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SNOW(雪) と SORA(宙) が出会う場所 —— 長野の「天」と「地」のツーリズム 第2章『開田高原 御嶽山を望む木曽馬のふるさとで、星空と向き合う』

長野の冬は「SNOW × SORA」冬の長野には、ふたつの資源があります。世界に誇る雪 ―― SNOW。澄み切った夜空に広がる宙 ―― SORA。冷えた空気と山岳地形が生む、深い静けさ。雪原に包まれた夜、見上げる星空は、同じ日本とは思えないほど深く、宇宙に近い。雪があるから、宙は美しい。宙があるから、雪景色は昼と夜で表情を変える。滑る。歩く。泊まる。温まる。そして、夜、宙を見上げる。SNOWを楽しみ、SORAに出会う。それが、長野の冬が生み出す天と地を結ぶ、唯一無二の体験です。

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『コナラの木の向こうに昇る冬の星たち』木曽馬の里に立つ一本のコナラの木と冬の星たち。撮影地:木曽馬の里、コナラの木(©大西浩次)
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第2章 開田高原 御嶽山を望む木曽馬のふるさとで、星空と向き合う

御嶽山のすそ野に静かに広がる開田高原。
標高およそ1,500mに位置し、手が届きそうなほど空が近く感じられる場所です。
周囲に強い人工光はほとんどなく、夜の帳(とばり)が下りると、そこにあるのは圧倒的な暗闇と静寂だけ。見上げる先には、どこまでも深い夜空が広がります。正面に鎮座する御嶽山の黒いシルエットが、星空のスケール感をいっそう際立たせてくれます。

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『木曽馬の里のシンボルツリー、コナラの一本木に落ちる日没。』御嶽山の雪煙が夕暮れの光に照らされ、これから始まる夜の星空を予感させる。「SNOW × SORA」。この SORA は、夜の星空だけを指すものではない。日中の雪原もまた、地球という星の一風景であり、太陽も月も、私たちを包む宇宙の一員だ。星空の楽しみの一つは、日の入りから夜へと移り変わる薄明の時間にある。日没からおよそ1時間弱で一番星が現れ、さらに30分ほどで周囲は闇に包まれ、満天の星空が広がっていく。撮影地:木曽馬の里(©大西浩次)
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木曽馬の里で見上げる星空

開田高原で星空観察を楽しむおすすめのスポットとして、まず紹介したいのが「木曽馬の里」です。ここは、日本在来馬のひとつである木曽馬を守り、育ててきた場所です。小柄で脚が太く、寒さに強い木曽馬は、木曽谷から開田高原にかけての厳しい自然環境の中で育まれてきました。近代化の波の中で一時は絶滅寸前まで数を減らしましたが、地元の人々の尽力によって、この地で命がつながれてきました。
広々とした放牧場の向こうには御嶽山の稜線が伸び、公園内の各所では、草原や山並みと星空が美しく重なり合います。芝生公園脇に立つ「コナラの木」は、開田高原らしい風景と星空を一枚に収められる、定番の撮影スポットです。

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『コナラの木の向こうに昇る冬の星たち』木曽馬の里の駐車場から数分で、広大な木曽馬の放牧地にたどり着く。一本のコナラの木が立っている。ちょうどオリオン座が木の上に見えている。その上を見るとオレンジ色のアルデバラン、さらにその上にはプレアデス星団(すばる)が輝いている。今年の冬はふたご座に明るい木星が輝いて見える。撮影地:木曽馬の里、コナラの木(©大西浩次)
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『コナラの木の向こうの馬にかかわる星座たち』一本のコナラの木から御嶽山の方向を見る。ちょうど西の空に沈む星たちが見える。撮影地:木曽馬の里、コナラの木(©大西浩次)
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干支「午」と、星空に駆ける馬たち

今年の干支は「午(うま)」です。この漢字は、時間でいえば正午ごろ、季節でいえば夏至の頃、方角でいえば南を意味しています。そこに動物の「馬」が当てはめられたのが、干支の「午」です。
そんな今年の干支にちなんで、木曽馬の里で「馬」を探してみるのも良い楽しみ方です。そして実は、星空の中にも「馬」にまつわる星座が描かれています。
代表的なのが、天馬ペガススが星座となったペガスス座です。馬の胴体にあたる4つの星の並びは「秋の四辺形」として知られ、秋の夜空はもちろん、冬の夕暮れの空でもよく目立ちます。
このペガスス座の西隣には、全天で2番目に小さな星座「こうま座」もあります。小さな馬の頭の形をした星の並びです。
冬の夕方、西の空の低いところに目を向けると、目の前には本物の木曽馬、そして空には星座となった馬たちが見つかるかもしれません。開田高原ならではの風景とともに、地上と星空、二つの「馬」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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コナラの木の向こうの馬にかかわる星座たち (©大西浩次)

雲間の星も、また趣深く

夜に星を見に出かけるときは、いつも少しドキドキします。日中であれば遠くまで見渡せる風景も、夜になると一変し、周囲の景色はもちろん、足元さえ見えにくいほどの暗闇に包まれることがあります。
開田高原は、星空の名所として知られる場所です。光害が少なく、とても暗い環境である一方、ライトがなければ歩くのも難しいほどの闇が広がります。だからこそ、ここで見上げる星空は特別です。星が美しいというだけでなく、「あえてこの場所に、今この時間に立っている」という体験そのものが、一期一会の瞬間になります。
とはいえ、毎回すっきりと晴れた星空に出会えるわけではありません。むしろ、雲が多い夜の方が多いかもしれません。それでも、雲の切れ間を追いながら空を見上げていると、思いがけず印象的な光景に出会うことがあります。
次の2枚の写真は、雲が多い夜の「木曽馬の里」で撮影した星空です。雲間からのぞく星々に目を向けていくと、普段は主役になりにくい星たちが、かえって印象的に輝いて見えることがあります。写真は、学校の授業でも習う「カシオペヤ座から北極星を探す」星の並びを思わせる構図になっています。
満天の星空の中では見逃してしまいがちな星の配置も、雲に切り取られることで、まるでクローズアップされたかのように浮かび上がってきます。雲のある夜ならではの星空も、また味わい深いものです。

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『コナラの木越しに見るカシオペヤ座と北極星』雲の切れ間から、カシオペヤ座が姿をのぞかせていました。ローマ字の「W」の形をした星並びの下側を結んだ線と、中央の星を結んで、その距離を約5倍延ばした先に北極星があります。雲に切り取られた星の並びが、星の探し方をやさしく教えてくれる一瞬です。撮影地:木曽馬の里(コナラの木)(©大西浩次)
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『放牧地の向こうに昇る冬の大三角』雲の切れ間から、オリオン座が姿を現しました。オリオン座の赤い星ベテルギウスと、三ツ星を左へ延ばした先に輝くおおいぬ座のシリウス、そしてその斜め左上に見えるこいぬ座のプロキオン。この三つの星がつくる、冬を代表する星の並びが「冬の大三角」です。撮影地:木曽馬の里、放牧場の駐車場 (©大西浩次)
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『コナラの木の向こうの秋から冬の星たちと淡い天の川』冬の夕暮れ時、木曽馬の里で撮影した全天写真。秋から冬にかけての淡い天の川に沿って、明るい星々が連なって見えている。天の川のすぐ隣には、アンドロメダ銀河とさんかく座銀河も写っており、いずれも肉眼で見ることのできる最も遠い天体の一つである。撮影地:木曽馬の里、コナラの木 (©大西浩次)
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開田高原でおすすめの星空観察スポット(その2)

開田高原の星空観察スポットとして、もう二つおすすめしたい場所があります。
それが、九蔵峠展望台と、柳又ビューポイントです。
どちらも御嶽山の雄大な裾野まで見渡せる展望台で、西の空が大きく開けています。ここからは、西の空に沈んでいく星々をゆっくりと眺めることができます。深夜になると、オリオン座が御嶽山の稜線に向かって静かに沈んでいく様子を見ることもでき、冬の終わりを感じさせる印象的な星景が広がります。
なお、今年は国道361号の道路拡張工事の影響により、九蔵峠展望台付近は車両通行止めとなっています(7月31日まで)。そのため、期間中は自動車の往来を気にすることなく、静かな環境で星空を眺められるという、思いがけない利点もあります。
ここに掲載している写真は、柳又ビューポイントで撮影したものです。こちらも西の空の見通しがよく、御嶽山と星空を組み合わせた観察や撮影が楽しめます。主要道路沿いのため、自動車のライトが入ることがある点には注意が必要ですが、駐車場からそのまま星空を眺められる手軽さは、大きな魅力といえるでしょう。

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『薄明の中の御嶽山のふもとから見上げる星空』日の入りから約1時間、御嶽山の展望が開けたこの場所から西の空へ目を向けると、沈みゆく一番星――土星の姿も見えてくる。夕暮れの空の中で、秋の星座たちが静かに西へ傾いていく。この空には、天馬ペガサスの星座であるペガスス座と、その弟の星座、こうま座も含まれている。撮影地:柳又ビューポイント(©大西浩次)
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『薄明の中、御嶽山のふもとから見上げる星空』日没から約1時間、西の空を見上げると、ペガスス座(天馬座)と、その隣に並ぶこうま座の星々が姿を現します。やがて暗さに目が慣れてくると、太陽の通り道である黄道に沿って、淡い光の帯が浮かび上がってきます。これが黄道光です。光害の少ない、空の条件が良い場所でしか見ることのできない、貴重な天文現象です。撮影地:柳又ビューポイント(©大西浩次)
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冬の星空案内(開田高原編)

開田高原や乗鞍高原のように光害が少なく、星が美しく見える場所では、街中ではなかなか目にすることのできない天体や天文現象を観察することができます。ここでは、冬の木曽でぜひ注目してほしい星空の見どころを、三つ紹介します。

その1 夕暮れに現れる黄道光

まず紹介したいのが、夕暮れ時に現れる黄道光です。黄道光とは、天球上での太陽の通り道である「黄道」に沿って現れる、淡い光の帯のことです。黄道は、誕生日星座として知られる黄道十二星座が並ぶ場所でもあります。
この光は、金星と地球の間を中心とした黄道面(地球の公転面)に広がる微小な小惑星のかけら、いわゆる惑星間塵(チリ)が、太陽光を散乱することで生じます。非常に淡いため、現在では光害の少ない地域でしか見ることができません。
冬から春にかけての夕方、西の空で、日没からおよそ1時間後、薄明が終わるころに観察できます。写真では、御嶽山の左上に土星が見える黄道に沿って(黄色い線で示した部分)、淡い光の帯が伸びている様子がわかります。実際の空ではとても淡いため、暗闇に目を慣らしていくと、ぼんやりと、しかし天の川よりも明るい光として感じられるはずです。

その2 秋から冬にかけての天の川

次に紹介するのは、秋から冬にかけて見られる天の川です。銀河系とは、数千億個もの星とガス、ちりが集まってできた、渦巻き構造をもつ巨大な星の集団で、天の川は、私たちがその内部から見上げた姿にあたります。太陽系は銀河系の中心からやや離れた場所にあるため、中心方向にあたる夏の星座・いて座の方向では、星が密集した濃く明るい天の川が見えます。一方、銀河系の外側へ向かう冬の星座――おうし座やオリオン座の方向では、星の数が少なく、天の川は淡く静かな姿を見せてくれます。秋から冬にかけての天の川は全体に控えめですが、空の暗い開田高原では、微光星が集まった淡い光の帯として、その存在をはっきりと感じることができます。

その3 肉眼で見ることのできる銀河、アンドロメダ銀河

三つ目に紹介するのが、アンドロメダ銀河です。アンドロメダ銀河は、私たちの天の川銀河(銀河系)の約2倍の大きさをもつ銀河で、互いの重力によって結びついています。さらに、さんかく座銀河とともに、小さな銀河のグループを形成しており、この三つの中では、アンドロメダ銀河が「兄」、天の川銀河が「中間」、さんかく座銀河が「弟分」にあたります。
アンドロメダ銀河は、条件の良い場所では肉眼でもぼんやりと確認できます。また、より小さなさんかく座銀河も、位置がわかっていれば肉眼でかすかに見えることがあります。これらは、肉眼で観察できる天体としては最も遠く、距離は約250万光年です。つまり、いま私たちの目に届いている光は、250万年前にその銀河から放たれたものなのです。なお、双眼鏡を使うと、よりはっきりと観察できます。

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『ライトアップされた白川氷柱群』撮影地:白川氷柱群(©「長野県は宇宙県」)
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『白川氷柱群の上のオリオン座』ライトアップが終わった白川氷柱群の上に、冬を代表する星座たちが姿を見せます。森の上にはオリオン座が架かり、その左側では、おおいぬ座のシリウスがひときわ明るく輝いています。撮影地:白川氷柱群(©「長野県は宇宙県」)
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オプション 白川氷柱群から見る星空

冬の木曽を代表する光景のひとつとして、白川氷柱群から眺める星空をオプションとして紹介します。観察は、(主要地方道)県道開田三岳福島線沿いにある「けやきの湯」入口のチェーン脱着場に車を停めて行います。白川氷柱群は、例年1月から2月にかけて見頃を迎え、この時期は17時30分頃から21時30分頃までライトアップされています。ライトアップ中は周囲が明るく、星空観察にはあまり適していませんが、ライトアップ終了直後に天候が良ければ、氷柱の上に冬の星座が広がる、印象的な光景に出会えることがあります。
ただし、夜間は路面や足元が凍結している場合も多く、冷え込みも厳しくなります。十分な防寒対策に加え、滑りにくい靴など、安全に配慮した装備で訪れることをおすすめします。無理をせず、周囲の状況をよく確認しながら、冬ならではの星空を楽しんでください。

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『木曽シュミットドームとその上に広がる冬の星たち』東京大学木曽観測所のシュミットドームが開き、今夜も星空の観測が行われています。上空には冬の大三角が輝き、その間を淡い冬の天の川が流れています。ここから、今夜はどのような発見が生まれるのでしょうか。なお、夜間の観測所内は研究活動のため立ち入り禁止となっています。この写真は、特別な許可を得て撮影したものです。撮影:東京大学木曽観測所(©大西浩次)
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木曽の星空を支える場所 ― 東京大学木曽観測所

木曽には、今も美しい星空が残されています。その理由の一つが、この地に、日本の光学観測の拠点ともいえる東京大学木曽観測所があることです。
木曽観測所の主力望遠鏡は、口径105cmのシュミット望遠鏡です。シュミット望遠鏡は、広い空を一度に観測することを得意とする望遠鏡で、このクラスの望遠鏡としては、世界でもトップレベルの性能を誇ります。現在、この望遠鏡には、フルサイズのデジタルカメラ用センサーを84枚並べた「トモエゴゼンカメラ」が取り付けられています。この装置により、直径約9度という非常に広い範囲を動画で撮影し、全天をおよそ3時間で掃天することが可能になりました。その結果、短時間で明るさが変化する星や、突発的に現れる天体など、これまで見逃されがちだった現象が、日常的に観測されています。
夜間は研究活動のため一般公開は行われていませんが、4月から12月にかけては、昼間の一般見学が可能です。星空観察の旅の中で、こうした観測の最前線を知ることは、夜に見上げる星空を、より深く感じるきっかけになるでしょう。

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『冬の天体観望会』開田高原かまくらまつりでの星空観望会の様子。今シーズンは、「木曽馬の里」にて星空観望会が開催予定。撮影地:開田高原西野下栗尾農道(©「長野県は宇宙県」)
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木曽馬の里観望会 2026

開田高原は、空が暗く、星空の美しさで知られる場所です。現在、この開田高原を「星空保護区(※)」に登録しようという取り組みが進められています。地元の主催団体を中心に、県内外の天文愛好者団体が協力し、定期的な星空観察会が開催されています。これらの活動では、星空観察に加えて、星空環境の保全や光害について学ぶ講演会、意識づくりのためのミーティングなども行われています。
こうした取り組みの一環として、開田高原地域協議会の主催のもと、「長野県は宇宙県」連絡協議会、東京大学木曽観測所、木曽観測所サポーターズクラブの協力により、「木曽馬の里観望会」が毎月開催されます。会場は、木曽馬の里の駐車場です。
※詳細は、配布されるチラシをご確認ください。

〈開催概要〉
■ 2026年3月7日(土)
時間:19時~20時
観望予定天体:
オリオン大星雲、トラペジウム、木星、すばる、ぎょしゃ座散開星団

・星空保護区とは
「星空保護区」とは、光害(人工の明かりによって夜空が明るくなり、星が見えにくくなる現象)から、美しい夜空を守る取り組みを評価・推進する国際的な制度です。この制度は、世界の天文学者や環境学者らによって設立された国際団体「ダークスカイ・インターナショナル(DarkSky International)」が運営しており、暗く美しい星空を守るための優れた活動を行っている地域を認定しています。

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木曽馬の里観望会 2026(©開田高原地域協議会)

木曽エリアでの冬のイベント

長野県木曽町では、冬ならではの風景を楽しめるイベントも行われています。開田高原では、雪に包まれた里にかまくらが並ぶ「開田高原かまくらまつり」が開催され、夜にはやわらかな灯りが雪景色を照らします。また、木曽路一帯では、地域全体をキャンドルの光で彩る「木曽路 氷雪の灯祭り」も行われ、静かな冬の夜に幻想的な雰囲気が広がります。人工の光を抑えたこれらのイベントは、木曽ならではの星空とも相性がよく、澄み切った冬の夜空とあわせて楽しむことができます。

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『木曽路 氷雪の灯祭りのアイスキャンドルで照らされた福島宿』撮影地:福島宿(木曽福島)(©「長野県は宇宙県」)
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【木曽路 氷雪の灯祭り 2026】
木曽路の宿場町を中心に、手作りのアイスキャンドルや竹灯籠が灯る幻想的な冬のイベントです。2026年は1月24日(土)から2月15日(日)にかけて、各地で順次開催されます。歴史ある町並みに静かな灯りがともり、人工の光を抑えた夜の景観は、星空とも美しく調和します。

〈開催日程・会場〉
2月14日(土)
 南木曽町・妻籠宿 (妻籠宿内)
 時間:17:30~
 問合せ:(一社)南木曽町観光協会
 TEL:0264-57-2727
2月15日(日)
 大桑村・大桑村スポーツ公園
 時間:17:30~
 問合せ:大桑村観光協会
 TEL:0264-55-4566

【星空観察の前に】
トイレと防寒のチェック
冬の星空観察では、寒さへの備えが欠かせません。
特に重要なのが、夜間に利用できるトイレの確認です。
開田高原では、冬の夜間も使用できるトイレが複数あります。

〈トイレ位置〉
・開田高原水生植物園トイレ
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・大見沢トイレ
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・木曽町開田支所駐車場 公衆トイレ
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・池ノ沢トイレ
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・公衆トイレ
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・土橋バス停 公衆トイレ
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終わりに 星空を見ることについて

星空を見ることは、人類が自然と向き合い、世界を理解しようとしてきた最も古く、普遍的な営みの一つです。季節を知り、時を測り、方位を定めるために、人々は夜空の星々に意味を見いだし、星座や物語として受け継いできました。
開田高原の夜空は、そうした営みを現代に伝える貴重な場所です。人工の光が少ない高原では、星々が本来の姿で広がり、過去の人々が見上げてきた空とほぼ変わらない星の並びを、いまこの場所で体験することができます。
星空は、時間を超えて共有される文化遺産です。このWEB記事をきっかけに、開田高原の夜空を見上げ、星と人との長い関わりに思いを巡らせていただければ幸いです。


構成・取材・撮影・文:大西浩次

<著者プロフィール>
大西 浩次(Kouji Ohnishi)
星空と風景を一緒に写す星景写真の第一人者。国立長野高専教授。長野市在住で、「長野県は宇宙県」連絡協議会会長として、多くの仲間と一緒に長野県の天文文化を創る活動を行っている。研究分野は、天文学と市民科学(シチズンサイエンス)である。

 

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