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長野のリンゴ“おいしい理由”|品種でわかる産地と旬

全国2位の生産量を誇る長野県のリンゴ。澄んだ空気と大きな寒暖差がもたらす甘みと香りが魅力で、8月から12月まで多種多様な品種が続々と登場します。秋映・シナノスイート・シナノゴールドの「りんご三兄弟®」をはじめ、長野県オリジナル品種の旬や特徴、信州ならではのリンゴの楽しみ方をご紹介します。(2025/10/6)

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TOP PHOTO 出典:フィールドデザインギャラリー
 

 

長野のリンゴがおいしい理由

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出典:フィールドデザインギャラリー

全国2位の生産量を支える理想的な環境

長野県がりんご栽培に適している最大の理由は、標高の高さと内陸性気候による昼夜の寒暖差にあります。この気温差がリンゴの糖度を高め、美しい色づきを促進。さらに年間降水量が比較的少ないため病害虫の発生が抑えられ、品質の良い果実を安定的に生産できるのもポイントです。

リンゴの生産は県内各地で行われています。近年は「高密植わい化栽培」が普及し、効率的な管理と高品質な実りが両立。出荷基準を守り抜く生産者の努力によって、長野のおいしいリンゴが全国に届けられています。

※全国2位の生産量:農林水産省「作物統計調査」データより

8月から12月まで続く収穫リレー

長野県産リンゴの魅力の一つは、品種の豊富さ。早生品種から晩生品種まで幅広く栽培され、8月上旬から12月下旬頃まで、約5カ月間にわたって新鮮なリンゴを味わうことができます。訪れる時期によって異なる品種に出合えるのも、長野ならではの楽しみです。

長野県オリジナル品種の魅力

県内では、信州の風土に合ったリンゴを生み出すため品種改良が重ねられ、数々の長野県オリジナル品種が生み出されました。いまや全国的に知られるメジャー品種をはじめとした、代表的な8品種をご紹介します。

シナノリップ

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画像提供:長野県農政部

収穫時期:8月中旬~8月下旬

『シナノリップ』は「千秋」と「シナノレッド」を掛け合わせた早生品種。果実は300gほどの扁円形で、紫紅色に全面が色づきます。糖度14〜15%、酸度0.4%程度で、濃厚ながら爽やかな味わい。歯切れの良い食感と豊かな果汁も魅力で、常温で約1週間、冷蔵なら1カ月程度保存可能。夏の終わりにいち早く味わえる新リンゴです。

シナノレッド

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画像提供:長野県農政部

収穫時期:8月中旬~8月下旬

『シナノレッド』は「つがる」と「ビスタベラ」を交配して生まれた早生品種。果実は250〜300gほどで、黄緑の地色に鮮やかな赤と縞模様が重なります。糖度は13%前後、酸度0.4〜0.5%で甘みと酸味のバランスが良く、爽やかな風味が広がります。果肉はかためで果汁はたっぷり。夏の暑い時期に清涼感をくれるリンゴです。

シナノドルチェ

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画像提供:長野県農政部

収穫時期:9月中旬~9月下旬

「ゴールデンデリシャス」と「千秋」を親に持つ『シナノドルチェ』。果実は300g前後と大きめで、黄緑の地色に赤い縞模様が入ります。糖度14〜15%、酸度0.5%程度で、甘みと酸味が調和した濃厚な味わい。果汁も多くみずみずしさが際立ちます。秋の訪れを告げる品種として親しまれ、果皮の緑が抜け赤みが増した頃が食べ頃です。

シナノプッチ

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画像提供:長野県農政部

収穫時期:9月中旬~9月下旬

150〜200gほどの小玉サイズが特徴の『シナノプッチ』。扁円形の果実は鮮やかな赤色に染まり、見た目も可愛らしいリンゴです。糖度13〜14%、酸度0.3%程度で酸味は穏やか。パリッとした果肉で皮ごと食べても違和感がなく、褐変もしにくいため、おやつ感覚で丸かじりできます。

シナノピッコロ

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画像提供:長野県農政部

収穫時期:9月中旬~9月下旬

「ゴールデンデリシャス」と「あかね」から生まれた『シナノピッコロ』。果実は150〜200gほどの小玉で、黄白の地色に濃赤色が映えます。糖度14%前後、酸度0.4%程度で甘酸のバランスがよく、緻密な果肉はジューシー。小ぶりながらも食べ応えがあり、お弁当や持ち歩きにも便利な一玉です。

秋映

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画像提供:長野県農政部

収穫時期:9月下旬~10月中旬

りんご三兄弟®の長男『秋映』は、「千秋」と「つがる」から生まれた品種。果実は300gほどの大玉で、濃い暗紅色の果皮が特徴です。標高や気候に左右されず鮮やかに色づき、甘みと酸味のバランスが良く、果汁もたっぷり。かための歯ごたえも魅力で、秋を代表するりんごとして贈答にも人気があります。

シナノスイート

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画像提供:長野県農政部

収穫時期:10月上旬~10月下旬

りんご三兄弟®の次男『シナノスイート』は、「ふじ」と「つがる」を交配し誕生しました。果実は300〜350gと大きめで、赤い果皮とジューシーな果肉が特徴。糖度14〜15%で甘みが際立ち、酸味は0.3%程度と控えめです。酸っぱさが苦手な方やお子さまにも食べやすく、名前のとおりスイートな味わいを堪能できます。

シナノゴールド

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画像提供:長野県農政部

収穫時期:10月中旬~11月上旬

りんご三兄弟®の末っ子『シナノゴールド』は、「ゴールデンデリシャス」と「千秋」を掛け合わせた品種。名前のとおり黄色い果皮を持ち、果実は300g前後と大玉です。糖度14〜15%、酸度0.5%程度で甘酸のバランスが良く、パリッとした食感と爽やかな風味が魅力。貯蔵性に優れ長期保存でき、ジュースやアップルパイにもぴったり。近年は海外でも高い評価を受けています。

長野のリンゴを楽しむなら

長野を訪れたら、リンゴ狩りや地元の直売所やスーパーで旬を手に取ってみてください。ご自身のお土産としてはもちろん、日持ちが良いため遠方への配送にも便利。旅の思い出とともに、長野のリンゴのおいしさをお裾分けしてみてはいかがでしょうか。

リンゴ狩りで特別な体験を

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出典:一般社団法人信州須坂観光協会

長野県内の多くの農園では旬の果実を収穫できる「リンゴ狩り」が体験できます。例えば、長野市豊野のアップルライン(国道18号)沿いはリンゴ農園が集まるエリア。木からもぎ取ったばかりのリンゴは格別で、生産者から直接おいしい実の見分け方や品種の特徴を教わるのも楽しみの一つです。

直売所・スーパーで購入

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出典:フィールドデザインギャラリー

長野県内の直売所やスーパーでは、基本的にどこでも新鮮なリンゴが手軽に手に入ります。特に直売所には収穫したての果実が並び、品種や生産者の情報も詳しく知ることができます。価格も比較的リーズナブルで、食べ比べを楽しめるのも魅力です。

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アンテナショップやオンラインストアでも入手可

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銀座NAGANOのショッピングサイト「NAGANOマルシェセレクト」

現地に行けない場合でも、アンテナショップや通販を利用して購入できます。東京都・銀座の「銀座NAGANO」では、選りすぐりの長野県産品を販売し、リンゴのラインナップも豊富。オンラインショップ「NAGANOマルシェセレクト」では全国どこからでも注文可能です。
※銀座NAGANOでは、電話等での受付配送は行っておりません(来店購入のみ)。

まとめ

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出典:フィールドデザインギャラリー

澄んだ空気と寒暖差に育まれ、独自の品種改良で進化を続ける長野のリンゴ。旬は8月から12月まで幅広く、訪れるたびに異なる魅力に出合えます。ぜひ現地を訪れ、リンゴ畑の風景とともに、その時期ならではのおいしさを味わってみてはいかがでしょうか。

長野県のリンゴについての詳細は以下サイトもご覧ください。
「おいしい信州ふーど」図鑑
長野県農業関係試験場

 

文:松尾 奈々子

 


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