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『長野県プロスポーツ応援ツーリズム』Vol.7「スピーディーな戦いが魅力のプロフットサルクラブ〈ボアルース長野〉のホーム観戦のススメ」

長野県内には、サッカー、フットサル、バスケットボール、3x3、バレーボール、野球などさまざまな種目のプロスポーツチームがあり、県内各所に各スポーツの選手たちが戦う姿を生で観戦できるホームスタジアムやアリーナがあります。

今回紹介するのは、年中快適に観戦できる屋内スポーツのひとつ、プロフットサルクラブの〈ボアルース長野〉です。チームの成り立ちから観戦の楽しみ方まで、深掘りしてお届けします。

※この記事は、2024年2月29日時点における情報をもとに制作しています。

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1部リーグ返り咲きを目指し コート内外でハードワーク

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『日本フットサルリーグ(Fリーグ)』の2部に所属する〈ボアルース長野〉。2011年に創設されると、同年の長野県フットサルリーグで優勝し、参入戦を勝ち上がって北信越フットサルリーグに昇格しました。その後は北信越フットサルリーグ優勝や全日本フットサル選手権北信越大会を制し、全国舞台で戦うチームに。そして2018年、日本最高峰の舞台であるFリーグへの加盟が決まりました。

参入初年度となった2018-19シーズン、新設された2部リーグ(F2)で優勝。1部リーグ(F1)最下位との入替戦も制し、1年でのF1昇格を果たします。しかし、その後は4年連続で最下位。それでも入替戦で勝ったり他クラブのライセンス問題で救われたりして奇跡的な残留を繰り返し、“落ちない長野”と称されることもありました。

ところが2022-2023シーズン、入替戦に敗れてついに降格。昨季は5シーズンぶりのF2を戦ってリーグ最多得点を挙げましたが、惜しくも2位で入替戦進出はかないませんでした。それでもホームでの最終節には、シーズン最多となる1,222人の観客が集結。カテゴリーが下がろうとも、ファン・サポーターは変わらずに応援し続けています。

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2部リーグに降格した2023-24シーズンだが、人気は変わらず。まだまだマイナースポーツではあるものの、地域に根付きつつある

チームにはさまざまな経歴を持った選手が名を連ねます。F1で実績を残した選手、セカンドチーム(ヴェルメリオ)から昇格した選手、地元出身選手――。彼らはスポンサー企業でのフルタイム勤務をこなしながら、夜間の練習や週末の試合に励んでいます。まさに“ハードワーカー”と言えますが、ピッチ上での振る舞いもハードワーカーそのもの。泥くさく、群れになって戦うのがチームのスタイルです。

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華麗さと激しさを備えた競技。Fリーグ全体の中でも、〈ボアルース長野〉はハードワークの色が濃いチームだ

競技特有のスピード感もあります。フットサルは、サッカーとバスケットボールを足して2で割ったようなスポーツ。ボールを扱うのは足ですが、バスケットボールと同じ5人制です。狭いコートでテンポが非常に速く、バスケットボールほどではなくともゴールが入りやすい。サッカーとは似て非なるスポーツと言えます。球際の激しい攻防に加え、鮮やかな足技も。ルールはMCの方が適宜解説してくれるので、ぜひプレーに注目しましょう。

ハードワーカーなのは、スタッフも同じ。ホームゲームではイベントが満載です。豪華景品がもらえる『じゃんけん大会』、協賛企業や自治体による『PK始球式』、応援する子どもたちによる『夢のキックオフPK』――。そのほかにもさまざまな行事が組まれます。昨年からはホテル日興と手を組み、『観戦チケット付き宿泊プラン』をスタート。全選手サイン入り色紙という豪華特典も含まれています。

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選手も見守る中で行われる『夢のキックオフPK』。子どもたちにとっては忘れられない瞬間だろう

クラブの顔と呼べるのは、土橋宏由樹ゼネラルマネージャーです。現役時代は県内の2大サッカークラブ・〈松本山雅FC〉と〈AC長野パルセイロ〉でプレー。2017年から〈ボアルース長野〉にスタッフとして加わりました。その知名度を生かし、メディアやイベントにも精力的に出演します。長野県の蹴球界において、彼の名を知らない方はいないでしょう。ホームゲームでは、その姿をぜひ探してみてください。

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土橋宏由樹は山梨県甲府市出身で、地元のJリーグクラブであるヴァンフォーレ甲府でも活躍。今ではすっかり長野県スポーツ界の顔となっている

会場の演出も多彩 アリーナを情熱の赤い空間に

会場に花を添えるのは、2021年に結成された公式チアリーダーズ『Ablaze』。試合前後やハーフタイム、タイムアウト(各チームは前後半に1回ずつ、1分間のタイムアウトが要求できる)の際に登場し、軽快な音楽に乗って踊ります。ハーフタイムには、会場を巻き込んだ一体感あるダンスパフォーマンスも。公式Instagramも運営されているので、彼女たちの可憐な姿を覗いてみてください。

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『Ablaze』は燃える、輝く、興奮するという意味の英語。チームカラーの赤と、スポーツが生み出す興奮をイメージしている

お腹が空いたら、アリーナグルメを楽しみましょう。『桐カフェ』の各種カレー、『須坂煎餅堂』のお煎餅(選手似顔絵入り…!)など豊富なラインナップ。長野名物のおやきを販売する『芋井おやき』も気になるところです。地元のお店を中心に、丹精込めて作られたものばかりで、温かみが感じられます。

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『須坂煎餅堂』の選手似顔絵入りお煎餅は、特徴がよく捉えられている。食べるのが惜しくなるかも…?

屋内スポーツならではの演出も大きな魅力です。『ことぶきアリーナ千曲』にはLED照明が完備されており、キックオフ前には場内を暗転。選手たちはスポットライトに照らされながら入場します。また、同アリーナはスタンドとピッチの距離が近く、臨場感があります。大迫力が味わえる1Fアリーナ席での観戦がオススメです。

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暗転された『ことぶきアリーナ千曲』。赤色のペンライトで彩られ、試合前から高揚感に包まれる

長野冬季オリンピックの会場となった『ホワイトリング』も、試合会場の一つ。真っ白な屋根のデザインから、その名で呼ばれています。収容人数5,000人の規模は圧巻。四隅に五輪マークが飾られており、五輪の名残を感じられます。ことぶきアリーナ千曲、ホワイトリングと、違った顔の会場を楽しめるのも〈ボアルース長野〉ならでは。前者はしなの鉄道『屋代駅』から徒歩約15分、後者はJR長野駅東口からタクシーで約20分の距離にあります。チケットは『LivePocket-Ticket-』での前売り購入がオトクです。

チームはF1復帰を目指し、一戦必勝で試合に挑んでいます。昨季は13勝2分1敗、83得点(1試合平均5得点)と、多くの勝利とゴールが見られました。まだまだ知名度が低いスポーツではありますが、1,000人を超える観客が集うことも。F2リーグは年間16試合と少なく、目撃できる回数は限られています。そのチャンスをお見逃しなく!

〇ボアルース長野公式ウェブサイト
https://boaluz-nagano.com/


構成:田中 紘夢、松元 麻希 取材・文:田中 紘夢

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