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特集『新緑の長野へ。“ハレの日旅”』特別な日に泊まりたい。いま注⽬の個性あふれるスモール・ラグジュアリー宿

コロナ禍により、観光産業は「量」から「質」の時代へ。宿泊施設も、小規模ながらも個性的で高級感が光るスモール・ラグジュアリーな宿が続々と誕生しています。小規模だからこそ、きめ細かいクリエイティブな演出や行き届いたサービスを堪能できるのが魅力。信州の⾃然環境とハイクオリティなデザインを融合した、ラグジュアリーでデザインコンシャスな宿に滞在し、時間から解放されて心をリセットする旅へ。

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TOP PHOTO 写真提供:Zenagi

 

食もアクティビティもオーダーメイドの“特別な旅”で最高の休日を。【Zenagi】(南木曽町)

江戸時代の名残を色濃く残す宿場町、妻籠宿。木曽地域の数ある渓谷のなかでもとくに美しいとされる柿其渓谷。こうした歴史遺産と豊かな自然に恵まれた南木曽町に、2019年に誕生したラグジュアリーホテルが「Zenagi(ゼナギ)」です。大自然の“然”、土地の恵みを味わう“膳”、静かな時を過ごす座“禅”、善行の“善”という4つの“ZEN”を南木曽(Nagiso)で行うことから名づけられました。

築300年ともいわれる江戸時代の豪農屋敷をリノベーションし、客室は全3室。往時に囲炉裏の煤によって燻されて黒光りする梁や柱などがそのまま残され、伝統的な木組みによる木造建築の美しさと快適性を備えた空間です。地元産木材を使い木曽の職人たちが手がけたオリジナルのインテリアがアクセントを添え、一棟全体が芸術作品のようなデザイン性も感じられます。
オープン当初は海外からのインバウンド客がメインでしたが、コロナ禍を経て、現在は感染予防対策も含め、一棟まるごと貸し切りで1日1組限定のプライベート・リゾートです。

この宿のなによりの特徴が、食事はもちろん、滞在中に“最高の休日”を過ごしてもらえるよう、それぞれの宿泊客の希望に応じたさまざまな自然、文化体験を満喫できるアクティビティプランが含まれたオールインクルーシブタイプの“体験型ラグジュアリーホテル”であること。宿泊前から専属のバトラー(コンシェルジュ)が食事やアクティビティなどの要望を聞き取り、プライベート・シェフやガイドがその希望を叶えていきます。チェックイン・アウトの時間も自由に設定でき、完全オーダーメイドの特別な旅が楽しめるのです。

日本の原風景のような自然と農村の暮らしが息づく里山の高台にある「Zenagi」。長い歴史を思わせる重厚感のある佇まい(写真提供:Zenagi)

高い天井に大きな梁がむき出しになったロビーには、屋敷に残っていた材木と木曽伝統の工芸技術を生かした、芸術作品のような家具やインテリアが設えられている。和紙漉き(わしすき)の壁紙や黒漆が塗られた杉の床材など、随所にこだわりと独特の風合いが感じられる(写真提供:Zenagi)

リビングスペースはかつて養蚕の繭を育てていた場所。繭をイメージした照明など個性的で思い思いに過ごせる空間。とにかく、ゆったりとくつろいでほしい」という思いから、この広大なスペースも完全貸し切り(写真提供:Zenagi)

ラウンジに並ぶのは木曽の職人によってつくられたオリジナルの椅子(写真提供:Zenagi)

各部屋にバスルームがあり、それぞれにデザインの異なる洗練されたヒノキ風呂が備えられている。地元メーカーが特別に製作したもので、木曽ヒノキの香りに包まれた贅沢な入浴が楽しめる(写真提供:Zenagi)

2020年にオープンした併設のレストラン「□△◯(まるさんかくしかく)」で提供するのは、周辺地域で採れた新鮮な天然素材や旬の地元食材を使った地産地消のフレンチ。ゲストのリクエストに応じたコース料理は、その日、その季節でしか味わえないエッセンスが凝縮しています。また、食器には、かつて屋敷で使われていた漆器や、屋根に使われていたへぎ板を器に見立てたものも。一皿一皿が美しく、またストーリー性があって、地域の魅力が感じられます。
なお、レストランは宿泊客以外も利用可能で、特別な食事を楽しみたい地元客の利用も見られます。

宿泊のハイライトでもあるアクティビティのプランは9種類ほど。一番人気は、競技の世界で活躍したスペシャリストがインストラクターを務める川遊び「リバー・リトリート」。宿泊者だけが許可を得て入れる国有林を進み、渓流を泳ぎながら、絶景の柿其渓谷の滝壺へと向かいます。ほかに、木曽川の峡谷をカヌーやSUPなどで下る「ダウンリバー」も人気。
ベテランパイロットと一緒にパラグライダーに乗って、空から3,000m級の中央アルプスの山々を望むタンデム飛行のプランも、ここでしか味わえない特別な体験です。また、最新のE-バイクに乗って、木曽の歴史や文化遺産を訪ねるアクティビティや、3,000m峰の御嶽山に登るトレッキング、禅宗の僧と山の中で行う禅体験なども評判。蒔絵作りなどの文化体験は悪天候の日も楽しめます。1日では体験しきれないことから、長逗留する人も少なくないそうです。

この宿の本質は、地元資源に高付加価値を与え、地方再生を見据えること。宿泊客はこの地域ならではの体験を通じ、南木曽町の魅力を深く知り、何度も足を運ぶようになります。実際、リピーターも増えているのだとか。そうした外部からの評価が、過疎化が進む地域の人にとっては、未来の夢や希望の糧となります。

地元の無農薬野菜や山菜、ジビエ、川魚などがフレンチに仕立てられ、コース料理で提供される。魚介類は木曽川が注ぎ込む伊勢湾産のものを使用(写真提供:Zenagi)

信州ジビエの代表格である鹿肉を使ったロースト。時にはシェフ自ら山に入って食材を調達することもあるという(写真提供:Zenagi)

エメラルドグリーンの渓谷美も楽しめる「リバー・リトリート」。大自然を冒険するワクワク感と開放感に包まれる(写真提供:Zenagi)

美しい自然と透明度の高い水質に恵まれた木曽は川遊びの絶好のフィールド。道具はもちろん、ウェットスーツなどの装備も宿が完備している(写真提供:Zenagi)

「リバー・リトリート」では、木曽川に隣接する竹林で食事をとることも可能(写真提供:Zenagi)

漆器の名産地である木曽の木地師の工房を訪ねる蒔絵作り体験(写真提供:Zenagi)

INFORMATION
〈Zenagi〉
長野県木曽郡南木曽町田立222
TEL 090-6072-8392(予約コンシェルジュ)
1泊2食1体験付 1名130,000円~(税・サ別)
https://zen-resorts.com/

食もお酒もアクティビティも“すべて込み”。大自然を五感で感じるグランピング施設【GLAMPROOK飯綱高原】(飯綱町)

アウトドアブームに加えてコロナ禍で人気が加速し、進化を遂げているグランピング。ラグジュアリーなテントでの体験だけでなく、その土地ならではの特別感やオリジナリティあふれる空間、手の込んだサービスなど、ほかのグランピング施設にはないプラスアルファの魅力が求められています。そうしたなかで2020年6月のオープン以来、話題を集めているのが、飯綱町の「GLAMPROOK(グランルーク)飯綱高原」です。

長野市街地から車で約30分というアクセスのよさながら、飯縄山をはじめとする北信五岳の山々を望み、風光明媚な霊仙寺湖が目の前に広がる絶好のロケーション。芝生に立ち並ぶ存在感のある白いドーム型テントは独自開発のラメラ(層状)構造で、より球体に近く、風や雪の影響も受けにくいのが特徴です。さらに注目すべきは、日本初導入のツインドーム・トリプルドーム構造。寝室とリビングスペースが分かれているため、コンドミニアムのように、より快適に滞在を楽しむことができます。冷暖房完備でオールシーズン心地よく過ごせるのも魅力です。

そしてなにより最大の特徴が、レストランでの食事や、アルコールを含むドリンク、ゴルフやEバイク、カヤックなどのアクティビティ、温泉、夜の焚き火など、すべてが宿泊料金に含まれたオールインクルーシブスタイルであること。夕食では、「FARM AKIRA」や「AWkitchen」といった人気店を手がけ "畑の伝道師" としても知られるカリスマ料理人・渡邉明シェフが監修したイタリアンをフルコースで提供。地元の新鮮食材をふんだんに使い、素材本来の味を最大限に生かした数々は、おいしさや見た目はもちろん、栄養バランスまで考慮されています。カフェ&バースペースでは、長野県産ワインやビール、シードル、日本酒などがフリードリンクで楽しめ、石窯で焼き上げたピザも人気です。

寝室にリビングスペースを付加したツインドームがスタンダード。周囲を見渡せる開放的なリビングスペースからは四季の移ろいや刻々と表情を変える自然の風景が楽しめる(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

圧倒的な開放感を誇る直径10mの広いシングルドームはファミリーや女子会に人気。天井が高く、大きな窓からは飯縄山を一望。晴れた夜には満天の星空も(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

世界初の3連トリプルドーム。中央がリビングスペースで、両サイドが寝室になっている。寝室は窓を小さめに設計しているので巣ごもり感も味わえる(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

ドーム内は高品質なくつろぎの空間。トリプルドームはダブルベッド4台が備えられ、中央のリビングにはイギリスのインテリアブランド、トム・ディクソンのテーブルが配されている(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

霊仙寺湖畔のゴルフ場の跡地を生かした広大な敷地にさまざまなタイプの真っ白なドーム型テントが14棟並ぶ。霊仙寺湖では春から夏の早朝にカヤックを楽しむことも(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

レストラン「FARM AKIRA Restaurant」で提供されるのは、こだわりの野菜を使ったイタリアンのフルコース。旬の地元食材も取り入れ、見た目も鮮やか。ビールやグラスワインなども追加料金なしで注文できる(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

夜20時からはバータイム。夕食後にオープンするバーラウンジでは、石窯焼きピザやチーズ、ドライフルーツをつまみに、地酒や県産ワイン、ビール、サングリアなどが飲み放題(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

アクティビティは季節に応じて変わり、春のいちご狩りや夏のモモの収穫体験プランなども。冬は結氷する霊仙寺湖で氷上ワカサギ釣りや、車で5分ほどにある「いいづなリゾートスキー場」でのウィンタースポーツといった、ここならではのレジャーが楽しめます。コンパクトなエリアのなかにオールシーズンの遊びがギュっと凝縮し、ほとんどのアクティビティが追加料金なし。だからこそ、いつもはなかなかチャレンジできない体験を気軽に挑戦できるのもうれしいところです。

周囲の環境も、春はサクラやミズバショウ、アジサイなどの花々が咲き、夏は輝く湖面と深い緑、秋の紅葉、冬の銀世界など、四季折々の景色が広がります。ドーム型テントのなかから眺めれば、自然との一体感を味わえること間違いなし。また、夜は星空を眺めながら快適なベッドで眠り、朝は日の出や小鳥の声で目覚めるという経験も、グランピングだからこそ味わえる贅沢です。まさに、旅慣れた大人を魅了する、グラマラスな体験。五感をフルに使った滞在は、自然環境に癒やされつつも、いつもより刺激的な旅になることでしょう。

ゴルフは広々としたコースで、1ホール1時間貸し切りに。初心者や子どもも気軽にゴルフ体験に挑戦できる(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

ヨガマットの貸し出しも。グリーンシーズンの朝は芝生広場で青空の下、ピラティスを体験できるアクティビティも(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

冬は厚い氷が張った霊仙寺湖で楽しむ氷上のワカサギ穴釣りが人気(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

りんごやモモの名産地でもある飯綱町。夏から秋にかけてはさまざまな果樹の収穫を体験(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

「GLAMPROOK飯綱高原」からほど近い「いいづなリゾートスキー場」。ゆるやかな一枚バーンのゲレンデで初心者でも安心(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

ドームの周囲にはデッキが設置されていて、夜に星空を眺めながら語り合うのもいい(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

チェックイン後、夕方のウェルカムパーティーではおつまみやオリジナルカクテルのほか、焚き火でマシュマロを焼くスモアも楽しめ、アウトドア気分を高めてくれる(写真提供:GLAMPROOK飯綱高原)

INFORMATION
〈GLAMPROOK飯綱高原〉
長野県上水内郡飯綱町大字川上 2755-1
TEL 026-253-8188
1泊2食付 1名33,000円~(2名利用時・税込)
https://glamprook.jp/iizuna/

宿場町・奈良井宿の中央部、江戸時代から続く酒蔵に宿泊する特別体験【BYAKU Narai】(塩尻市)

国の重要伝統的建造物群保存地区である中山道・木曽路の宿場町・奈良井宿で、江戸時代後期の1793年から酒造りを行ってきた「杉の森酒造」。地域のシンボル的存在として愛されながらも2012年に休眠しましたが、2021年、300mほど離れた場所にあった古民家「豊飯豊衣(ほいほい)民宿」の建物とともに、レストランや酒蔵などを併設する宿泊施設「BYAKU Narai(ビャクナライ)」へと生まれ変わりました。

旧「杉の森酒造」の母屋や家財蔵などは全8室の本館「歳吉屋(トシヨシヤ)」に。座敷や茶室など、もともと用途が異なるそれぞれの空間を生かした部屋は全て間取りが違うため、各室でユニークな宿泊体験が味わえるのが魅力です。土蔵を改修した部屋では厚い土壁や重厚な扉などからその歴史を感じることができ、お勝手だった部屋は煙にいぶされた黒い梁や土壁、広い土間空間から蓄積されてきた長年の風格を実感。奈良井宿の建物の象徴でもある千本格子のある部屋では、面格子と障子で内外がつながる往時の幻想的な雰囲気を楽しめます。また、力強い柱や梁などの建築材料からは、建物の営みを支えてきた趣を感じられます。

そして、旧「杉の森酒造」のかつての仕込み蔵は、以前の3分の1の大きさにミニマム化し、新・杉の森酒造の「suginomori brewery」の醸造スペースに。タンクも小型化し、杜氏一人が全工程を監修する一貫生産を実現しています。また、冷蔵室を備えて冬場の環境を作り出し、一年中生産可能な「四季醸造方式」を採用。小ロットで高品質・高付加価値の日本酒「narai」を生み出しています。

仕込み蔵の残りの空間はレストラン「嵓 kura」に。土蔵の梁や柱、漆喰壁を生かし、吹き抜けの天井からは、かつて酒の仕込みに使った一斗瓶の照明器具が下がる個性的な空間になりました。レストランの窓からは、隣接する「suginomori brewery」の酒造りの様子を眺めることができるのも特徴。この“見せる酒蔵”で醸造された日本酒を味わいながら、食事が楽しめるのも、「嵓 kura」の魅力のひとつです。

日本最長の1kmにおよぶ町並みを形成する奈良井宿は、かつて「奈良井千軒」とも謳われるほど発展した。その中央に位置する「杉の森酒造」は約200年にわたって酒造りをしてきた(撮影:アド・コマーシャル株式会社)

千本格子の家々が軒を連ねる奈良井宿を象徴するような客室。柱がない開放的な空間(写真提供:BYAKU Narai)

吹き抜けの土間空間が、かつてお勝手だった趣を感じさせる客室。広いスペースは大人数で楽しめる(写真提供:BYAKU Narai)

一斗瓶の照明も印象的なレストラン「嵓 kura」は、大窓から酒蔵での酒造りを眺めることができる。写真左側の横長の小窓から麹室を覗くことができるのもユニーク。宿泊客だけでなく一般客も利用可能(写真提供:BYAKU Narai)

京都などいくつかの酒蔵で酒造りを経験し、新たに杜氏として就任した入江将之さん。手にするのは、黒を貴重としたスタイリッシュな「narai」のボトル(撮影:アド・コマーシャル株式会社)

“見せる酒蔵”として、デザイン性も考慮されたタンク。杉の森をイメージした緑がかった黒で、艶のない色の導入は酒蔵初(撮影:アド・コマーシャル株式会社)

「嵓 kura」での食事は、英国「ウィリアム リード ビジネス メディア」社が公表している「アジアのベストレストラン50」で2022年に1位を獲得した東京・外苑前の「傳(でん)」の料理長・長谷川在祐(ざいゆう)さんが監修。そのメニューを、塩尻市内でフレンチを提供する「ラ・メゾン・グルマンディーズ」の友森隆司さんがコース料理に仕立てています。食材も、地域で育った伝統野菜や旬の素材を友森さんが厳選。伝統の木曽漆器で味わうことで、地域の風土も文化も味わえる郷土料理の新境地です。

貯蔵庫だった空間は、木曽五木として知られるヒノキ・サワラ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコを贅沢に使った大浴場「山泉 SAN-SEN」に。湯は信濃川の源流である山の湧水を引き込んで使用しています。古来、奈良井宿の生活を支えてきた水は、客室付き風呂にも使用されているほか、日本酒「narai」の仕込み水にも使われるなど、いまもこの施設で欠かすことができない水として至るところで利用されています。

旧「豊飯豊衣民宿」は離れという位置づけで、全4室の別館「上原屋(ウエハラヤ)」」に。この建物はもともと江戸時代に奈良井宿の主産業であった曲物を作る職人の住居で、近年は民宿として活用されていました。その昔ながらの町家をリノベーションし、奥に進むにつれて部屋の時代背景が新しくなっていく構造に。メゾネットタイプやロフト付きなどの部屋が揃います。また「上原屋」の一角は地域文化発信の役割を担うギャラリー「Gallery hoihoi」になっています。

酒蔵という伝統的な文化資産を、革新性をもって再生し、観光地の利を生かして生産と表現を一体化している個性あふれる宿泊施設。今後は酒造体験ができる宿泊プランや、地域のワイナリーとの連携によるアルコールツーリズムの実施なども予定だとか。多様で柔軟な取組も展開しつつ、宿泊業から地域を盛り上げています。

夕食は季節の地域食材を用いた8皿ほどの新郷土料理をコースで提供(写真提供:BYAKU Narai)

朴葉を皿に見立てた料理は「朴葉巻き」で有名な木曽ならでは。写真は鯉とレンコンのはさみ揚げ。海なし県で鯉を食べる食文化が根付いている長野県特有の味わい(写真提供:BYAKU Narai)

味噌蔵だった建物はバーに改修。日本酒「narai」のほか、ワインの名産地として知られる地元・塩尻市のワイン、長野県内で造られるクラフトビールやウイスキー、クラフトジンなどが楽しめる(写真提供:BYAKU Narai)

木曽五木と山水を使った、この土地ならではの大浴場(写真提供:BYAKU Narai)

半露天風呂が付いた客室にも山水を引水した湯が使われている。山々に囲まれた隠れ家のようなロケーション(写真提供:BYAKU Narai)

レコードプレイヤーが備えられた「上原家」の一室。かつて上原屋の家主が大切にしてきたものが引き継がれている(写真提供:BYAKU Narai)

INFORMATION
〈BYAKU Narai〉
長野県塩尻市奈良井551
TEL 0264-34-3001
1泊2食付き 1名40,000円 ~
https://byaku.site/

自然を間近に感じる唯一無二の空間で非日常の宿泊体験を【輪の家・輪の家離れ(屋の家)・廊の家】(軽井沢町)

軽井沢の中心部から車で約20分の距離にある別荘地の森でひときわ異彩を放つ全面ガラス張りの外観。「輪の家(わのいえ)」は1日1組限定の一棟貸し宿泊施設です。余計なものを削ぎ落とし、骨格だけが緑の中に浮かんでいるようなストライプ状のシンプルかつ存在感のある建物。森の中に溶け込むように佇み、室内のどこにいても周囲の木々と360度の眺望を楽しめる空間は、部屋の中にいながらにして森にいるような自然との一体感が味わえます。
設計は建築家の武井 誠さんと鍋島千恵さんによる「TNA」によるもの。もともとは2006年に別荘として建てられましたが、その後、購入したオーナーにより、多くの人にこの建物の魅力を知ってほしいとの思いから2021年に現在の一棟貸しの宿泊施設に生まれ変わりました。SNSなどで話題になり、今では利用客が絶えないほど人気を集めています。

「輪の家」は2006年の建築ながら、時の流れを感じさせない存在感がある(写真提供:株式会社アイマネージ)

地下1階と地上2階の3層構造で、さまざまな高さから森を眺めることができる。1階は天井高4mの開放的なLDK(写真提供:株式会社アイマネージ)

2階は腰壁のある寝室と洗面所、浴室に(写真提供:株式会社アイマネージ)

木々が間近に迫るバスルームは展望風呂として楽しめる(写真提供:株式会社アイマネージ)

「輪の家」の別棟として2022年春にオープンした「輪の家離れ(屋の家:おくのいえ)」は、「輪の家」の奥に位置し、より深く自然を感じられる宿泊施設です。自然に近い森のなかでアウトドア体験をしたいという要望から誕生しました。できるだけ大地を残すようにデザインされた建物は、三角屋根のベッドルームと離れの入浴空間があるのみ。舗装もされておらず、部屋同士をつなぐ廊下もありません。その分、ベッドルームの大きな窓からは周囲の風景を満喫でき、約1,300㎡という広大な森のなか、風や光、匂いや音など、自然をありのままに感じることができます。屋外を少しだけ美しくしつらえたプライベート空間で、特別なアウトドアの宿泊体験が楽しめます。

三角屋根のベッドルームが母屋になり、バス、トイレは離れにある。建物間の行き来では土地の高低差を感じ、廊下がないので雨の日は傘を差すなど、まるでキャンプのような体験が味わえる(写真提供:株式会社アイマネージ)

ベッドルームの大きな窓からは、周囲の景色を一望(写真提供:株式会社アイマネージ)

さらに、2023年1月、「輪の家」から1kmほど離れた原始的な自然がそのまま残る森のなかに、「TNA」が手がけた一棟貸しの宿泊施設「廊の家(ろうのいえ)」がオープンしました。半円状の物体が崖に差し込まれているように見えるユニークな建物内に、ベッドルームやバスルーム、ダイニングキッチン、リビングがワンルームでつながる設計。崖から飛び出た半円状の部分の中心部にあたる大空間のリビングは一面ガラス張りで、デッキのように森から浮かぶデザインのため、展望台のように自然の大パノラマを望めます。約2500㎡と広大な敷地のため、ひと目を気にせずくつろげるのも魅力です。

リビングに置かれたクラシカルなアップライトピアノは「STEINWAY Z-114(1979年ハンブルグ製)」。ジョン・レノンが愛用したといわれるピアノと同じモデルで、四季折々の自然に囲まれながら演奏も楽しみつつ贅沢な時間を過ごせます。

崖に差し込まれるように建てられた回廊型の建築。リビング部分は森に浮かぶ展望台のように視界が開ける(写真提供:株式会社アイマネージ)

斜面地に回廊型の建物が半分突き出している個性的な外観は芸術作品のよう(写真提供:株式会社アイマネージ)

全ての空間はフラットな床でひと続きに。日本の家具ブランド「arflex(アルフレックス)」を中心とした最新家具を設置(写真提供:株式会社アイマネージ)

崖の斜面に沿うように置かれた湯船。バスルームとマスターベッドルームの仕切りはガラスで視線を遮らない(写真提供:株式会社アイマネージ)

ジョン・レノンが名曲『イマジン』作曲時にも使用していたというアップライトピアノの名器「STEINWAY(スタインウェイ)」の「Z-114」(写真提供:株式会社アイマネージ)

INFORMATION
〈輪の家/輪の家離れ(屋の家)〉
長野県北佐久郡軽井沢町茂沢海付563-23オナーズヒルニュー軽井沢I-24/I-23
TEL 03-6435-3889 輪の家 1泊1名21,267円 ~、輪の家離れ(屋の家) 1泊1名22,550円~、2棟貸しプラン15%オフ(税込) ※シーズンなどにより変動
http://karuizawa-wanoie.com/

〈廊の家〉
長野県塩北佐久郡御代田町茂沢379-27 オナーズヒルニュー軽井沢C-13
TEL 03-6435-3518
1泊1名26,400円~(税込) ※シーズンなどにより変動
https://rou-no-ie.jimdosite.com/



取材・文:島田 浩美

<著者プロフィール>
島田 浩美(Hiromi Shimada)
長野県飯綱町生まれ。信州大学卒業後、2年間の海外放浪生活を経て、長野市の出版社にて編集業とカフェ店長業を兼任。2011年、同僚デザイナーと独立し、同市内に編集兼デザイン事務所および「旅とアート」がテーマの書店「ch.books」をオープン。趣味は山登り、特技はトライアスロン。体力には自信あり。

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