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【PR】五感全開で地域へ飛び込め!「ありえない資源」を見いだし、事業という「ものがたり」を描くプログラム

2025年9月。東京都内の各所で、企業向け・五感全開アクセラレーションプログラムのガイダンスが行われました。アクセラレーションとは、「加速」「促進」「高速化」などを表す言葉で、今回は人間関係構築の促進や事業づくりの加速・高速化と、それに伴う人の成長促進を目的にプログラムが組まれています。

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主導しているのは、昨年度「モビリティー人材の社交場・モビリティースナック」で取材をさせていただいた株式会社ふろしきやの田村英彦さんと山崎哲也さんです。

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東京ガイダンスで話をする田村さん。千曲川流域の魅力をさまざまな角度から集約し、事業の「種」となる情報を発信する

9月のガイダンスにはじまり12月の合宿まで、およそ3ヶ月にわたって実施される今回のプログラム。発端は、2020年から長野県千曲市を中心に実施してきた「レボ系ワーケーション」で、5年間で600人以上の関係人口を創出してきたノウハウをもとに、企業と地域の関係性づくりや地域資源を大きく使った事業構想づくりに取り組みます。

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「企業向けワーケーションにすることで、これまで個人では参加が難しかった方へも、参加のハードルを下げていきたい」と山崎さん

「11月から途中参加も大歓迎!」というお二人は、どのような企画でどのような未来を描くのか。東京ガイダンスや10月に開催されたプログラム「思考越境リレーションシップ」の様子を交えてお伝えします。

現代に足りない「無邪気さ」を取り戻す体験型コンテンツ

インターネットなどを通じて届く膨大な情報。目まぐるしく変化する日常のなかで、自分の目に見える範囲や思考の枠を越えることは難しい。平日は仕事に追われ、気づいたら休日が終わっていく。そうした現状に、田村さんたちは「ワクワク感や居心地の良さなど、自分の五感を使って感じ取り、行動する人が少なくなっている気がする」と危機感を募らせます。

田村さん「例えば興味のある場所も地図アプリや映像を見ることで満足してしまうとか、流行やカロリーなどの情報を軸に食べたい物を選んでしまうとか。便利すぎることの弊害は、意外と身近にあるように思います。加えて今は24時間いつでも食べ物が手に入るし、安心して眠れる環境もある。それ自体は良いことだとしても、自然や生きていることへの感謝、人や生き物としてのセンサーが鈍くなっているような気がします」

スタートアップや事業づくりの場面でも、すでにマネタイズやマーケティングなど一定の成功例や型があり、そこに現状を当てはめていくスタイルが一般化。自分の目で見て考え、行動する機会は多くありません。

田村さん「データやノウハウを掛け合わせて考えることも大切ですが、地域では自分の目で見て足で歩き、人の話を聞いて描く『ものがたり』への共感が事業を推進する大きな力になります。今回のプログラムでは、『無邪気さ』や『五感全開』をキーワードに地域に飛び込み、みんなで思考の枠を越える練習をしたいと思っています」

無邪気に五感を働かせることで、普段は見落としがちなモノゴトに深い興味を持てるかもしれない。風や水、植物、身近な人の表情や仕草。身のまわりの資源を情報や知識として捉えるだけでなく、素直な気持ちで自分や人と向き合い、気づいていくことも今回のプログラムの醍醐味です。

山崎さん「新しいチャレンジをするときって、本当にあとがない状況で頭をフル回転させて絞り出すことも大事だと思っていて。プログラム中に組み込まれているサウナや合宿では、ストイックな追い込みの中から生まれるものを追求したいですね」

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千曲川流域エリアを舞台に、事業を通じた物語を始める。田村さんたちは「この場所から、人との関係性と資源の認知、事業スタートまでの時間をアクセラレーションしたい」と意気込む

9月に実施した東京ガイダンスは、首都圏の企業参加を見込んでのもの。当日は地域食材を使った軽食ビュッフェを囲みながら、観光、農業、環境(脱炭素、ゼロカーボン)などの資源や課題のシェアが行われました。

舞台となる上田盆地は、中央を流れる千曲川が標高400mほど。そこを起点に南北に10kmほど進めば、標高1000mから2000mを誇る高原エリアにたどり着きます。間にはさまざまな土壌があり、平地から山間部にかけての寒暖差、暮らしの変化など、その全てが実験で使える面白さはこのエリアならでは。さらに日帰り温泉の施設数やスキー場、伝統的建造物保存地区を有する伝統建造物、公民館、博物館、美術館などの施設数は国内トップクラスを誇るなど、地域にさまざまな資源が眠っていることに気づきます。


山崎さん「フリートークも交えながらの長丁場でしたが、千曲市のあんずの話は面白かったですね。生食用のあんずは旬が限られるので、瞬間的に莫大な需要があるのに対して収穫や出荷の人手が足りなかったり、旬を過ぎた実が大量に廃棄されていたりする。今回はそうした機会やもったいない状況も全て『ありえない資源』と呼んでいて、リブランディングや新しい加工品の開発、動画などの情報発信を通じて層を広げて行けるのでは、と、話が盛り上がりました」

今回のプログラムでは、そうした千曲川流域のエリアと県外の企業がコネクションを作るためのプログラムを組んでいるのも特徴です。

田村さん「僕らの企画では、いつも社会的な立場を横に置いて、みんながフラットに話すことを大事にしています。『この場所なら自分の考えを喋っても受け入れてもらえそう』という安心感から、本当にやりたいことが湧き出る感覚を取り戻す。今回のガイダンスでも、まさにそうした場面を見ることができました」

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地域の人たちだけでは使いきれない「資源」をどのように捉えるか。実際に食べたり話たりすることで、新たな気づきが生まれていく

田村さん「僕たちはこれまで、個人向けのワーケーションを通じて、地域の事業者さんと一緒にたくさんの事業を作ってきました。鉄道を利用した『トレインワーケーション』や、移動を便利にする『温泉Maas』、デジタルフリーパス『千曲川ゴーランド』など、みんなで地域を面白くしてきた経験から、次は企業を巻き込み使えるリソースを大きくしていきたいと思っていて。五感解放型、体験型のコンテンツを交えることで、地域の人だけでは使いきれない資源の可能性を、もっともっと広げていきたいです」

地域のリアルを知り、関係性を深める3つのプログラム

ガイダンス後は、3つのステップで進められるアクセラレーションプログラム。11月初旬、今はひとつ目の「思考越境リレーションシップ」が終わったところです。それぞれどのような内容か、見ていきたいと思います。

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アクセラレーションプログラムの3つのステップとそこで身につける力、ガイダンスの資料より

・思考越境リレーションシップ
プレゼン力と共感力を身につけるステップ1は、1泊2日の日程でギュッと人間関係を深めるプログラムです。詳しくは次の章で開催の様子をレポートしようと思いますが、ポイントはみんなで同じ体験をして、自分自身をさらけ出すこと。そして相手のプレゼンから自分の知らないカルチャーに触れ、新しい気付きを得ること。人間的な幅をグイグイ広げていきます。


・千曲川資源ハック(体感ツアー)
ステップ2は、実際に現地へ行くプログラム。千曲市・上田市のツアーと東御市・上田市・立科町のツアーがあり、どちらも1泊2日で地域内をめぐります。片方だけの参加も可能ですが、月曜・火曜と木曜・金曜、1週間のうちに2種類のツアーが実施されるので4日間全てに参加するのもおすすめです。

田村さん「長く過ごすからこそわかる感覚、みたいなものを味わってほしいと思っています。地域の暮らしに没入して、自分はここで何をするのか妄想して。日常と切り離された環境で思考を深められたら良いですね。キーワードとして上田市は、芸術とまちづくり、大屋駅という無人駅をピックアップして、回遊観光や駅前の役割を考え直してみることもしたいと思っています。千曲市は農業や文化、昭和レトロな温泉街がキーワード。他にも東御市や立科町でも食やワイン、空き家など、盛りだくさんな4日間を用意しました」

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参加者には各地域の間を走る「しなの鉄道」の1週間フリーパスを配布予定。プログラム外でも地域をめぐる機会があるのが嬉しい

・構想合宿&プレゼンテーション
資源体感ツアーで訪れる立科町にある「女神湖」の湖畔で2泊3日の合宿へ。ここまで体感してきた「地域」をもとに、事業構想づくりのための物語をつくるフェーズです。核になるのは説得力と実現力。ビジネスの視点も取り入れ、簡単な事業計画を作る時間も設けられます。

田村さん「事業を考えるとき、僕らもよく物語を描くんです。今回のプログラムの発端になったレボ系ワーケーションでは、平日イベントの企画や公共交通の回遊チケットの構築などをしてきましたが、そうすることで平日の来訪者が増えて、まずは地域内の出会いが広がっていきますよね。さらに平日の宿泊が増えれば、宿泊や観光などの人口も増え、地域を越えたコミュニティができていく。さまざまなきっかけが地域にあることで、多様性とクリエイティビティに富んだ社会が実現していくかもしれない。こうした物語が土台にあることで、多くの人や事業者、行政や教育機関などが関わりやすくなっているのだと思います」

「千曲川流域を舞台にしつつ、可能性は大きく捉えたい」と田村さん。物語は地域を飛び出し、全国や世界に向けて発信・展開していく未来を描きます。

1泊2日の「思考越境リレーションシップ」を体験

ここからは10月に行われた「思考越境リレーションシップ」のレポートをお届けしたいと思います。1日目はお昼から、千曲市にある「姨捨の棚田」からほど近いゲストハウス「なからや」に集合。簡単に挨拶をしたら、さっそくお昼ごはんの時間です。

「まずはありえない絶景が広がるなからやで、『絶景みんなでおしぼりうどん』をはじめていきます!」という山崎さんの声と共に参加者に渡されたのは、千曲市の隣にある坂城町の郷土野菜「ねずみ大根」という辛味大根とおろし器です。「おしぼりうどん」は、大根をすりおろして絞った汁に味噌や鰹節を溶き、それを出汁にして食べるうどんのこと。海のない長野県で、昆布や魚の出汁がなくても美味しく食べられるように考えられています。

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調理指導をしてくれるのはフレスコ・ラボの小林さんと白石さん。地域の料理や食材にも詳しく、東京ガイダンスの際もビュッフェを担当

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完成したおしぼりうどんと姨捨の絶景

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食後はみんなで地域の散策へ出発

田村さん「大根をすりおろしたり好みの味を探したり、ちょっと苦労をする食べ物なんですが、それも含めて風土を感じてもらえたらいいなと思っていて。同じ作業をして同じものを食べる、そうやって地域の人や参加者同士の距離も自然と近くなっていきます」

食べながら自己紹介を済ませたら、今回のプログラムで何度も登場するコンテンツ「シャシャランブル」がはじまります。「でしゃばる=しゃしゃる」という言葉から着想したプレゼン大会で、参加者は、決められた時間のなかで得意なことや自慢できることなど「お題」に沿った自慢話を展開。話が終わったところで、聞き手となる他の参加者が3段階の評価をつけ、総合得点を競います。

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楽しそうな参加者と運営チームの皆さん

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お寿司のシャリに着想を得た評価のための手持ち札。発表者の「しゃしゃり」具合をご飯の盛り具合で表す

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ゲストハウスオーナーの鍛治さんも参加!

田村さん「子どもの頃、夢中になって遊んだ思い出や身につけてきた知識。のめり込むって一種の才能だと思っていて、そういう熱量や好きな気持ち、ロマンみたいなものをみんなでシェアしたいと思って企画しています。テーマによっては『これから仕掛けていきたいこと』など事業の構想に触れるようなものもあり、みんなから評価とフィードバックをもらいながらアイディアを深めていく意味も併せ持っています」

自分の自慢と仕事の自慢を終え、お互いの人となりが見えたところで移動の時間。同じ千曲市内にある「おせっかいハウス 昭和の寅や」に会場を移し、フレスコ・ラボの2人がつくる信州ビュッフェを食べながら、再び交流の時間が始まります。

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「寅や」は、「男はつらいよ」シリーズに登場する「寅さん」のように、人情とおせっかいに溢れた女将・則ちゃんが人をつなぐ戸倉上山田温泉の新たな交流拠点

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地域の食材を使った料理がてんこ盛り

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みんなで乾杯!半日交流を深めたメンバー、話しは夜遅くまで続く・・

山崎さん「おいしいご飯を食べながら心を開き、だんだん自分の感情に素直になっていく。ステップ1のテーマのひとつ、共感力も磨かれる時間です。会場のある戸倉上山田温泉は、昭和レトロな雰囲気が残る長野県屈指の温泉街。交流の合間には、まち歩きやスナックの案内なども行いました」

クリエイティビティを刺激するサウナケーションの魅力

2日目は朝から上田市に移動してプログラムを行います。会場は2023年にオープンした交流型サウナの「hyvaサウナ」。「サウナ×ワーケーション×コミュニケーション」から生まれた「サウナケーション」を体感し、事業推進に必要な「ストイック力」と体をリカバリーする「回復力」を身につけます。

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hyvaサウナの宮尾さん。レボ系ワーケーションの仲間であり、氷やオリジナルのアロマを使った熱波、水風呂からの外気浴で最高にととのう「上田式」を編み出した人物

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サウナ満喫中の皆さんの様子

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水風呂から外気浴。思い思いのスタイルでととのいを体感できる

本場フィンランドでは、公衆サウナを「誰かとおしゃべりするための社交場」として活用する人も多く、サウナは単なる入浴施設を超えた「人々の居場所」として機能しています。宮尾さんが手がけるhyvaサウナは、水着を着て男女一緒に入ることができ、サウナ室内での会話や飲食までOK。最近は周囲で見つけた木の葉や草、地元の名産・シイタケを煮出してロウリュウに使ったり、サウナ内で果物を食べたり、地域との結びつきも感じられる場所として親しまれています。

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サウナケーションの仕掛け役・伊藤さん。ウィンタースポーツ好きが高じて岐阜県から長野県へ移住。もっと暮らしも楽しみたい思いで民間企業から上田市役所の職員になった人物

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この日もみんなでシャシャランブル。とにかくたくさん話します

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サウナに入って思考もクリアに、帰り際まで話しが尽きない参加者の皆さん

サウナケーションは、「同じ釜の飯を食う」の進化系、「同じ窯でむされる」体験。ワーケーションにおいてサウナは、オフサイトミーティングの役割を担い、チームビルディングなどコミュニケーションが重要になる場面で一役買っているといいます。

伊藤さん「サウナケーションをはじめたときは上田市の商工課にいて、企業誘致や中心市街地の活性化などビジネスに関わることが中心でした。当時からサウナという言葉をフックにさまざまな企業の人たちのコミュニティが広がっていく様子を見てきましたが、その後、移住交流推進課に移ったのをきっかけに、街のにぎわいや子育て、移住、住宅政策など、さまざまに可能性が広がっていって。今は地域のなかでワクワクドキドキ、面白いことが起きていけば良いと考えています」

 

組織を越境し、参加同士の交流を通じて思考も越境した2日間。ガイダンスからはじまり、リレーションシップで培った共感力とプレゼン力を持って、プログラムは11月の「千曲川資源体験ツアー(資源ハック)」へと続きます。

もっとワクワクする選択を、自分や会社が、未来や社会のためにできることを思い出す時間を。五感全開・アクセラレーションプログラムでは、すでにスタートしている1期生と合流し、モニタープログラムに参加してくれる企業を募集しています。少しでも内容が気になった方はinformationより詳細をご覧ください。

地域に眠るありえない資源と、共に社会の越境を試みる仲間が待っています。

Information

プログラム詳細:
https://furoshiki-ya.co.jp/workationlab
お申し込み:
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdvy_HpwY6MjeQQ7iq6-jb8hZTf1oeUik5sfOHw0LOqeHmBtA/viewform

今後の日程:
【千曲川資源ハック(体験ツアー)】
A日程/11月17日(月)・18日(火)@千曲市・上田市
B日程/11月20日(木)・21日(金)@上田市・東御市・立科町
【構想合宿&プレゼンテーション】
日程/12月18日(木)・20日(土)
会場/コワーキングスペースLake Office女神湖

主催:
ワーケーションまちづくりラボ(株式会社ふろしきや)
協力:
長野県(産業労働部産業立地・IT振興課ほか)、一般社団法人長野県観光機構、株式会社MaaS Tech Japan、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社、追手門学院大学地域創造学部 岡田研究室、和歌山大学観光学部 加藤研究室、その他各地域団体

※本プログラムは観光庁「第2のふるさとづくりプロジェクト」モデル実証事業に認定された、有料モニタープログラムとなります。

構成:株式会社ふろしきや 取材・文:間藤まりの 撮影:小久保克海

 

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