ワインジャーナリスト鹿取みゆきさんが選ぶ 今、飲みたい・贈りたいNAGANO WINE

長野県のワイナリーは、今年60軒を超えました。品質向上はもちろん、品種、スタイルもますますバリエーションが豊かになって、今がまさに飲み時です。大御所から新進気鋭の造り手まで、多彩で魅力的な「NAGANO WINE」。ワインジャーナリストがおすすめする選りすぐりのワインとおいしい料理をご紹介します。

更新日:2020/12/24

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01. スパークリングワイン

ミュゼドゥヴァン oasis3 スパークリング
アルプス|塩尻市

喉の渇きを潤す
コスパ抜群のスパークリング

ミュゼドゥヴァン oasis3 スパークリング
©︎アルプス

泡立ちはとても豊かで、気泡が次から次へと溢れてきます。清々しいライムや青草の香り。まるで草原のなかにいるような清々しさ。口に含むとスッキリと爽やかな第一印象。豊かな泡立ちとともに、ライムのような果実味としっかりとした酸が出てきて、きりっとしています。シャルドネ、ゲヴュルツトラミネール、ソーヴィニヨン・ブランのブレンドで、前者がボディを、後者2品種が香りの豊かさを添えています。後口の酸とわずかなほろ苦さも心地よいスパークリングワインです。アルプスは塩尻に居を構えるワイナリー。OASISは手頃な価格で楽しめる「ミュゼ・ド・ヴァンシリーズ」のスパークリング版。「ミュゼ・ド・ヴァンシリーズ」のコスパの良さは抜群です。

★合わせる料理:信州サーモンのカルパッチョなど

シャインマスカット スパークリング
たかやしろファーム|中野市

マスカットの香り溢れる
程よい甘さ

シャインマスカット スパークリング ©︎たかやしろファーム

泡立ちとともに、マスカットの豊かな甘い香りがグラスから溢れてきて、口中でも、同様のフレーバーが豊かに広がっていきます。ほんのりとした甘さが口中で感じられるが、後口はすっきりとキレて、べたついたところは微塵もなく、シャインマスカットの魅力がそのまま伝わってきます。やや強めに冷やしてスイーツと合わせたり、食前酒として楽しんだりしてもいいスパークリング。ワインをあまり飲みなれていない人にもすすめたい1本です。同ワイナリーは、長野県の千曲川ワインバレーではやや下流よりの中野市にあります。4軒の生食用ぶどうの農家が集まって立ち上げたワイナリーです。

★合わせる料理:ぶどうのジュレ、シャインマスカットのサラダなど

02. 白ワイン

ソラリス信濃リースリング辛口 2019
マンズワイン小諸ワイナリー|小諸市

芳しい香りと魅惑的な果実味に
ほれぼれする

ソラリス信濃リースリング辛口 2019
©︎マンズワイン小諸ワイナリー

輝きのあるレモンイエローが美しいワイン。ふわっと広がる香りは白い花のブーケのように芳しく、奥のほうからゆずや和柑橘の香りも立ち上ります。程よい果実味に彩りを与える生き生きとした酸。溌剌とした果実味もじつに魅力的。清々しい酸とともに柑橘系の果物を食べたような余韻が続き心地よい。すっきりとしているが果実味はとても豊か。信濃リースリングはマンズワインがリースリングとシャルドネを交配してつくった品種。2019は近年で出色の出来。料理は、鶏ムネ肉の蒸し物にレモンをきゅっと搾った一品、豚ヒレ肉のシードル煮生クリーム添えなどと合わせたいところです。ワイナリーの前には樹齢30年を超えるぶどう園もあります。

★合わせる料理:鶏ムネ肉の蒸し物レモン添え、豚ヒレ肉のシードル煮など

KURAKAKE sun farm 2019
Cave hatano|東御市

ピュアな果実味を
とことん堪能

KURAKAKE sun farm 2019
©︎Cave hatano

やや濃い目のレモンイエローで美しい輝きを持っています。フレッシュな完熟オレンジの香りが第一印象で、口に含むと少しとろりとした食感があります。口中一杯に広がる果実味を柑橘そのもののような酸が支えていて、くっきりとした輪郭が感じられます。果実味には輝きがあり、まるで語りかけてくるような美味しさです。喉越しにはえぐみも渋みも一切なく、それでいて余韻は長く、実にエレガント。樽の風味に頼らないピュアでストレートな味わいの美味しさの真骨頂が堪能できます。波田野信孝さんは、2017年、東御市に自らのワイナリーを設立、畜産農家、日本酒の造り手たちとも連携を取り、地域の魅力を伝えよう奮闘しています。

★合わせる料理:シシトウのオリーブオイル炒め、かりかりのシラス添えなど

03. 赤ワイン

エステート シラー 2018
林農園|塩尻市

黒胡椒の香りが
スパイシー

エステート シラー 2018
©︎林農園

色合いはすこし褐色がかった、透明感のあるガーネット色。はじめはブルーベリーのような黒系ベリーの香りですが、しだいに立ち上る黒胡椒にとってかわられます。口中でも果実味を追いかけて黒胡椒のフレーバーが広がり、じつにスパイシー。果実味、タンニン、酸はきれいにバランスが取れて、飲み心地が柔らかくスルスル飲めるうえに、コスパも高いのが特徴です。林農園は、桔梗ヶ原ワインバレーで1911年に農園を開園、8年後にワイナリーを設立し、県内のワイン造りを牽引してきた老舗ワイナリーのひとつ。ワイナリーの正面の自社ぶどう園内には、1956年に定植された古木のメルロが今も育てられています。

★合わせる料理:粗挽き胡椒風味のステーキ、焼肉など

メルロ&カベルネ・フラン 彼は誰時(かはたれどき)2019
いにしぇの里葡萄酒|塩尻市

フレッシュさと深みを持ち合わせた
注目の赤ワイン

メルロ&カベルネ・フラン 彼は誰時(かはたれどき)2019
©︎いにしぇの里葡萄酒

色合いはすこし黒みがかった赤紫。やや野趣がありますが酸を予感させる香りも立ち上り、わずかに甘草のニュアンスも添えられています。口中では、タンニンは極めて穏やかで、果実味にすぐに豊かな酸が加わって、フレッシュで瑞々しい印象の仕上がりになっています。余韻にも酸が長く残って心地よく、果実味には深みがあり、将来の可能性を感じさせます。ワインはメルロ81%にカベルネ・フラン19%をブレンド。造り手の稲垣雅洋さんは14年前、標高850mのワインぶどう栽培の前例のない塩尻市北小野でぶどうを育て始めました。ワイナリーは2017年に設立しています。

★合わせる料理:ボルシチ、グラーシュなど

04. そのほか

シャトー・メルシャン 椀子ロゼ2019
シャトーメルシャン・椀子ワイナリー|上田市

チャーミングなベリー系の香りに
果実味と酸との一体感ある味わい

シャトー・メルシャン 椀子ロゼ2019
©︎シャトーメルシャン・椀子ワイナリー

うすい透明感のあるバラ色が美しいロゼワイン。第一印象は赤い小さなベリー系の香りに、わずかにピンクペッパーのような香り。口中ではすぐに中程度の厚みのある果実味が広がります。豊かな果実味と豊かな酸が互いに見事に溶け合っていて、味わいに一体感が生まれつつあります。後口にはかすかな苦味と果実のフレーバーが長く続いて心地よいワイン。ワイナリーで栽培しているメルロやシラーを原料に、2016年からリリースを開始。ワイナリーは広大なぶどう畑に囲まれていて、ぶどう畑越しにはるか千曲川の対岸まで見渡せます。合わせる料理は中華系。とくに酢豚がおすすめです。

★合わせる料理:酢豚、鶏肉の油林鶏など

ポラリス 竜眼オレンジ2019
ル・ミリュウ|安曇野市

飲みごたえのある
長野ゆかりの竜眼のオレンジワイン

ポラリス 竜眼オレンジ2019
©︎ル・ミリュウ

色合いは透明感のある美しい茜色。桃のような香りにわずかにリンゴのようなニュアンスもあります。口に含むと、フレッシュな果実味とともに、ほのかな渋み、しっかりした酸がでてきて、食欲を刺激。豊かな果実味を、渋み、酸が下支えして味わいは引き締まっています。後口には、旨味もしっかり残って飲みごたえも。原料ぶどうの竜眼は善光寺とも呼ばれる長野県で唯一栽培が続く、少しグレーがかったピンク色のぶどう。このぶどうを赤ワインのように果皮とともに発酵させた「オレンジワイン」。長野出身の青年2人が未開のものを一から探求したい挑戦を続けています。

★合わせる料理:豚しゃぶなど

 

鹿取みゆき
Katori Miyuki
フード&ワインジャーナリスト

 

東京都生まれ。東京大学教育学部卒業後、ソニー株式会社入社
1989年日本ソムリエ協会認定のワインアドバイザー取得
退社後、フリーランスのジャーナリストに
信州大学特任教授、総務省認定地域力創造アドバイザー

 

著書
『日本ワインガイド 純国産ワイナリーと造り手たち』(虹有社)
『日本ワイン99本』(プレジデント社)など
共著
『においと味わいの不思議 知ればもっとワインがおいしくなる』(虹有社)
『厳選日本ワイナリー&日本ガイド』(世界文化社)など

     

ご紹介している商品について、ワイナリーにおいては完売で、酒販店でのみお取り扱いがある場合もございます。

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