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特集・静けさを旅する、木曽の夏。──阿寺渓谷と、宿場と、もうひとつの中山道 Vol.1 阿寺渓谷、光の粒子をすくう──写真家・宮崎純一、夏の一瞬を追って

深い森と清流が調和する阿寺渓谷。木曽五木が育つ国有林の中、阿寺川は驚くほど透明な水をたたえ、“阿寺ブルー”と呼ばれる幻想的な輝きを放つ。自然が織りなす奇跡の色彩ともいえる阿寺渓谷を、写真家・宮崎純一さんが写し取る。

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静寂と色彩が共鳴する、阿寺渓谷ならではの一枚

ヒノキやアスナロなど木曽五木が育つ国有林の奥を流れる阿寺川。花崗岩の白い川底と澄みきった水が光を受けてきらめき“阿寺ブルー”と称される幻想的な色彩を生み出している。

全長約6.3kmにわたる阿寺渓谷内には、滝や淵が点在し、豊かな自然が静かに広がっている。そんな散策路に点在する自然美を写真家・宮崎純一さんの視点で切り取った。

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阿寺渓谷入口から千畳岩辺り。巨岩奇石の間を縫うようにエメラルドグリーンの阿寺川が流れる
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初夏の陽光に“阿寺ブルー”は色を濃くする

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透明度が高く川底まで見える。水面に拡散する光を撮る

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橋の上から犬帰りの淵の渓谷美を臨む
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視界の端、木々の隙間にも静かに美しく青がある

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浅瀬に揺らめく光が幾何学的な紋様を描き出す

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ウナリ島や六段の滝へ向かう散策路、中八丁吊り橋を渡る
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光りと影の間(あわい)に潜む青を見る。窪地深くに響く轟音は、他一切の音を消す静謐(せいひつ)をもたらす

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ウナリ島へ行く遊歩道。森に浮かぶ水の粒子が頬に触れるよう

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ウナリ島の河原は地形が平坦で流れも緩やか。“阿寺ブルー”を満喫するための好条件がそろう
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カワトンボが飛んで行っては戻ってくる

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落ち着いた流れが再び勢いを増すところに現れる流線型がきれい

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雲のかかった空が静けさを引き寄せる熊ケ淵。この美しい構図と配色が誰に見られるためでもなく、ただ自然の中にあることに言葉をなくしてしまう
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岩ツツジが咲いていた

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豊かな水をたたえる牛ケ淵。阿寺川は山あいを蛇行しとうとうと流れていく

阿寺渓谷には、誰かに見せるためではなく、ただ在る自然の美しさが静かに息づいていた。 天候や時間帯などでも表情をかえる渓谷の絶景。ぜひ自身でもカメラにおさめてほしい。

【阿寺渓谷】

※毎年5月ゴールデンウイーク、7月中旬~8月末、9月シルバーウイークは一般車両通行止めとなります。期間中は徒歩またはレンタサイクルでの散策をお楽しみください。
車両規制に関する最新情報は大桑村役場観光協会のX(https://x.com/ookuwakankou)をご確認ください。
車両規制に関する問い合わせ:0264-55-4566大桑村観光協会
駐車場・レンタサイクル・キャンプ場に関する問い合わせ:070-9295-6191阿寺ブルー株式会社
Googleマップ : https://maps.app.goo.gl/6LUtM9pBgLimwU5r6

渓谷の静けさに寄り添う一軒宿

のんびり阿寺渓谷の散策を楽しむなら、お勧めしたい宿がある。木曽川のほとりに建つ静かな佇まいで、阿寺渓谷の入口までは徒歩約10分という好立地も魅力だ。特筆すべきは温泉の質。泉質は「ナトリウム‐塩化物、炭酸水素塩温泉」で、日帰り入浴も可能。筋肉痛や打ち身、腰痛、アトピー性皮膚炎などに効果が期待され、湯上がりには肌がすべすべになると評判だ。渓谷の入り口に一番近く、湯のぬくもりにも包まれる――そんな時間を過ごすのにふさわしい一軒だ。

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温泉は男女各1つずつ。日帰り入浴は12時~21時(20時受付終了)、大人600円、小学生300円、乳幼児無料
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阿寺渓谷入口まで車で約2分、徒歩約10分

【フォレスパ木曽 あてら荘】

住所:長野県大桑村野尻939-58
問い合わせ:0264-55-4455
HP:https://forespakiso.jp/
Googleマップ : https://maps.app.goo.gl/LqavEJePHQ6C4xXp7


撮影・文:宮崎純一 取材:大塚真貴子

宮崎純一(みやざきじゅんいち)

写真家。石川県金沢市出身。東京で撮影キャリアを重ね、2017年夏に移住。現在、長野県高山村で妻と猫三匹の家族で暮らす。
日本各地の食文化や暮らしと風景を長きにわたり撮影。海外展開の書籍・広告の撮影も多い。
The 2018 Gourmand World Cookbook Awards (世界料理本大賞) Best Photography部門準グラプリ受賞。現代の日本を構成する人たちの肖像を写し出す、公募による写真アワードPortrait of Japan 2021入賞。
ほか、携わった撮影において広告賞・デザイン賞等をいただく。

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