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国宝「土偶」= 縄文のビーナス、仮面の女神 二人の女神に会いに行く

縄文時代に栄えたここ八ヶ岳山麓に立ち、縄文の神秘に触れ、体験する。
数千年の時間を越えて、心も身体も縄文世界に近づく旅。

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縄文時代、日本で最も熱く栄えた場所

国宝「土偶」(縄文のビーナス)と 国宝「土偶」(仮面の女神)は、ともに平成の時代に国宝に指定され、全国の注目を集めた二つの土偶です。現在は八ヶ岳西麓の「茅野市尖石縄文考古館」に展示されています。考古館から見渡す景色は、おそらくこれらの土偶がつくられたとされる約5000年前~約4000年前とさほど変わらないのではないでしょうか。雄大な八ヶ岳山麓の景観とともに、二人の女神は来訪者を悠久の時の流れに迷い込ませます。

[左]深鉢形土器 縄文時代中期 [中央]国宝「土偶」(縄文のビーナス)[右]国宝「土偶」(仮面の女神)

八ヶ岳山麓エリアにはここ尖石縄文考古館のほか、たくさんの遺跡と博物館がひしめいています。この時代の石器の素材となった黒曜石産地、星糞峠の麓にある「黒曜石体験ミュージアム」、井戸尻式土器という縄文中期の代表的形式名のいわれとなった「井戸尻考古館」など、数え上げれば枚挙にいとまがありません。茅野市尖石縄文考古館は、これらのなかでも代表的な位置づけの博物館です。
八ヶ岳をとりまくように点在する縄文の遺跡群は、その規模といいその数といい、さらには出土品が発する妖艶なクオリティといい、縄文時代最盛期のエネルギーがこのエリアに集中していたことを示しています。ちなみに八ヶ岳山麓一帯は「星降る中部高地の縄文世界 - 数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅 -」として日本遺産にも認定されています。

 

圧倒的な縄文時代の情念に触れる

尖石縄文考古館に一歩踏み入れると、圧倒的な縄文土器のエネルギーが迫ってきます。もともとは道具としての〝器〟だったのかもしれませんが、目の前に並ぶおびただしい数の縄文土器には動物や人体をモチーフにした文様などが施され、一つひとつが、これでもかと情念を込めて創作されたような気配をまとい、異彩を放っています。なぜこれほどまでに装飾されたのか、呪術的な意味合いもあったのか、そして本当に器として使用していたのかなど、疑問は尽きません。
そしてとうとう、お目当ての国宝「土偶」(縄文のビーナス)と国宝「土偶」(仮面の女神)の前へ。ほぼ完全な姿で発掘されたこれらの土偶の実物を目の当たりにすると、つくられた当時の情景や、つくった人の想いを想像せざるを得なくなるものです。さらに数千年のときを経てなお、この美しい姿。見つめあいながら、縄文時代の精神世界に手が届くような思いにかられます。

二つの土偶は、それぞれ意図的に埋められた状態で出土したという

本物そっくりの土器や土偶を作ってみよう

考古館では縄文時代のさまざまな体験教室が開催されています。原始のはた織りや矢じりづくり、そして縄文土器や土偶づくりなどです。体験コーナーには体験者が作成した作品がずらり。これを見たら挑戦したくなるのは子どもたちだけではないでしょう。ここは、縄文ファンはもちろんのこと、家族で行ってみたくなる縄文エリアなのです。

見本を見ながら、縄文人の気持ちで作ります
壁際に並ぶ土器づくり体験者の作品は本物さながら

体験のお問い合わせ

TEL. 0266-76-2270(尖石縄文考古館)

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