
静寂と色彩が共鳴する、阿寺渓谷ならではの一枚
ヒノキやアスナロなど木曽五木が育つ国有林の奥を流れる阿寺川。花崗岩の白い川底と澄みきった水が光を受けてきらめき“阿寺ブルー”と称される幻想的な色彩を生み出している。
全長約6.3kmにわたる阿寺渓谷内には、滝や淵が点在し、豊かな自然が静かに広がっている。そんな散策路に点在する自然美を写真家・宮崎純一さんの視点で切り取った。


初夏の陽光に“阿寺ブルー”は色を濃くする

透明度が高く川底まで見える。水面に拡散する光を撮る


視界の端、木々の隙間にも静かに美しく青がある

浅瀬に揺らめく光が幾何学的な紋様を描き出す


光りと影の間(あわい)に潜む青を見る。窪地深くに響く轟音は、他一切の音を消す静謐(せいひつ)をもたらす

ウナリ島へ行く遊歩道。森に浮かぶ水の粒子が頬に触れるよう


カワトンボが飛んで行っては戻ってくる

落ち着いた流れが再び勢いを増すところに現れる流線型がきれい


岩ツツジが咲いていた

豊かな水をたたえる牛ケ淵。阿寺川は山あいを蛇行しとうとうと流れていく
阿寺渓谷には、誰かに見せるためではなく、ただ在る自然の美しさが静かに息づいていた。 天候や時間帯などでも表情をかえる渓谷の絶景。ぜひ自身でもカメラにおさめてほしい。
【阿寺渓谷】
※毎年5月ゴールデンウイーク、7月中旬~8月末、9月シルバーウイークは一般車両通行止めとなります。期間中は徒歩またはレンタサイクルでの散策をお楽しみください。
車両規制に関する最新情報は大桑村役場観光協会のX(https://x.com/ookuwakankou)をご確認ください。
車両規制に関する問い合わせ:0264-55-4566大桑村観光協会
駐車場・レンタサイクル・キャンプ場に関する問い合わせ:070-9295-6191阿寺ブルー株式会社
Googleマップ : https://maps.app.goo.gl/6LUtM9pBgLimwU5r6
渓谷の静けさに寄り添う一軒宿
のんびり阿寺渓谷の散策を楽しむなら、お勧めしたい宿がある。木曽川のほとりに建つ静かな佇まいで、阿寺渓谷の入口までは徒歩約10分という好立地も魅力だ。特筆すべきは温泉の質。泉質は「ナトリウム‐塩化物、炭酸水素塩温泉」で、日帰り入浴も可能。筋肉痛や打ち身、腰痛、アトピー性皮膚炎などに効果が期待され、湯上がりには肌がすべすべになると評判だ。渓谷の入り口に一番近く、湯のぬくもりにも包まれる――そんな時間を過ごすのにふさわしい一軒だ。


【フォレスパ木曽 あてら荘】
住所:長野県大桑村野尻939-58
問い合わせ:0264-55-4455
HP:https://forespakiso.jp/
Googleマップ : https://maps.app.goo.gl/LqavEJePHQ6C4xXp7
撮影・文:宮崎純一 取材:大塚真貴子
宮崎純一(みやざきじゅんいち)
写真家。石川県金沢市出身。東京で撮影キャリアを重ね、2017年夏に移住。現在、長野県高山村で妻と猫三匹の家族で暮らす。
日本各地の食文化や暮らしと風景を長きにわたり撮影。海外展開の書籍・広告の撮影も多い。
The 2018 Gourmand World Cookbook Awards (世界料理本大賞) Best Photography部門準グラプリ受賞。現代の日本を構成する人たちの肖像を写し出す、公募による写真アワードPortrait of Japan 2021入賞。
ほか、携わった撮影において広告賞・デザイン賞等をいただく。

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