは、”A free and colorful life,like the mountains.”という〈Yamairo guesthouse〉のコンセプトにもあらわれている。毎週金土には「ちょい呑み屋」も営業しており、地元民から地域外のゲストまで多様な人たちが集い、交流するハブ的な場所にもなっている。築200年という歴史を積み重ねてきた古民家ゲストハウスという空間としての懐の深さと、そして訪れた人々を優しく迎え入れてくれる瑞季さんの存在がこの場をつくりあげているのは間違いない。

 

Yamairo guesthouse
ドミトリーの相部屋。相部屋ながらも各ベッドスペースはしっかり区切られていて半個室になっている。

 

Yamairo guesthouse
〈Yamairo guesthouse〉の外観。木造、瓦屋根、土壁という要素が歴史の厚みを感じさせる。

 

雪が降りしきる中でも、築200年の古民家はなぜかしっくり来る。雪景色の旧街道沿いをぽつりぽつりと歩きつつ、〈Yamairo guesthouse〉を目指す道中もまた風情がある。扉を開け、外の世界から一歩足を踏み入れて温もりを肌で感じる瞬間をぜひみなさんにも味わっていただきたい。

〈Yamairo guesthouse〉
長野県飯田市八幡2035。TEL 0265-49-8187。ドミトリー1名4,000円~。
https://yamairo-gh.com/
Googleマップ

 

〈天空の城 三宜亭(旅館・日帰り温泉)〉
『飯田城址』の高台にある天然温泉の館

 

三宜亭
丘の上に立つのが〈三宜亭〉である。『飯田城址』に建っているからか、出立ちもお城に通ずるものを感じてしまう。

 

飯田の飲み屋街といえば、丘の上エリア。丘の上とは『JR飯田駅』の南側に広がる一帯のことを指すが、この丘の上エリア最南端に建っているのが〈三宜亭〉である。実は〈三宜亭〉が建つ以前の歴史を辿ると、この場所には鎌倉時代から続く『飯田城』というお城があった。『飯田城』が取り壊されたのは明治4年(1872年)。ほんの少し前まで700年近い歴史を有するお城がここに鎮座していたことを思うと、感嘆のため息が自然と漏れてしまう。

 

三宜亭

地下1300mから湧き出る源泉は約38℃の強アルカリ性。その泉質故にお肌もつるつるになる。©️三宜亭

三宜亭

露天風呂に足を伸ばせば開放感は倍増である。©️三宜亭

 

〈三宜亭〉にまつわる歴史の面白さもさる事ながら、温泉もとにかくおすすめである。高台に建つ温泉旅館なので視界を遮るものがなにもなく、なんといっても大浴場からの眺望が素晴らしい。晴れていれば眼下に飯田の街並み、遠くには南アルプスを一望することができる。さらには夜景や星空を眺めながらの露天風呂、なんていう楽しみ方もある。温泉としての開放感は飯田の中でも随一ではないだろうか。丘の上エリアを散策した際には、ぜひ〈三宜亭〉にも足を伸ばしてみてほしい。飯田の歴史と共に歩んできたであろう『飯田城』の名残を感じつつ、飯田の街を眺めながら入る温泉。ひょっとすると歴代の飯田城主の気分を味わえるかもしれない。

 

〈天空の城 三宜亭本館〉
長野県飯田市追手町2-641-10。TEL 0265-24-0244。日帰り入浴大人900円。1室4名素泊まり6,300円~。
https://www.sangitei.com
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〈民家型模型専門店 ぷらも屋さん(玩具店)〉
飯田にあるぽつんと模型専門店

 

民家型模型専門店 ぷらも屋さん
2階窓に見える「ぷらも屋さん」という文字がなければ民家にしか見えない佇まい。

 

国道から脇道に入り、対向車とのすれ違いに不安を抱く幅の道を進んでいくとGoogle Mapに指し示された目的の場所が見えてきた。「果たしてこの道の先に本当にプラモデル屋さんがあるのだろうか?」道中、心の内に宿っていた疑問がようやく解消された…わけではなく駐車場から見える外観はただの民家である。”民家型模型専門店”という名前は伊達ではない。

 

民家型模型専門店 ぷらも屋さん
ガンプラ、ミリタリー、キャラクターフィギュアなど取り揃える模型の種類は幅広い。

 

店長の筒井さんに案内され店内に上がると、所狭しとプラモデルが並んでいる。元々プラモデルが好きだった筒井さん。空き家になっていた持ち家を活用し、友人の協力も得つつ模型店を2018年にオープンした。意外なことにお客さんの半分以上は飯田市外の人で、多くはネットでこの場所を見つけてくる大人だそうだ。こじんまりとした店内に堆く積み上げられた模型の箱、という景色が奥底に眠る少年心をくすぐってくる。

 

民家型模型専門店 ぷらも屋さん
店内の柱に貼られた金言。心に刻むべき言葉たちである。

 

模型づくりに欠かせない道具類も充実していて、製作途中の模型を持ち込めば店長自身による模型づくりの指南もこの場で受けられる。模型好きの方には、現地に辿り着くまでのプロセス込みでぜひ一度足を運んでいただきたい場所だが、「そこまではちょっと…」という方もご安心を。店舗と同様の品揃えのオンラインショップもあるのでそちらも覗いてみてほしい。

 

〈民家型模型専門店 ぷらも屋〉
長野県飯田市中村2508。TEL 0265-55-0766。平日13:00-17:00。土日11:00-17:00。不定休。
http://plamoyasan.com/SHOP/index.html
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〈カフェ狐(カフェ)〉
飯田駅裏で時間を忘れてゆったり過ごす

 

カフェ狐
キツネをモチーフにしたかわいらしい作品が出迎えてくれる。

 

飲み屋が連なる飯田駅前(南側エリア)から飯田駅裏に移るとまた少し雰囲気が変わるのだが、駅裏エリアでまず立ち寄っていただきたいのが、こちらの〈カフェ狐〉である。店名の読み方は「かふぇこ」。”弧”ではなく”狐”の方なのでお間違えなく。店内に入るとパン屋さんや洋菓子屋さん特有のあのおいしい香りが漂ってくる。数種類のキッシュやケーキ、焼き菓子やパンもあって選ぶのに迷ってしまう。

 

カフェ狐
キッシュ+ケーキ+ドリンクのセット。ランチでもいいし、午後のティータイムでもいい。

 

 

カフェ狐
程よい広さの店内はどこか自分の居場所感があって落ち着く。

 

目に見える光景や耳に入ってくる音、そのどれもがゆったりしていて心地よく、本でも広げて読み耽っていたくなる雰囲気である。何ならこの場所自体が小説の中の世界のようにも思えてくる。ぜひお気に入りの本を一冊鞄の中に忍ばせて、ゆったり時間を満喫するつもりでこちらに足を運んでみてほしい。ここは曜日によってお店が変わるシェアカフェ。品揃えや営業日などはSNSでご確認を。

 

〈カフェ狐〉
長野県飯田市高羽町1丁目8-1。TEL 0265-48-5040。火・日曜定休。
☞インスタグラム https://www.instagram.com/cafeko181/
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〈新京亭(ラーメン)〉
創業以来愛され続ける飯田のソウルフード

 

新京亭
路地裏にある〈新京亭〉。「中華そば」の暖簾がたまらない。

 

飯田でラーメンを一杯、となれば〈新京亭〉は外せない。それぐらい、飯田を象徴するような名店である。〈新京亭〉からほど近い場所に『上海楼(しゃんはいろう)』という飯田ラーメンの名家があるが、こちらが飯田ラーメン発祥の元祖。『上海楼』で修行した先代が昭和42年に開業したのが〈新京亭〉である。飯田ソウルフードの両巨頭なので、ぜひどちらにも足を運んで食べ比べてみてほしい。

 

新京亭
手前が中華そば・並 700円(税込)。奥が揚げ餃子・5ヶ 450円(税込)。

 

稲庭うどんのようなルックスのツルツルとしたストレート麺が飯田ラーメンの特徴で、モチモチと柔らかい食感の中にもコシがある。あっさりだがコクのある醤油ベースの透明なスープは麺との相性も抜群だ。サイドメニューの揚げ餃子もマスト。甘辛のタレがかかっているのだが、餃子+タレ+下に敷いてある千切りキャベツを一口で頬張ると口内幸福度はMAXに。飯田グルメを語るに外せない一品をぜひご賞味あれ。

 

〈新京亭〉
長野県飯田市中央通り4-14。TEL 0265-22-1756。10:00-20:00。水曜定休。
http://www.shinkyo-tei.com
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〈HIRANOYA(カフェ)〉
趣のあるお洒落古民家カフェでこだわりランチ

 

HIRANOYA
“Think globally、Act Locally”という言葉通り、環境に配慮した接客サービスや運営を実践している。

 

お洒落でありながらも落ち着きとシックな趣があり、女性のみならず男性にもおすすめしたいのがこちらの古民家カフェ〈HIRANOYA〉。飯田駅前を南北に走る通りからさらに路地に入ると、ひっそりと明かりを灯した隠れ家のように迎えてくれる。

 

HIRANOYA
店内にはテーブル席やソファ席、カウンター席もあるのでぜひ自分の落ち着きスペースを見つけてみてほしい。

 

2021年3月に姉妹店であった『ATAGO』(現在コワーキングスペース&カフェとして営業している)が同店舗に移転となり、2店舗が融合したカフェとして新しいスタートを切った。こだわりの食材をふんだんに使ったワッフルサンド、キッシュ、カレーがランチのメイン。それぞれランチBOXでのテイクアウトも可能だ。

 

〈HIRANOYA〉
長野県飯田市通り町1-12。TEL 0265-24-8567。平日11:00-16:00 / L.O15:00。土日11:00-17:00/L.O16:00。月曜日定休・不定休。
☞ インスタグラムhttps://www.instagram.com/hiranoya111/
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〈タイホーパン(パン屋) 〉
今も昔も変わらぬ味、愛される味

 

タイホーパン
赤白青のカラフルな看板が〈タイホーパン〉の目印。朝~昼にはひっきりなしにお客さんが出入りする。

 

朝7:30頃から焼き上がったパンが次々と棚に並び、80-100種類ほどのパンが出揃う。これほど種類があるとどのパンを取るか迷ってしまうが、初入店ならアゲパンと三折パンは、マストで食べていただきたい。しかしながら、定番かつ人気のパンなので早い時間帯での売り切れ必至。常連客の中には10個単位で買っていかれる方もいるほど。残念ながら取材日はアゲパンと三折パンはすでに売り切れだったので、チーズフランスとピーナッツバターをサンドした黒糖パンを購入。どちらもリーズナブルな値段なのに、具材がぎっしりで満足感がある。

 

タイホーパ
定番パン、惣菜パン、菓子パン、焼き菓子までとにかく種類豊富なので見ているだけでも楽しい。

 

昭和初期の創業以来、90年以上飯田の地で変わらぬ味を守り続け、それゆえに地元民からも愛され続けている。朝7:00のオープン以降、止まることのない客足がそれを証明している。変化が激しいこの時代に、変わらないことの大切さをそっと教えてくれているようだ

 

〈タイホーパン〉
長野県飯田市松尾町1-13。TEL 0265-22-1443。7:00-18:00(日曜・祝日休み)。
http://taihopan.com
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〈After5ive(クラブ)〉
世代を超えて音楽愛を響かせつづける場所

 

After5ive
飯田の丘の上エリアの一画、地下に下りると〈After5ive〉がある。

 

1988年にオープンし、今年で34年目(2022年現在)を迎える〈After5ive(アフターファイブ)〉。毎週末、飯田界隈の音楽を愛する仲間たちが集まり、ディープハウスやR&B などのサウンドをメインにスピーカーを鳴らす。「大好きな曲がより大好きになる音空間」を求めて、試行錯誤を繰り返しながら現在の〈After5ive〉ができあがった。

 

After5ive
常連客と話すオーナーの井上みいなさん。みいなさんの明るく気さくな人柄が自然と笑顔を生む。

 

〈After5ive〉のオーナーを27年間務めたみいなさんの叔父が2015年に病気で他界。当時19歳だったみいなさんは、叔父の葬儀の場で〈After5ive〉のオーナーを継ぐことを決めたそうだ。その決心の裏には、葬儀に参列していた〈After5ive〉を愛する常連の人たちの姿があったという。「この場所を残したいっていう気持ちだけでした」そう語るみいなさんだが、当初は右も左も分からない中でのクラブ運営に多くの不安や戸惑いがあったという。

 

After5ive
DJブースに立つのは古くからここを知る常連の音楽好きたち。

 

〈After5ive〉には不思議な居心地のよさがある。その理由は、木張りのフロア、ビンテージのアンプやスピーカーなどこの空間や音が持つあたたかみに加えて、オーナーであるみいなさん、DJや常連の方々がつくりだしている空気感にある。それは〈After5ive〉がこれまで積み重ねてきた時間と、その時間と共に歩んできた人たちの想いがあってこそ。〈After5ive〉というアットホームな空間と、この場に集う人たちが生み出す音と空気に触れに、ぜひ一度足を運んでいただきたい。

 

〈After5ive〉
長野県飯田市扇町5-2 常盤ビルB2。
☞インスタグラム https://www.instagram.com/after5ive_iida/
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〈ほんのり屋(居酒屋)〉
こだわりの美食と美酒に酔いしれる、飯田の隠れた名店

 

ほんのり屋
大きな通りから裏路地に入ると見える〈ほんのり屋〉。目立つ大きな看板と白い暖簾が目印。

 

「どれを食べても、なにを飲んでも絶対に外れがない」そう言い切れるお店の一つが〈ほんのり屋〉だ。食事とお酒へのこだわりは飯田駅前の飲み屋界隈でも随一。そのため常に美食と美酒を求めるお客で賑わう。ここに行くことを決めているのなら予約は必須だ。 飯田といえば焼肉の街で知られており、人口1万人当たりの焼肉店舗数が日本一だという。中でもラム肉を売りに扱う焼肉店や居酒屋は多いが、〈ほんのり屋〉のラム肉は予約をしてでも味わう価値のある一品だ。

 

ほんのり屋
ラム肉をこの厚みで出してくれるお店はなかなかない。柔らかくジューシーなラム肉は一度食べれば病みつきになる。

 

ほんのり屋
こちらは〈ほんのり屋〉特製のワイン塩。コロナ禍で研究開発を進めて販売を開始した。ラム肉に続いてカルビをこちらの塩とわさびでいただく。

 

ほんのり屋
焼肉に続いておすすめメニューの塩もつ鍋。焼肉ともつ鍋は〈ほんのり屋〉の看板メニュー。

 

ラム肉はジンギスカン用の鉄板で焼いていただく。辛口のタレをつけて頬張れば美味であることは言うまでもないが、添えてあるワイン塩との相性もまた憎らしいほどに抜群である。こちらのワイン塩、〈ほんのり屋〉が地元南信州のシードル・ワイン醸造所とコラボして作り上げたオリジナルの一品。お店でも味わえるし、地元産直市場でも購入できる。またラム肉などの焼肉とあわせておすすめしたいのが塩もつ鍋。さっぱりコクのある塩ベースのスープで脂の乗ったモツとたっぷりの野菜をいただける。〆はチキンラーメンでフィニッシュ。過去一のチキンラーメンになるはずだ。

 

ほんのり屋
岐阜郡上八幡にあるアルケミエ辰巳蒸溜所のクラフトジンをソーダ割で。いつも販売後即売り切れになってしまう人気のスピリッツだ。

 

ほんのり屋
知る人ぞ知るうちゅうビール。なかなか巡り会えない幻のお酒にも出会うことができる。

 

お酒にも強いこだわりを持つ〈ほんのり屋〉。長野県内の銘酒以外にも全国各地の美酒を取り揃えていて、中にはそう簡単には口にできないようなお酒もある。それだけでもここに足を運ぶ価値がある。また店員さんがその人の好みや食べている料理に合うお酒をおすすめしてくれるので、お酒に詳しくない人でも心配はご無用である。

美食に舌鼓を打ち、その余韻ごと美酒で流し込む、これほど幸せなことはない。〈ほんのり屋〉はまさにその幸福体験をさせてくれる場所。飯田の街の行きつけの一軒にいかがだろうか?

 

〈ほんのり屋〉
長野県飯田市長姫町4。TEL 0265-24-7062。営業時間18:00~。不定休。
Googleマップ

 

〈〆清(居酒屋) 〉
飯田のまちの入り口に、灯りをともす赤提灯

 

〆清
飯田駅から徒歩1分。日がくれる前の早い時間から賑わっている。

 

飯田駅を降りてすぐ右手を見ると、まだ太陽も沈んでいない15時頃から赤提灯をさげた店構えが見える。〈〆清〉は飯田駅前の飲み屋街の中でも昔から飯田で愛され続ける老舗の居酒屋だ。店の外まで漏れ聞こえる楽しそうな笑い声を聞きながら暖簾をくぐると、6-7席ほどのカウンター席がコの字型に配置されており、常連客に囲まれた大将が迎えてくれる。

 

〆清
向かい合った席では、初対面でもお客さん同士の交流が絶えない。

 

老舗の居酒屋というと入りづらい印象があるかもしれないが、お酒を酌み交わしながら大将や常連客と話しているうちに飯田のまちのおすすめの店などの情報を教えてもらえる。その場その場で情報を集めながら旅行をする若い方にもオススメだ。 名物はネギだれとともに食べる飯田おでんや、馬のホルモンを味噌で煮込んだ伝統料理のおたぐりなど、飯田下伊那の郷土料理がメイン。観光で訪れてこれらを味わえば、旅情に浸れることは間違いないだろう。

 

〆清

つゆにしっかり浸かったおでんが体に染み渡る。たまご、がんも、大根を注文。目の前でおでんネタを盛り付けてくれるのもまたたまらない瞬間である。一品あたり約200円~という値段設定だが、種類が豊富なこだわりのおでんの具はそれぞれ特大サイズで十分にメインディッシュとなりうるので納得である。

〆清

隣で食べているのが見えたお豆腐がどうしても食べたくておでんを追加注文。少し濃いめの味付けが酒好きにはたまらない一品。

〆清

馬刺しはしょうが醤油でさっぱりと。馬刺しの旨味が噛むほど口の中に広がる。

〆清

飯田名物のおたぐり。〈〆清〉の肉厚なおたぐりは特有のくさみもほとんどなくとても食べやすい。こちらに入店した際はぜひ味わっていただきたい。

 

他の地域ではなかなか味わえない郷土料理を食べながら、地元の方から地域のディープな情報を収集していくのは旅の醍醐味。安心してお酒を酌み交わせる状況になったらぜひ立ち寄っていただきたいスポットだ。

 

〈〆清〉
長野県飯田市元町5424-18。TEL 0265-22-2276。15時~22時。日曜定休。
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〈Bar フィフティーズ 1950(バー)〉
食べ終わったピーナッツの殻は床に捨ててください

 

Bar フィフティーズ 1950
暖かなオレンジ色の明かりが飯田の夜の街に映える。

 

飯田駅前から真っ直ぐ伸びる中央通りを歩いて、りんごの植え込みが立ち並ぶ『りんご並木』との交差点に差し掛かると見えるのが、〈BAR フィフティーズ 1950〉だ。 夜の街に映えるオレンジ色の暖かな明かりが漏れ出る扉を開けると、そこは文字通り1950年代のアメリカンバーを連想させるようなカウンターが広がっている。

 

Bar フィフティーズ 1950
映画の一幕にあるような1950年代のアメリカのバーをイメージした店内

 

店に入ってすぐ気になるのは、足元で鳴るザクッという感触だろう。
この感触の正体は床に散らばったピーナッツの殻。こちらのバーではチャームとして提供されるピーナッツを食べたら殻をそのまま床に捨てるのが習わしとなっている。

 

Bar フィフティーズ 1950
日によってはピーナッツの殻が絨毯のように広がっている。殻の多さはバーが賑わっている証ということになる。

 

日本人の感性として物を床に捨てるのに最初は戸惑うだろうが、酔いに任せて放ってみるとこれが非常にクセになるし、この作業を通してなぜだかお酒が進む。提供されるカクテルもこだわりの一杯ばかり。中でも店名を冠した看板カクテル「フィフティーズ」は開店当初から根強いファンが多い。「フィフティーズ」は店舗のコンセプトカラーである赤を基調としたカクテルで、ベースリキュールにはバーボン、そこにザクロのグレナデンシロップとレモンの酸味が加わった当店のオリジナルだ。

 

Bar フィフティーズ 1950
〈BAR フィフティーズ 1950〉は2022年でオープン35周年を迎えた。オリジナルカクテルのフィフティーズ 880円(税込)も開店当初に生まれたカクテルなので35年愛され続ける一杯、ということになる。

 

〈BAR フィフティーズ 1950〉のカジュアルな雰囲気のおかげで、バーに普段足を運ばない人でも居心地のよさを感じられるはずだ。加えて1950年代のアメリカをイメージした世界観が、店内に入った瞬間からタイムスリップしたような気分にさせてくれる。居酒屋などの飲み屋とはまた別ジャンルの場所として、〈BAR フィフティーズ 1950〉のお酒に酔いしれてみてはいかがだろうか?

 

〈Bar フィフティーズ 1950〉
長野県飯田市中央通り1丁目15。TEL 0265-52-6450。月~土曜日18時~2時。日曜日17時~0時。
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地元密着ライター厳選シティガイド
飯田市観光マップ「丘の上」

地元密着ライター厳選シティガイド
飯田市観光マップ「全域」

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取材・文・写真:木股 玄登、渡辺しょうき

 

 

 

<著者プロフィール>
木股 玄登(Kimata Gento)
岐阜県出身。
フリーランスとして映像制作と週末スパイスカレー屋をしている。大学中退後、狩猟免許を取得し猟師になる。春夏秋は真面目に仕事をしつつ山に行き、冬は仕事を減らしてでも山に行く生活を送る。現在1匹の愛玩犬、2匹の猟犬と暮らしている。 【週末スパイスカレー HIBI CURRY】https://www.instagram.com/hibi.curry/

渡辺しょうき(Watanabe Shoki)
横浜市出身。
芸術家の両親に反抗し、都内の大学でマーケティングを専攻。卒業後は貿易会社で働くも、自分の中にうずくクリエイターになりたい願望に逆らえず退職。武者修行も兼ねて長野県飯田市に移住して地域おこし協力隊兼グラフィックデザイナーとして活動。現在、自身が立ち上げた広告代理店の代表を務める。 【里町グラフ 渡邉しょうき】 https://www.satomachigraph.com/

 

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