温泉に浸かりながら紅に萌ゆる紅葉露天風呂。 ご案内します!

早いところでは、9月の終わりから色づきはじめる長野県の紅葉。乗鞍岳や八方尾根などの山岳景観から車でアクセス可能な志賀高原や美ヶ原高原など、長野県は、まさに紅葉の名所揃いです。そんな紅葉を露天風呂から満喫してほしい。今回『GoNAGANO』編集部リサーチで、3つの温泉宿をピックアップ!

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TOP PHOTO:©️白骨温泉 泡の湯旅館

00 露天風呂から紅葉狩りを楽しむ贅沢

長野県の紅葉は、関東や関西の紅葉名所より早く、例年10月中旬に見頃を迎えるのが特徴。「昼夜の寒暖差が大きい」「平地より斜面であること」「空気が汚れていない」など美しい紅葉の条件を満たす長野県は、紅葉狩りにぴったりの土地なのです。公園や高原など様々なロケーションで、色彩の移ろいを感じることができます。今回ご紹介するのは、露天風呂から紅葉を楽しめる温泉宿です。赤、黄色に色づいた木々が織りなす景観を浴場から望む。そんな悦に入るひとときに日頃の疲れを癒やされてみませんか。

目の前に紅葉を臨む貸切露天風呂 ©創業大正十五年 蓼科 親湯温泉

01 紅葉の渓谷を楽しむ貸切露天風呂と自分で掘り起こす野天風呂『秋山郷 雄川閣』in栄村

長野県と新潟県にまたがる紅葉の名所・秋山郷。苗場山と鳥甲山に囲まれた中津川渓谷の最奥地にある「切明温泉」は、秘境の温泉地として知られています。なかでも『秋山郷 雄川閣』は、渓谷の美しさを間近で感じられる温泉宿です。ここでは、清流・中津川を眼下に臨む貸切露天風呂から紅葉を楽しんで。
さらに、宿から徒歩2分のところには切明温泉名物の野天風呂「河原の露天風呂」も。中津川から自噴する温泉をスコップで掘り起こし、自分だけの浴場を楽しめます(バスタオルまたは水着の着用必須・宿にてスコップ貸出無料)。野性味あふれる温泉と、視界からこぼれるほどの紅葉は、ここでしか味わえない贅沢。山の木々は10月上旬に色づきはじめ、10月中旬から下旬が見頃。

貸切野天風呂では自然と一体となれる ©秋山郷 雄川閣

名物の露天風呂〈河原の露天風呂〉は、53度の源泉に川の水を混ぜながら満喫 ©秋山郷 雄川閣

車で20分、〈布岩〉と紅葉の織りなす自然美もお見逃しなく ©秋山郷 雄川閣

館内は、2019年にリニューアルオープン。大きな梁を残してリニューアルされた温故知新な空間のしつらえが魅力です。全室和室で、部屋からも秋山郷を囲む山々や中津川を眺められます。夕食は、秋山郷周辺でとれたイノシシ、シカ、クマなどのジビエ肉をメインとした和食。栄村産コシヒカリのごはんに、秋山郷周辺のとれたて野菜のグリルやぼたん鍋など、地元ならではの秋の味覚を堪能できる贅沢コースです。長野の地酒との相性もばっちり。
また、宿から車で20分圏内には、蛇淵の滝や天池など紅葉スポットも点在します。『秋山郷 雄川閣』を拠点に、秘境の秋を余すことなく満喫できる秋山郷を散策してみては。

夕食は秋山郷のジビエと日本酒を堪能してみては ©秋山郷 雄川閣

入浴後は屋上デッキからくつろぎながら紅葉狩りも ©秋山郷 雄川閣

秘境〈秋山郷 雄川閣〉
http://yusenkaku.yadoroku.jp/

日帰り入浴も可
内湯のみの場合:大人料金700円
内湯と貸切野天風呂:大人料金1000円、子ども350円 ※小学生以下は無料

 

02 三種の露天風呂で表情の異なる紅葉ビューを『蓼科親湯温泉』in茅野市

長野県中部、蓼科高原に位置する『蓼科親湯温泉』。大正十五年に開業し、高原を訪れる多くの旅行者に癒やしを与え、太宰治や斎藤茂吉など多くの文人にも愛された温泉宿です。ここでは三種6つの露天風呂から多様な紅葉の光景を望めます。例年10月中旬ごろが見頃。

【三種の露天風呂】
・大浴場直結の露天風呂(男女)
眼下に一級河川の滝の湯川が流れる景観の良さが特徴です。2017年4月完成。
・「天与の湯」(女性専用)
渓谷に面し、奥行きのある紅葉を楽しめるロケーション。2018年より女性専用になり浴場の広さが二倍に。
・貸切露天風呂「一の湯」「二の湯」「三の湯」(宿泊者30分無料)
3~4名まで入れる湯船で間近に紅葉を臨めます。家族やカップルはもちろん、ひとりゆっくりと紅葉を楽しむのもおすすめ。

2017年4月完成の露天風呂は紅葉と川のせせらぎを楽しめる。温泉は肌にやさしい弱酸性の泉質  ©創業大正十五年 蓼科 親湯温泉

女性専用露天風呂「天与の湯」から臨む紅葉。グラデーションが美しい ©創業大正十五年 蓼科 親湯温泉

露天風呂に限らず、客室やラウンジなど館内のいたるところで紅葉が楽しめる ©創業大正十五年 蓼科 親湯温泉

露天温泉で紅葉を満喫したあとは、信州の山の幸をつかった自慢の和フレンチディナー「蓼科 山キュイジーヌ」を。趣向を凝らしたメニューには、健康長寿トップクラスの長野ならではの発酵食品を多くとり入れています。連泊のお客様は2泊目に和食「蓼科 山ごはん」の提供も。
夜は宿自慢のプラベートライブラリー「みすずLounge&Bar」で過ごすのがおすすめ。創設者が地元・諏訪地域出身である岩波書店、みすず書房の書籍を中心に約3万冊の蔵書が並びます。秋の夜長を、文学とクラシカルな雰囲気漂う調度品と家具に囲まれた空間で過ごしてみては。
また、全52室の客室は2019年に全室リニューアル。サービス、空間ともに高い評価を獲る由緒正しき温泉宿。文人気分を味わいながら、秋の紅葉と味覚、書の世界を旅して。

「蓼科 山キュイジーヌ」と県内産ワインのマリアージュに感動を覚えるはず。レストラン入口のワインセラーから好みの1本を選ぶこともできます ©創業大正十五年 蓼科 親湯温泉

「みすずLounge&Bar」ではウイスキーやコーヒーなどドリンクの提供も ©創業大正十五年 蓼科 親湯温泉

創業大正十五年 『蓼科 親湯温泉』
https://www.tateshina-shinyu.com/

03 幾重にも重なる紅葉に囲まれた70坪の男女共用露天風呂『白骨温泉 泡の湯旅館』in松本市

松本市街地から車で1時間ほど、北アルプス山麓、乗鞍岳の東側に湧き出る乳白色の名湯・白骨温泉。湯川渓谷に囲まれた、野趣あふれる温泉地にあるのが『白骨温泉 泡の湯旅館』です。男女共用露天風呂から臨む紅葉が、この宿の名物。約70坪の広大な浴場をぐるりと囲むように木々が立ち並び、秋になると絵に描いたような風景に。その美しさはため息が出るほどです。見頃は10月中旬から10月下旬。
透明度の低い白濁の湯色、中腰で移動できるほどの湯量、女性専用の出入り口など、混浴が気になる方への配慮も充分。男女関わらず、親しい方と存分に紅葉と露天風呂を楽しめます。

季節や天候によりミルククリームやコバルトブルーなど湯色の変わる泡の湯 ©白骨温泉 泡の湯旅館

泡の湯は炭酸ガスと含有する炭酸泉で38度前後の「ぬる湯」が特徴 ©白骨温泉 泡の湯旅館

移り変わる自然の景色を間近に感じられるロケーション ©白骨温泉 泡の湯旅館

客室は、新館と本館に全24室の和室。布団だけでなく、ベッドを備えた部屋もあるので、お好みのスタイルをお選びください。夕食は、信州の食材をふんだんに使用した会席料理。骨までやわらかくいただける川魚の塩焼きや、季節の野菜や肉を蒸しあげる蒸しせいろなど、味わい豊かなメニューが揃います。朝食には、泡の湯の源泉でじっくり1時間炊いた特製の温泉粥を提供。まろやかな口当たりで身体にやさしく染み渡ります。また、周辺には日本屈指の山岳景勝地である上高地も。足を伸ばして、自然を満喫する休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

一組限定、和室12畳洋間広縁付きの特別な客室「琥珀」 ©白骨温泉 泡の湯旅館

滋味あふれる会席料理は、山と海のものを贅沢に取り入れている ©白骨温泉 泡の湯旅館

紅葉の絶景と美肌の湯〈白骨温泉 泡の湯旅館〉
https://www.awanoyu-ryokan.com/

日帰り入浴も可
大人1,000円、3歳~小学生600円
休館日や入浴可能時間は、お電話またはホームページにてご確認ください



おわりに
露天風呂から色づく紅葉を眺めるひととき。ほんの短い期間に楽しめる山の風情は、その儚さがきわ立ちます。日々移ろいゆく自然美を間近で感じ、長野県の秋を満喫してみてください。

文:ナカノヒトミ

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