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長野県の「国宝」を巡ろう!見学できる「国宝」8つを紹介

長野県内にある10の国宝のうち、見学可能な8つの国宝をご紹介。歴史や魅力と合わせ、周辺の観光スポットやお土産情報などをまとめました。由緒ある神社仏閣や城の他、明治時代の文明開花の面影を残す校舎、そして縄文時代の土器など貴重な“お宝”が随所に現存する長野県で、浪漫に出会う旅を。(2024/2/16)

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TOP PHOTO:大法寺三重塔(青木村)©︎大法寺


記載の情報は記事構成時点のものとなり、営業状況や料金等は変更となる場合がございます。最新の情報は各施設へお問い合わせください。
 

01 善光寺本堂(長野県長野市)

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高さ約27m間口約24m奥行約54mと東日本最大級の国宝木造建築『善光寺本堂』 ©善光寺

およそ1400年の歴史を刻む「善光寺」。宗派を問わず受け入れる寺院として、国内外から多くの参拝客が訪れる。御本尊は「一光三尊阿弥陀如来(いっこうさんぞんあみだにょらい)」。日本最古の仏像といわれ「善光寺」の名の由来となった人物・本田善光(ほんだよしみつ)が難波から持ち帰ったと伝わる。

国宝の『善光寺本堂』には入堂してすぐの「外陣」と奥に「内陣」がある。「外陣」には、なで仏の「びんずる尊者」が安置され、自身の患部と同じ部分に触れると病が良くなると言い伝わる。「内陣」は約150畳の畳が敷かれており、より近くで御本尊にお参りすることができる。外陣は拝観無料。内陣の参拝は、本堂の最奥から御本尊の真下を通る「お戒壇巡り」や「善光寺史料館」への入場と合わせた本堂内陣券が必要。

善光寺境内の仁王門から山門にかけての参道は「仲見世通り」と呼ばれ、約200mの石畳の通りに宿坊の他、グルメ・お土産を販売する商店が軒を連ねている。参拝と合わせた賑やかな商店街の散策や食べ歩き、買い物が楽しい。

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土産処やカフェなどが並ぶ「仲見世通り」 ©善光寺
手ぬぐい(トリミング)
「善光寺」の授与所や「仲見世通り」の土産店で手ぬぐいなどのオリジナルグッズを販売中 ©善光寺

【INFORMATION】

【スポット名】国宝『善光寺本堂』
【住所】長野県長野市大字長野元善町491-イ(☞Google Maps
【見学可能時間】開館時間:「お朝事」の1時間前〜16時30分(4月〜10月)、〜16時(12月〜翌2月)
【料金】本堂内陣券(内陣・お戒壇巡り・善光寺史料館入場):一般 600円、高校生 200円、小・中学生 50円、未就学児 無料
【詳細・問い合わせ】公式サイト

02 仁科神明宮(長野県大町市)

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社殿は1636年(寛永13年)に造営された日本最古の「神明造」。釣屋や中門とともに国宝に指定されている ©大町市役所

長野県北西部・大町市の段丘に建つ『仁科神明宮』。平安時代末期、伊勢神宮の御厨(みくりや・神様へのお供物を調達するところ)として開かれた現地を治めるため、当時の支配者・仁科氏が創建したと伝わる。

御祭神は天照大神(あまてらすおおみかみ)。伊勢神宮に倣い20年に一度、社殿などを新しくする「式年遷宮」が執り行われ、それを記録した造営棟札が残る。1376年(永和2年)以降の棟札のうち1858年(安政3年)までの計27枚は国の重要文化財に指定。稲作りを神前で模倣し豊作と安全を願う「古式作始めの神事」や神話に基づいた7座の神楽の奉納など、古くからの伝統行事が脈々と続く。

現在の社殿は江戸時代初期に建て直されたもので、造営以後は部分修理が行われ、日本最古の「神明造(しんめいづくり)」の建造物として継承される。「神明造」は古代の高床式穀倉が原型といわれる様式。『仁科神明宮』の本殿は床が高くなっており、白木を使った直線的で素朴な佇まいが特徴だ。本殿や中門、それらをつなぐ釣屋が国宝指定。スギやブナが生い茂る社叢(しゃそう・境内やその周辺の森)は厳かな空気に包まれ、心が浄化される。

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二ノ鳥居手前にある三本杉。社叢は長野県の天然記念物に指定 ©大町市役所

【INFORMATION】

【スポット名】国宝『仁科神明宮』
【住所】長野県大町市社宮本1159(☞Google Maps
【詳細・問い合わせ】公式サイト
【備考】社務所:9〜16時 ※冬季(1月上旬〜3月中旬)は土日・祝日のみ開所

03 安楽寺八角三重塔(長野県上田市)

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日本で唯一の木造八角塔・国宝『安楽寺八角三重塔』

上田市の別所温泉にある長野県最古の禅寺「安楽寺」。開山は臨済宗僧・樵谷惟仙。室町時代に衰退した後、1580年(天正8年)頃に高山順京によって再興され、後に曹洞宗の寺院となった。境内に建つ『安楽寺八角三重塔』は日本唯一の木造八角塔で、長野県で初めて国宝に指定。創建の縁起は不明なものの、特定の人物もしくは戦死者の供養が目的と推測され、1290年代(鎌倉時代末期)にはすでに建立されていたといわれる。

鎌倉時代に宗から伝来した「禅宗様」(唐様とも)の建築様式で、堂々たる姿が特徴。頂には9つの輪の付いた柱が立ち、各層には立派な木組みが使われている。初重(一番下の層)に日差し・霧よけの裳階(もこし)が付くのも珍しい。

「安楽寺」をはじめ、別所温泉内には多くの神社仏閣が点在する。温泉宿や外湯での湯巡りや食べ歩きなど、温泉街の散策を楽しみながら、参詣してはいかがだろうか。

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信州学海の中心道場として多くの学僧を育てていた「安楽寺」。座禅体験もできる(要事前予約)

【INFORMATION】

【スポット名】国宝『安楽寺八角三重塔』
【住所】長野県上田市別所温泉2361(☞Google Maps
【見学可能時間】3月〜10月:8時〜17時、11月〜翌2月:8時〜16時 ※最終入場は閉門15分前まで
【料金】拝観料:高校生以上 300円、小・中学生 100円
【詳細・問い合わせ】公式サイト

04 大法寺三重塔(長野県青木村)

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威風堂々とした『大法寺三重塔』。初層と二層・三層とで組物の数が異なる特殊な技法は「大法寺」と「興福寺」(奈良県)の建築でしか見ることができない ©大法寺

長野県の中央に位置する青木村の高台に位置する「大法寺」。飛鳥時代に藤原鎌足の子・定恵が開山した天台宗の寺院で、1300年余りの歴史を刻む長野県有数の古刹。境内に建つ国宝『大法寺三重塔』は、1333年(正慶2年)、四天王寺(大阪府)から招いた名匠によって建造された。全国の数ある三重塔の中でも珍しい技法が用いられ、下の層が最も大きい安定感のある佇まい。山並みや麓に田園が広がる風景と調和した美しい姿は、参詣者や旅人が度々振り返って眺めたことから別名“見返りの塔”とも呼ばれる。

参道脇の「青木村郷土美術館」に併設する喫茶室では、三重塔をデザインした和菓子や飲み物各種が味わえる。長野県最古の温泉地「別所温泉」までは車で約15分ほど。上田市にある国宝「安楽寺八角三重塔」と当寺を結ぶトレッキングコースが整備され、2つの国宝を歩いて巡ることもできる。信州百名山に数えられる標高1,223mの子檀嶺岳(こまゆみだけ)への登山も可能だ(所要時間はおよそ4時間)。

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子檀嶺岳や夫神岳(おかみだけ)などの曲線、豊かな森の景観に溶け込むように建てられている ©大法寺
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「青木村郷土美術館」併設の喫茶店で提供する三重塔を模した和菓子 ©大法寺

【INFORMATION】

【スポット名】国宝『大法寺三重塔』
【住所】長野県小県郡青木村当郷2052(☞Google Maps
【見学可能時間】夏季(4月〜10月):9〜17時、冬季(11月〜翌3月):9〜16時
【料金】拝観料:高校生以上 300円、小・中学生 100円 など
【詳細・問い合わせ】公式サイト

 

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05 松本城天守(長野県松本市)

◎2017.04.18 春天守と北アルプス(大)
背景に北アルプスが広がる『松本城天守』。フォトスポットとしても人気 ©松本城管理課

現存する12の天守の一つ「松本城」。戦国時代末期の文禄年代に築城されたといわれ、五重六階の天守としては日本最古の『松本城天守』が国宝に指定されている。壁面の白漆喰と黒漆塗りのコントラストが美しい天守と春の桜・夏の新緑・秋の紅葉・冬の雪景色といった四季の彩り、背景に広がる北アルプスのコラボレーションは思わず息をのむ絶景。天守は水堀に面して建ち、天候や時間帯によっては水鏡を見ることもできる。

内部拝観が可能で、その魅力や歴史を解説するボランティアガイドと通訳ガイドが常駐する(公式サイトから事前予約推奨)。一年を通じてイベントが行われ、中には夜桜や野外能、プロジェクションマッピングなど夜間に開催されるものも。より幻想的な姿に触れる機会をお見逃しなく。

「松本城」を起点とする城下町には昔ながらの商店の他、古い建物をリノベーションしたカフェやレストランなどが軒を連ねる。古き良き風情が受け継がれる松本の町を巡り、松本城から車で約15分の「浅間温泉」に宿泊するプランもおすすめだ。

「松本城」周辺の観光スポットについては下記記事をご覧ください。
松本城から10分圏内!松本城周辺の散策・観光スポット12選

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天守を華やかに照らすプロジェクションマッピングは12月中旬から2月中旬まで開催 ©松本城管理課
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1590年(天正18年)に築城を始めたとされる石川数正の花押(かおう)と石川家の家紋があしらわれたものなど、全3種類の御城印が販売中(3種類セットは1,000円) ©松本城管理課

【INFORMATION】

【スポット名】国宝『松本城天守』
【住所】長野県松本市丸の内4番1号(☞Google Maps
【見学可能時間】開場:8時30分〜17時(最終入場16時30分) ※時期により変動する場合あり
【料金】観覧料:高校生以上 700円、小・中学生 300円、小学生未満 無料 など
【詳細・問い合わせ】公式サイト

06 旧開智学校校舎(長野県松本市)

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洋風と和風が合わさる『旧開智学校校舎』 ©松本市教育委員会

1876年(明治9年)建築の『旧開智学校校舎』は、小学校として使用されていた建物。西洋と日本の要素が混在する「擬洋風建築」が特徴で、建物の隅の模様は灰色の漆喰で石畳風に仕上げられている。正面の車寄せには寺院をほうふつとさせる唐破風やアーチ形の窓が見られる他、竜と天使の彫刻が並んで配置。文明開化によってもたらされた西洋の要素を日本の伝統技術で表現している。2019年(令和元年)、近代学校建築としては初の国宝に指定された。

2階建ての校舎内の見学が可能で、事前予約制でボランティアガイドも受け付けている。売店では、校舎やエンジェル像がデザインされたトートバックやボールペン、クリアファイルなどのオリジナルグッズを販売。隣接する「松本市旧司祭館」は1889年(明治22年)建築の松本カトリック教会の宣教師の住居だった建造物。明治時代の粋を味わってみては。

国宝『旧開智学校校舎』については下記記事もご覧ください。
文明開化を伝える擬洋風建築の代表作 国宝・旧開智学校校舎を知る

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明治時代の小学校の様子を覗く ©松本市教育委員会
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売店で販売中のオリジナルグッズの一つ、コンパクトミラー。当館スタッフさんのデザイン。1個660円 ©松本市教育委員会

【INFORMATION】

【スポット名】国宝『旧開智学校校舎』
【住所】長野県松本市開智2-4-12(☞Google Maps
【見学可能時間】9〜17時(最終入館16時30分) ※3月〜11月:第3月曜(休日の場合は翌日)、12月〜翌2月の月曜(休日の場合は翌日)、12月29日〜翌1月3日は休館
【料金】高校生以上 400円、中学生以下 200円 など
【詳細・問い合わせ】公式サイト
【備考】耐震工事中のため休館中(2024年11月頃再開予定) ※工事期間中も売店は隣接する「松本市旧司祭館」内で営業中

07 土偶「縄文のビーナス」(長野県茅野市)

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「縄文のビーナス」は「棚畑遺跡」より発掘された。切れ長でつり上がった目や尖った鼻にある小さな穴、おちょぼ口は八ヶ岳山麓の縄文時代中期の土偶の特徴 ©茅野市尖石縄文考古館

縄文時代の遺跡が数多く見つかる八ヶ岳山麓。西麓に位置する茅野市の「尖石(とがりいし)遺跡」近くの「茅野市尖石縄文考古館」は、茅野市内で見つかった出土品2,000点ほどを収蔵・展示する。そのうちの一つ「縄文のビーナス」は、妊娠した女性を象る高さ27cm、重さ2.14 kgの土偶で、縄文時代の遺物として初の国宝に指定された。粘土に練り込まれた雲母(うんも)がきらめく。「縄文のビーナス」は360度、さまざまな角度から観賞が可能だ。

「茅野市尖石縄文考古館」を起点に豊かな自然を満喫するスポットへアクセスが可能。徒歩約6分の「竜神池」は周囲に散策路が整備され愛犬との散歩にも最適。徒歩20分ほどの「八ヶ岳エコーライン」からは、壮大な八ヶ岳連峰の景色を望むことができる。東山魁夷の「緑響く」のモチーフとして有名な「御射鹿池(みしゃかいけ)」までは車で約15分ほど。

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「縄文のビーナス」をはじめ、茅野市内の縄文遺跡で見つかったおよそ2,000点が収蔵・展示されている「茅野市尖石縄文考古館」 ©茅野市尖石縄文考古館

【INFORMATION】

【スポット名】国宝『土偶「縄文のビーナス」』
【展示場所】茅野市尖石縄文考古館
【住所】長野県茅野市豊平4734-132(☞Google Maps
【見学可能時間】9時〜16時30分(見学は17時まで) ※休館日は公式サイト要確認
【料金】大人 500円、高校生 300円、小・中学生 200円 など
【詳細・問い合わせ】公式サイト

08 土偶「仮面の女神」(長野県茅野市)

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逆三角形の仮面がつけられた『土偶「仮面の女神」』。胴体には渦巻きや同心円、たすきのような文様が見られる ©茅野市尖石縄文考古館

「縄文のビーナス」と同じく「茅野市尖石縄文考古館」に収蔵されている国宝「仮面の女神」。高さ34cm、重さ2.7kgの大型の土偶で、その名の通り仮面を被ったような姿をしている。約4000年前の縄文時代後期の作品で「中ッ原遺跡」のほぼ中央・墓と推定される穴の密集地で出土した。近くで見つかった土器8点も附(つけたり)として国宝に指定されており「仮面の女神」とともに展示。「茅野市尖石縄文考古館」から車で約10分に位置する「中ッ原遺跡」は現在「中ッ原縄文公園」として整備され「仮面の女神」が出土した辺りは発掘時の状態が復元されている。

「茅野市尖石縄文考古館」内のミュージアムショップでは、「縄文のビーナス」と「仮面の女神」のレプリカやピンバッチ、ストラップなどのオリジナルグッズを販売。喫茶コーナーもあり、ドリンクやケーキ、おやきなどが味わえる。

国宝 土偶「縄文のビーナス」「仮面の女神」については下記記事もご覧ください。
国宝「土偶」= 縄文のビーナス、仮面の女神 二人の女神に会いに行く

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「茅野市尖石縄文考古館」で販売する「縄文のビーナス」と「仮面の女神」のレプリカ。各3,600円、2体セット7,000円 ©茅野市尖石縄文考古館
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オリジナルグッズの一つ革製のキーホルダー。「縄文のビーナス」「仮面の女神」各880円 ©茅野市尖石縄文考古館

【INFORMATION】

【スポット名】国宝『土偶「仮面の女神」』
【展示場所】茅野市尖石縄文考古館
【住所】長野県茅野市豊平4734-132(☞Google Maps
【見学可能時間】9時〜16時30分(見学は17時まで) ※休館日は公式サイト要確認
【料金】大人 500円、高校生 300円、小・中学生 200円 など
【詳細・問い合わせ】公式サイト

その他、長野県内に収蔵されている国宝

楽焼白片身変茶碗(諏訪市)
紙本墨画寒山図(諏訪市)

上記両国宝は「サンリツ服部美術館」(諏訪市)に収蔵。常設展示ではありません。展示予定については公式サイトをご確認ください。
サンリツ服部美術館


文:松尾 奈々子
 

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