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北アルプスエリア限定!上質で贅沢な1杯を手軽に。白馬のペンションオーナー“こだわり”クラフトビール10選

日本中にその存在を定着させたクラフトビール。もちろん長野県にも至極のブルワリー(醸造所)があります。さまざまな地域でクラフトビール需要もますます高まっています。そんな中、今回は北アルプスエリアに限定し、おすすめのクラフトビールをリサーチ。良質な天然水が豊富な北アルプスだからこそ作れるビールがここにあります。産地により各クラフトビールが持つ風味や特徴は幅広く、きっと自分の好みにあうクラフトビールが見つかるはずです。これから夏に向けて筆者も是非試してみたいものばかり。今回ご紹介するものはほんの一部に過ぎませんが、気になるものがあれば是非チェックしてみて下さい。

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TOP PHOTO:©︎北アルプスブルワリー
 

記載の内容は、記事執筆時点での情報です。製品ラインナップや販売状況、価格等は変更する場合がございます。最新の情報は、各施設にお問い合わせください。

ドライですっきりとした印象。個性的なパッケージも魅力の『Hakuba Brewing Company』

白馬の地ビールとしてすっかり定着した『白馬ブルーイングカンパニー』©Hakuba Brewing Company

美しく雄大な白馬の山々に魅了され移住してきたイギリス人オーナーが、白馬を表現するために作り出したという『Hakuba Brewing Company』。個性的で新しいスタイルのクラフトビールで、2014年の設立以来、地元の人にも観光客にも愛され続けています。激戦区である東京のクラフトビールシーンでも、一貫して卓越した美味しさという評判で、今回は3つをセレクトしご紹介します。

北アルプスを眺めながらの最初の一杯は爽やかな〈ペールエール〉600円がおすすめ!©Hakuba Brewing Company

〈白馬ペールエール〉
『ブルーイングカンパニー』の豊富な種類の中でも代表的なペールエールで、花と柑橘系の香りで万人受けする飲みやすいタイプです。口当たりはややドライで香り高く、バランスのよい風味。アルコール度数は5%、IBUは30で白馬産の小麦を使用しなめらかな泡を作りだしています。白馬の自然を感じられるようなビールに仕上がっています。

※IBU(International Bitterness Units)は「国際苦味単位」のことで、どの程度苦みがあるかの基準です。数値が高いと苦味が強く、低いビールは苦味が控えめ。ホップの中の成分「α酸」が苦味のもとで、ホップの品種によりα酸の量もまちまちで、専用の器具を使い数値を割り出します。ただ、ベースとなる糖度や麦芽、そして体調や気温によっても、数値ほど苦味を感じないことがあるのであくまで目安と考えるとよいでしょう。ビール選びの参考にしてみると、よりビールを楽しむことができそうです。

泡まで苦味が効いている濃厚な〈ブラック〉600円©Hakuba Brewing Company

〈白馬ブラック〉
一口飲むとコーヒーとカカオの風味を伴う苦味が口いっぱいに広がります。アマリロホップというアメリカ産のアロマホップを使用し、濃厚でビターな口当たり。ローストバーレイという未発芽の大麦を高温で焙煎したものを使っているため、コーヒーのような香りと味わいが特徴。苦味の中にもまろやかさを感じられる、クラフトビール好きにはたまらない逸品です。アルコール度数は5%、IBUは25です。

赤みのある琥珀色が華やかな印象の〈アンバーエール〉600円©Hakuba Brewing Company

〈白馬アンバー〉
ほのかに甘いモルトの風味とビターな苦味が絶妙な〈アンバー〉は、英国のアンバーモルトを使用したESB(エクストラスペシャルビター)で、少しクセのあるビールが好きなビール通にも受け入れられそうなオリジナリティのある深みのある味わいです。アンバーモルトとは、熱風乾燥した特殊なモルトで、ビスケット感が強く、トーストした穀物の風味があり、琥珀色と銅色をビールに与え、ドライでホップの苦味が引き立つ仕上がりです。〈アンバーエール〉自体はクラフトビールの中でもややマイナーなスタイルのビールですが、筆者はこのアンバーの香り高いコクと華やかな後味がお気に入りで、是非おすすめしたいです。アルコール度数は5%、IBUは35。

Hakuba Brewing Company

大町の湧水で作るクラフトビールはまさに極上!『北アルプスブルワリー』

サンプルビールを取り出しているところ。©北アルプスブルワリー

長野県大町市は全国的にも珍しい“湧水を水源とするエリア”で、「蛇口から湧水が出てくる大町市」として知られています。これまで数々の賞を受賞していて、世界で認められた最高品質の水が日常的に使われているというから驚きです。飲料水としてはもちろん、水質が重要な大手コンタクトレンズメーカーやオーガニック化粧品の会社が点在するエリアで、その水で作る米、そば、果樹、ワイン、日本酒、コーヒーなどの‘’食‘’は北アルプスの恵みと言えるでしょう。そんな豊かな水が誇りの大町市にある『北アルプスブルワリー』から3つのビールをセレクトしました。

雪どけ水のような“爽やか”で“なめらか”な味わいが特徴の〈氷河ラガー〉550円©北アルプスブルワリー

〈氷河ラガー〉
『ジャパン・グレートビア・アワーズ2020』の銀賞を受賞したという極上のラガータイプのクラフトビールで、ビール種は「ピルスナー」。世界で飲まれるビールのうち、約7割を占めるといわれるピルスナーは、チェコのピルゼンで誕生した黄金色のビールで、ボディが軽くドライ。良質な水が適したタイプのビールなので、北アルプスの湧水で作るには最適。日本人が古くから親しんできたスタイルのビールです。アルコール度数は4.5%、IBUは10。

ドイツ産ホップを使用したバランスの良い飲み口の〈氷河ペールエール〉500円©北アルプスブルワリー

〈氷河ペールエール〉
代表的なペールエール。ホップやモルト(麦芽)の香りが特徴で、ペールエール自体は飲みやすくクラフトビールのシーンにおいて世界的にも人気の種類です。アルコール度数は5.5%、IBUは40。華やかな香りを楽しむためには、あまり冷やしすぎないのがおすすめです。どんな料理にも合わせやすいので、さまざまなお料理とのペアリングを楽しむことができます。

個性的で華やかなホップの香りと苦味が特徴の〈氷河IPA〉600円©北アルプスブルワリー

〈氷河IPA〉
IPAはもともとインドへの輸送に耐えられるよう麦汁濃度を高くしホップをたくさん使用することで誕生したスタイルで、慣れればクセになるような味わいです。アルコール度数は5%、IBUは30。IPAの中にもさまざまな種類があるので、自分好みの1本を探すのも楽しいビールです。個性的なホップの香りに負けないような肉料理やカレーなど濃い味のお料理とのペアリングがおすすめです。

左から〈氷河スタウト〉〈氷河ホワイトエール〉〈氷河アップルエール〉〈コーヒーパンチ〉各600円 ※季節により品切れとなる場合がございます。©北アルプスブルワリー

『北アルプスブルワリー』では紹介したビール以外にも『ジャパン・グレートビア・アワーズ2020』で金賞を受賞した〈氷河スタウト〉。フルーティーでスッキリ感が心地よい〈氷河ホワイトエール〉。北アルプス信州産のリンゴを贅沢に使用した甘味が心地良い〈氷河アップルエール〉(銀賞受賞)。自家焙煎珈琲を使用した衝撃的な1杯を味わえる、ビールでありながら「コーヒーパンチ」というネーミングの珍しいクラフトビールも。こちらは銀賞受賞に加え、『インターナショナル・ビアカップ2020』のカテゴリーチャンピオン(金賞)のW受賞に輝いています。貴重でおいしい贅沢な1杯を是非ご賞味ください。

北アルプスブルワリー

確かな品質管理と地産地消を掲げ、原料に安曇野産ホップを使用する『穂高ビール』

寒暖の差が激しく冷涼な気候の長野県は、ドイツ種由来のホップの生産に適した土地で、日本のホップ生産量のほとんどを担う国産ビール製造の重要なエリアでした。農産物輸入の自由化により、長野県でのホップの生産は一旦終了しましたが、昨今のクラフトビール人気により自社生産や農家と契約する企業が増えてきています。こちらの『穂高ビール』も地元でホップを生産する企業の一つ。食事に合うビール、特に日本料理に合うビールをテーマにした日本独自のホップの恵みを堪能してみてください。

スッキリとしたコクが特徴の〈アルト〉(左)と、フルーティーな〈ケルシュ〉(右)©︎穂高ビール

〈アルト〉
『ジャパン・アジア・ビアカップ2011・2012』で金賞を受賞したドイツ・デュッセルドルフ地方の伝統的なビールで、食事をより美味しく頂くためのビールとして名高く、ソーセージなどの豚肉料理によく合います。原料に安曇野産ホップも一部使用し、苦味が特徴。長野を訪れた海外旅行者からの評判も良く、「泡にもうまさが感じられ美味しい」との声も。意外にもナッツのタルトやみたらし団子などのスイーツとのペアリングも、『地ビール穂高ブルワリー・ツインオークス内』のレストラン『L’ATELIER DES SENS(ラトリエ・デ・サンス)』足立史樹シェフのおすすめらしい。スイーツ好きな筆者もこれは是非試してみたいペアリングです。アルコール度数は5%。IBUは23です。

※足立史樹氏:安曇野の穂高ビールブルワリーも併設している五感で楽しむレストラン&カフェ『L’ATELIER DES SENS(ラトリエ・デ・サンス)』のフレンチシェフ。ビアテイスター、フードコーディネーターの資格も持つ。都内有名高級フレンチ専門店出身でアメリカ、フランスで経験を積み、『優秀公邸料理人』として外務大臣表彰を受賞した実力派シェフがビールと料理のペアリングも提案している。

〈ケルシュ〉
『ジャパン・アジア・ビアカップ2011』銀賞受賞の〈ケルシュ〉は、飲みやすく本場ドイツでは食前酒として親しまれている伝統的なドイツビールです。こちらも原料の一部に安曇野産ホップを使用し、気品高い甘味とのど越しが特徴。苦味とボティは軽めなので普段ビールを飲まない人にもおすすめです。シンプルな料理と相性がいいので、チーズやクラッカー、野沢菜などと合わせてみてはいかがでしょうか。アルコール度数は5%、IBUは16です。

口あたりのまろやかな〈ヴァイツェン〉(左)としっかりとした苦味の〈ペールエール〉(右)©︎穂高ビール

〈ヴァイツェン〉
苦味も少なく軽さが特徴の〈ヴァイツェン〉は、ドイツ発祥の小麦ビールで、小麦麦芽を50%以上使用し、原料の一部に安曇野産ホップを使用。酵母のバナナ・スパイスのような香味と華やかでさっぱりしたさわやかな香りが特徴で、和食との相性もよく、フルーツや魚介のカルパッチョ、トマトサラダやフレッシュ系のチーズともよく合います。さわやかな飲み心地が好きな方にはおすすめの1杯。アルコール度数は5%、IBUは19です。

〈ペールエール〉
こちらのペールエールも一部に安曇野産ホップを使用し、イギリス産のエールモルトとマリスオッターをブレンド。ドライホッピング製法を用いたビールで、ステーキやピザ、焼肉などとのペアリングも楽しめます。アルコール度数は5%、IBUは34です。

穂高ブルワリー

L’ATELIER DES SENS(ラトリエ・デ・サンス)


全国各地でクラフトビールのイベントや新しいブルワリーやブルーパブが誕生し、ますます盛り上がりを見せるクラフトビール市場。地域活性やコミュニケーションツールにもなり、スタイリッシュで個性的なパッケージはお土産としてもおすすめできます。仲間で持ち寄って飲み比べしても楽しそう。これからの季節、クラフトビールを味わう機会も増えそうです。さまざまな種類に是非トライしてみてください。

取材・文 満月ナギ

<著者プロフィール>
満月ナギ(Mitsuki Nagi)
長野県白馬村在住。ペンションの女将をしながら、FMラジオ局でのリポーターやフリーペーパー制作などの経験を活かしライター業をこなす。子育てをしながら長野のスローライフを満喫&魅力発信中。

 

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