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特集・紅葉ハイキング&自然を味わう Vol.1 森の読書、山の昼寝。静かな高原リゾートへ

これから徐々に涼やかさが深まりゆく秋。夏の疲れを癒やしてくれるかのような自然に包まれた静かな地で、木陰に身を預けて読書にふける――。本を片手に訪れたい、自然と寄り添うようにたたずむ4つのスポットをご紹介します。

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感性が開かれるアートな森。静かな木陰で、読書にふける

佐久市、小諸市、東御市にまたがる、穏やかな起伏に富んだ台地、御牧ヶ原(みまきがはら)。平安時代、馬を育てて朝廷に献上する牧場があったことから、その地名が付けられたという。標高750mほど、四方に山岳パノラマを望むこの台地にあるのが、茶房とゲストハウス「読書の森」だ。のどかな高原の喫茶店を想像して訪れると、ひと味もふた味も違う景色に出会える。牧歌的な自然の中にアートな作品がたたずみ、ハッとするような、心にじんわり響くような言葉が随所にあふれているのだ。ただのんびりと過ごす場所というよりも、感性を呼び覚ましてくれるような場所。そこには、オーナー夫妻の「創造的な場でありたい」という情熱が息づいていた。

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依田雄さん、恵さん夫妻。新潟の芸術祭から移築した、絵本作家・田島征三さんと音楽家・松本ガリュウさんの作品「どうらくオルガン」の前で

「読書の森」のオーナーは、依田雄(よだ ゆう)さん、恵(めぐみ)さん夫妻。雄さんは小諸市出身で、幼い頃からこの御牧ヶ原に住みたいと憧れを抱いていた。どこか日本離れした、小高い丘のテーブルランド状の台地。「自分が住んでいた村からくねくねした道を登っていくと、視界がパッと開けるのが印象的だった」。

同志社大学で哲学を学んだ雄さんは、裁判所の調査官を経て、障害者施設に立ち上げから携わって7年。施設を辞めて次の未来を思い描いたとき、「喫茶店を、あの御牧ヶ原でやりたい」と思い立った。年齢も性別も、職業も、障害や国籍も関係なく、人々が集い安らげる喫茶店を。
手つかずの雑木林を整え、藪を払っていくと、美しい丘が現れた。「いろいろな使い方ができると、うれしくなりました」と雄さん。そうして1993年にオープンした「読書の森」には、「この大地の一画にこの美しい風光と共感し合う、言葉を大切にする場所と時間をつくりたい」という強い想いが込められている。

茶房の建物は、土壁に耐熱レンガの床を配して、ヨーロッパの田舎家のようなたたずまいに仕上げた。エノキの群生林を手入れして、オオムラサキやタテハチョウを呼び戻して保護したり、染織作家である妻の恵さんは畑を耕して野菜を育てたり、ヤギやロバを飼ったことも。絵本作家であり現代アート作家の田島征三さんや「ロバの音楽座」の松本ガリュウさんらアーティストとの交流を重ねながら、ここに豊かなアートフィールドを醸成していった。

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雄さんのペンネームは「すろうりぃ」。すろうりぃ著の絵本作品『見よ、森に静けさがある』は、小山章三さんによって合唱曲にもなった

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敷地内にある「めぐみガーデン」で、自然農法で野菜を育てる恵さん

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サビ柄の保護猫・すみちゃんは人懐っこい性格。隅っこが好きだからすみちゃんという名に

「読書の森」のリーフレットには、ここでの楽しみ方が雄さんの言葉でこうつづられている。
「“見よ、森に静けさがある” 野原と森 気付く 泊まる 食べる 作る 寛ぐ 想う ぼんやり、と。」
静かな野原と森で、どんな風に過ごしても自由。まずは茶房に立ち寄って、もし誰の姿も見えなければ、入り口でカウベルみたいなベルを鳴らそう。いい音が響き渡って、来訪を知らせてくれる。

茶房から森の広場に向かえば、まず見えてくるのがモンゴル遊牧民の移動式住居、ゲル。モンゴルから取り寄せて雄さんが建てた本物のゲルで、中は直径5.5mとけっこう広い。ゲストハウスとして宿泊できるから、遊牧民になった気分を楽しめそうだ。

2012年の越後妻有トリエンナーレ「大地の芸術祭」に出展された「どうらくオルガン」や、写真家・中里和人さんがワークショップでつくった「回転式ピンホールカメラ小屋」など、野原に点在するアート作品にもふれることができる。日差しが強い日でも、枝葉をのびやかに広げた木陰は涼しい。茶房の本棚から借りた本を手に、読書の時間を楽しむのもいい。

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森の中に見えるのがモンゴルのゲル。広場では毎年8月13日にオリジナルの「インターナショナル盆踊り」が行われ、多国籍なゲストでにぎわう

雄さんがセルフビルドした建物もおもしろい。外壁に田島征三さんが絵を描いた「征三ハウス」は、古い畳の上に土を塗って外壁に。「ストロー・ベイル・ハウス」は、牧場で使われる大きな藁のブロックを積み重ねてつくったもの。自然素材でできた、地球に優しい小屋だ。どちらも宿泊可能で、空いていれば中を見せてもらうこともできる。

そして読書の森には、宮沢賢治の童話から名付けた野原「茨海小學校跡地」に、オオムラサキが生息する「昆虫の楽園」「ミシェルの森」などがあり、独特なネーミングにも感心してしまう。手づくりのピザ窯はその形から「前方後円墳形ピザ窯」、稲を天日干しするときに使う「はぜ掛け棒」を組んだかまどスペースは「はぜの棒六角堂」、使用後に石灰とおがくずをかけるコンポストトイレは「地球トイレ」、隣接する土地の山林が伐採されてソーラーパネルが設置された際、強風が吹いて折れてしまったコナラの木は「ソーラー見たことか」など……。

自然に癒されるだけでなく、アートや言葉にふれることで感性が磨かれ、創造の扉が開く気がするから不思議だ。

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創造性あふれる「征三ハウス」。中には田島征三さんの絵本や「暮しの手帖」の創刊当初の雑誌などが

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採れたてのみずみずしい夏野菜は料理してゲストの朝食や夕食にふるまわれる

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かまどスペースにもアートを感じる。ここで3升もの米を炊きふるまったこともあるとか

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見晴らしのいい丘の突端には、回転式ピンホールカメラ小屋の残骸を展示。視界が開けて気持ちのいい場所

茶房に戻ると、宿泊していた東京の学生さんが、インドのヘナタトゥーのデザイン画を夢中で描いていた。やはり、ここでは創造意欲が掻き立てられるのだろう。
雄さんが京都にあるような喫茶店を思い描いて設計を依頼した、味わい深い茶房。本棚には、ロシア文学や福祉の本、建築、哲学、アートなどの本がずらりと並んでいる。もちろん、田島征三さんの本も。「幅広い良質な一般教養書、といったところです」と雄さん。自由に手に取って、しばし本の世界に浸りたい。

読書のお供は、ネルドリップで淹れてくれるコーヒーを。食事メニューなら、すいとんをカルボナーラ風にアレンジした「すいとなーら」がおすすめだとか。友人の彫刻家がつくってくれたという、木の絵本みたいなずっしりとしたメニューブックがなんとも愛らしい。

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茶房のカウンターにはギターやレコードプレーヤーが

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雄さんが集めた本が並ぶ本棚

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入り口の扉には、宮沢賢治の言葉

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木のメニューブック。メニューは彫ってあるため「価格も昔と変えていないんです」と二人は笑う

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店内の書棚にはドストエフスキー全集も

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窓の外に蛙。いろいろな生き物にも出会える

茶房と反対側の扉の先は、ギャラリー「ももも」。名前の由来は、娘さんが幼い頃、「こども」を「ももも」と言っていたことから。当初は親子連れのお客さんのために、「こどもミュージアムももも」として絵本をたくさん置いていたそうだが、現在はギャラリーとして田島征三さんの貴重な原画を展示している。ギャラリーの入場料は「お気持ちで」。「敷居を高くしたくなくて。いいものが見られたな、と感じてもらえたらそれでいい」と、雄さんと恵さんは話している。

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どっしりとした梁が目を引く。2025年9月中旬からは、田島征三シリーズ『やぎのしずか』より、『しずかのけっこん』の原画展を開催

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ギャラリーの奥は、恵さんが染織や機織りをする工房「アトリエ モンデンキント」

開店して32年、すっかり御牧ヶ原台地の風景の一部となった読書の森。「美しい場所にしたい」「誰にとっても気持ちのいい場所にしたい」――そんなふたりの願いに呼応するように、全国各地から、そしてさまざまな国からゲストが訪れ、交流の場、創造の場であり続けている。これまでも映像作品になったり、結婚式も5組行われたという、牧歌的な森の広場。冬になる前には、田島征三さんの美術館から再びヤギを迎え入れることが決まり、のどかな風景がさらに豊かに彩られることだろう。

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茶房とギャラリーの建物。雄さんと恵さんと話すだけでも、きっと刺激をもらえる

【Guest house&茶房 読書の森】

住所:小諸市大字山浦5179-1
問い合わせ: 0267-25-6393
営業時間:10:00頃〜17:30頃
定休日:ほとんど無休
宿泊料金:1人1泊朝食付き4,800円、夕・朝食付き7,300円
HP:https://kp2y-yd.wixsite.com/gh-dokusyonomori
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/GS4h45QLaxxyNEyr8

晩夏に過ごしたい静かで涼しい高原リトリート。

黒姫童話館&童話の森ギャラリー

黒姫の森と草原に囲まれた、自然豊かな場所にある黒姫童話館。『はてしない物語』『モモ』の作者として知られるミヒャエル・エンデや、松谷みよ子を中心とした国内外の童話や絵本に加え、『でいだらぼっち』、『へっこきあねさ』、『ものぐさ太郎』といった信州の昔話などを収蔵、展示。さらに童話館に隣接する「童話の森ギャラリー」では、地元信濃町や黒姫にゆかりのある絵本画家の作品を展示するなど、大人も子どもも楽しめる施設として親しまれている。

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黒姫高原に位置する童話館正面入り口。童話館前から黒姫山や妙高山を望む景色も見どころの一つ ©黒姫童話館&童話の森ギャラリー

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童話館周辺の森や草原は「童話の森」と名付けられ、文学と芸術と自然が一体的に楽しめる ©黒姫童話館&童話の森ギャラリー

童話館の中には、日本童話のほか、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの童話など、およそ1,700冊の本を収容する図書室「本と人形の部屋」があり、ガラス張りの室内からは、黒姫山や妙高山などを眺められ、開放的な雰囲気の中でくつろぎながら本に親しむことができる。
ほかにも、ミヒャエル・エンデの作品『モモ』にちなんで名づけられた喫茶室「喫茶 時間どろぼう」や、国内外の絵本やいわさきちひろグッズ、童話のキャラクター商品などが取りそろうミュージアムショップなどを併設。また、童話館の南側には、いわさきちひろが絵本の制作を行ったアトリエを兼ねた山荘が移築され、さまざまな作品が誕生した創作空間を見学することができる。

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ミヒャエル・エンデの世界では、ドイツの作家ミヒャエル・エンデの個人資料を2千点所蔵。エンデの遺愛品の数々や、自筆の『モモ』の挿絵原画、カメのコレクションなど約300点を常設展示 ©黒姫童話館&童話の森ギャラリー

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本と人形の部屋。テーブルやベンチが用意され、心穏やかな気持ちで過ごすことができる ©黒姫童話館&童話の森ギャラリー

黒姫童話館で本の世界に触れた後は、少し足を延ばして自然散策へ。黒姫高原の森の中にある御鹿池は、童話館から歩いて片道約15分の場所にあり、周遊コースの道のりは約1.2キロメートル、所要時間は童話館への往復分を合わせても90分ほど。遊歩道も整備されて比較的歩きやすいため、初心者にもおすすめ。

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黒姫山の麓、森の中にある御鹿池。10月下旬~11月には紅葉が見頃に ©信濃町役場 商工観光・癒しの森係

【黒姫童話館&童話の森ギャラリー】

住所:長野県上水内郡信濃町野尻3807-30
問い合わせ:026-255-2250
営業時間:4月5日~11月30日9時~17時(最終入館16時30分)
定休日:5・6・9・10月の末日(その日が土日、祝祭日の場合はその翌日が休館日)※童話の森ギャラリーは休館日の他に展示替休館日あり、12月~3月
入館料:【童話館のみ】一般600円、小・中学生400円、【童話館&ギャラリー共通券】一般800円、小・中学生500円、【ギャラリーのみ】一般300円、小・中学生200円
HP:https://douwakan.com/
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/RQWhZRVZ3SE2LYaN8

絵本美術館&コテージ 森のおうち

四季折々に移り変わる、静かな森の中にひっそりと佇み、「扉を開けると、そこはお伽の国」、そんな非日常感を体感できる美術館。館内では、年間4回企画を変え、国内外の絵本原画を展示している。
「絵本原画とは、作家が描き上げた絵本になる前の “絵”たちのことです。物語に合わせて何枚もの“絵”がつながって一冊の絵本になります。絵本はこの原画を印刷して作られているため、作家が描き上げた絵本になる前の原画は世界に1枚しかありません」と学芸員の米山さん。

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美術館入り口。美術館に入るまでのスロープの横2カ所に木彫を設置。同作家の作品が館内にも置かれているので、ぜひ注目してほしい ©絵本美術館&コテージ 森のおうち

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展示は常設展示はなく、年間4~5回企画展で構成 ©絵本美術館&コテージ 森のおうち

「お話を含めてまるごと絵本の魅力を感じて頂きたい」との思いから、1冊の作品に対し、できるだけ全点展示を心がけていると学芸員の米山さん。展示中の原画の絵本を置いて、絵本と原画を見比べられるように工夫。それにより印刷では出ない微妙な色合いやタッチ、絵本には入らなかった幻のカット、描き直した跡、枠外の落書きなど、画家の息づかいを感じることができるのだという。

「絵本というと、小さな子どもたちへの様々な役割や影響はよく知られている通りですが、決して子どもだけのものではありません」と米山さん。さらに「大人にとっても、芸術的な楽しみの要素はもちろんありますが、それ以上にその多様な内容は、時に大人の悲しみや迷いに応えてくれるものであったり、時には人生に寄り添い、生きることを支えてくれるものでもあります」。

美術館内には、靴を脱いでゆっくりと過ごせる図書室があり、蔵書がおよそ8000冊以上と豊富にそろうほか、原画が展示中の関連絵本はもちろん、おすすめ絵本、絵本作家・いせひでこ作品グッズ(同館オリジナル)などを販売するショップ「絵本書店」もある。

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2024年に開催した企画展「宮沢賢治絵本原画展」の様子 ©絵本美術館&コテージ 森のおうち

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靴を脱いでゆっくりと過ごせる図書室。子どもも大人も、時間を忘れて絵本の世界に没頭できる空間 ©絵本美術館&コテージ 森のおうち

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美術館館内にある「絵本書店 星めぐり」。原画展示中の関連絵本、おすすめ絵本、絵本作家・いせひでこ作品グッズ(当館オリジナル)なども販売。ショップのみの利用の場合は入館料が不要のため、子どもへのプレゼントや自分用になど、シーンに合わせて気軽に立ち寄ることができる ©絵本美術館&コテージ 森のおうち

美術館に併設したコテージ「森のおうち ジョバンニのコテージ」は、日常の喧騒から離れて、ゆっくりとした時間を過ごしたい人におすすめの宿泊施設。ワンルームマンション形式で部屋ごとに独立した玄関を備え、プライベートな滞在が叶う造りになっている。窓からの景観に加え、周囲は森に囲まれ、9月には秋の七草や、キクナなど野菊の仲間、10月はコナラ、クヌギ、栗などドングリや木の実拾い、11月には紅葉が楽しめることもポイントに。
図書室からコテージへ絵本などを持ち込むこともできるので、図書室やコテージで気になる絵本を片手に、大人も子どももゆったりと絵本の世界に浸ることができる。

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森のおうち ジョバンニのコテージの一室。洋室(定員4名)1室15,000円~(1名利用の場合は10,000円~) ©絵本美術館&コテージ 森のおうち

【絵本美術館&コテージ 森のおうち】

住所:長野県安曇野市穂高有明2215-9
問い合わせ:0263-83-5670
営業時間:9時30分〜17時(最終入館16時30分)※12月~2月 9時30分~16時30分(最終入館16時)
定休日:木曜(展⽰替え休館・祝⽇振替休館・1⽉上旬連続休館あり、G.Wとお盆の週は無休、2⽉のみ⽔・⽊曜休館)
入館料:大人900円、小・中学生500円、3歳以上250円、3歳未満は無料
HP:http://morinoouchi.com/
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/5WKF5qCzfmA7pZKr6

くらすわの森

養命酒製造株式会社が運営する体験型複合施設「くらすわの森」。2024年、会社創立100周年を機に、養命酒駒ヶ根工場内にある「養命酒健康の森」をリニューアルし開業。施設内には、カフェやベーカリー、ミートデリを備える円型の建物「フォレストリング」の他、オリジナル商品や環境に配慮した雑貨などを販売する壱の蔵のショップ、「信州十四豚(シンシュウジューシーポーク)」と信州の野菜を使った創作料理や、石窯で焼き上げるピッツァを提供する弐の蔵のレストラン、施設内をぐるりとめぐる散策の森などがあり、“おいしい体験、たのしい体験、すこやかな体験”を通して「すこやかなくらし」を提供している。

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雄大な中央アルプスを望む自然豊かな立地 ©くらすわの森

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ガラス張りの建物「フォレストリング」へ続く道。色づく木々の様子が美しい ©くらすわの森

読書スポットとしてぜひ訪れてほしいのは、散策路の途中、くらすわの森の中でも最も奥まった場所に建つ「森のライブラリー」。ライブラリーは無料で利用することができ、建物の中には、目の前に広がるくらすわの森を眺めながら「物思いにふけることができる本(豊かな時間)」、「子どもたちの将来にとって何かの夢を持つきっかけになる本(夢)」、「日本のローカルから世界に向けてのグローバルなメッセージを発信している本(メッセージ)」など、9つのコンセプトに基づいて選書された約1,000冊の本が並んでいる。

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八角形をしたまるでツリーハウスのような建物が印象的 ©くらすわの森

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森のライブラリー内は木の香りに包まれ、ゆったりとした時間を過ごすことができる ©くらすわの森

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窓外の森を眺めるカウンター席など、読書スペースも備えている ©くらすわの森

読書を楽しんだ後は、木漏れ日の中を歩きながら四季折々の大自然を感じられる散策路へ。約1.7キロメートルある散策路では、例年10月下旬からは紅葉も見ごろを迎え、小さな子どもも楽しめる「丘の上のスライダー」や、山や水などの自然の神様と「健康長寿」を司る神様が祀られている「養命神社」など、見どころも豊富。

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施設内の散策路。ベンチに腰掛け、森林浴を楽しむことができる ©くらすわの森

【くらすわの森】

住所:長野県駒ヶ根市赤穂16410
問い合わせ:0265-95-3995(代表)
営業時間:9時30分~18時 ※季節によって変動する場合あり、店舗によって営業時間は異なる
定休日:水曜、12月31日、1月1日
HP:https://www.clasuwa.jp/clasuwanomori
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/MYgtd9esYqDX1ND5A

撮影:宮崎純一 取材・文:塚田真理子、児玉さつき 構成:大塚真貴子

 

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