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雨の日の特別な花。“スケルトンフラワー”を求めて。濡れると透明になる「サンカヨウ」 観賞スポットと“甘い誘惑”3選!

雨や朝露に濡れると透明になる花「サンカヨウ」。別名“スケルトンフラワー”。白い花びらがガラスのように透き通る神秘的な姿はSNSを中心に話題となっています。梅雨の時期、雨の日だからこそ美しく変身する花。カメラ片手に探してみてはいかがでしょう。清涼・可憐な花を求める旅にふさわしい、ご当地ソフトクリームとともに。

*見頃時期の表記は例年のデータを参考にしております。今シーズンの詳細な開花情報は、各問合せ先へご連絡ください。

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TOP PHOTO:©︎栂池ビジターセンター

サンカヨウってどんな花?
濡れると透明になるのは、なぜ?

サンカヨウ(山荷葉)は、山地の湿原に生える多年草。1茎に白い6弁花を3~10個咲かせます。ハスのような大きい葉が特徴で、ギザギザした葉もしくは丸葉。開花は5~7月。見頃は各地によって異なります。花期はおよそ1週間。儚くも美しい花です。

実のところ、花びらが白く見えるのは、細胞の隙間に入った光の乱反射による、人間の目の錯覚といわれています。雨に濡れると細胞の隙間が埋まり光の反射が起きなくなるので、透明に見える……というわけです。例えば、すりガラスが濡れると透明になったり、白いシャツが濡れて透けたりするように。しかし、濡れたら必ず透明になるというわけでもないようで……さまざまな条件の重なりが必要。どうやら“散る間際”そして“たっぷり濡れる”とベストタイミングになりそうです。

スポット①栂池自然園(長野県北安曇郡小谷村)
〈6月下旬~7月上旬見頃〉

標高1,900メートル・中部山岳国立公園内に位置する栂池自然園。今シーズンは6月11日に開園。ゴンドラとロープウェイを乗り継いで向かいます。園内には木道が整備されていて4時間ほどで1周可能。サンカヨウは入口付近から広大な園内のいたるところに咲きます。見頃は例年6月25日~7月10日。同時期、ミズバショウも一緒に見られるかもしれません。

栂池ビジターセンターによると、サンカヨウの透明化は「(花期の)終わり掛けに出合う確率が高く、細胞が壊れ始め水を含みやすくなるためでは」と予想しています。一方で、水を含みすぎたり強い雨に打たれたりすると散ってしまうことも。自然条件に左右されますが、広範囲に咲くため、美しいスケルトンフラワーに出合える確率は高そうです。サンカヨウの開花時期、園内にはまだところどころ雪が残っています。レインウエアやシューズなど雨対策はもちろんのこと、雪上を歩くのに慣れていない場合は、靴に滑り止めの装着を。雨の日の気温は20℃前後、日によっては15℃くらいに下がります。防寒対策もお忘れなく。

〈栂池自然園〉
ゴンドラ・ロープウェイ往復運賃(入園料込):中学生以上3,700円、小学生以下2,100円(価格は税込)。未就学児は大人1人に対し1人無料。
https://sizenen.otarimura.com/
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*見頃情報はこちら
〈栂池ビジターセンター〉
TEL.070-4091-5204。開園期間(6月11日~10月23日)は無休。

栂池自然園。天気の良い日には白馬三山が望めます ©栂池ビジターセンター

【松尾奈々子の甘味処】
園内入口の宿泊施設『栂池山荘』の売店で販売する「さるなしソフトクリーム」。小谷村の特産・さるなしは“ベビーキウイ”とも呼ばれる果実です。地元産のさるなしを使ったソフトクリームは、ほどよい酸味がさわやか。身も心もフレッシュに。併設のレストランでは、地元食材を使った天ぷらそばが人気です。

大人気・さるなしソフトクリーム! ©栂池ビジターセンター

〈栂池山荘〉
長野県北安曇郡小谷村千国乙12883-1。自然園開園期間中、営業。TEL 090-7708-6341(予約専用)。
https://www.tsugaikesansou.jp
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スポット②野沢温泉スキー場(長野県下高井郡野沢温泉村)
〈6月上旬~中旬見頃〉

野沢温泉スキー場やまびこゲレンデ内に、サンカヨウの群生エリアがあります。ゴールデンウィーク明けまで営業していたスキー場ですが、グリーンシーズンは「上ノ平ピクニックガーデン」として、さまざまな山野草が楽しめます。(開園・ゴンドラの運行は7月2日から)6月中旬、雪解けと同時に一気に咲くサンカヨウを見るには、スキー場入口から県道502号線を奥志賀方面へ。長坂ゴンドラやまびこ駅付近。県道からすぐの場所に群生しています。

野沢温泉観光協会によると、例年の見頃は6月上中旬ですが、昨冬の大雪で今シーズンの見頃は若干遅くなりそうとのこと。重なり合う大きな葉の上に、可憐に咲く可愛らしいサンカヨウ。群生の中から透明な花を探すのも楽しそうです。あたりが霧に包まれ、ひと際幻想的な景色を見ることができるかも。

*見頃情報はこちら
〈野沢温泉スキー場〉
TEL.0269-85-3166。8~17時。無休。
https://nozawaski.com

霧に包まれ、より神秘的な花の姿 ©野沢温泉観光協会

【松尾奈々子の甘味処】
温泉に浸かり体を温め、ほっとひと息。小腹が空いたらスキー場入口から車で15分ほどの『道の駅 野沢温泉』へ。二つの名産品を一緒に味わえる『のざわ温泉まんじゅう菜ソフト』をいただきましょう。長門牧場のソフトクリームをベースに、上に野沢菜のふりかけ、横に温泉まんじゅうの載った一品。ソフトクリームの濃厚さとふりかけの塩気は相性抜群。地元にあるフキヤ商店製造の温泉まんじゅうは、注文が入ってから揚げているのでカリカリ・アツアツ。まんじゅう片手にソフトクリームをすくう幸せたるや。

野沢菜のふりかけと温泉まんじゅうが載った「のざわ温泉まんじゅう菜ソフト」。

〈道の駅 野沢温泉〉
長野県下高井郡野沢温泉村虫生2375。9~17時。(ラストオーダー 16時30分)水曜定休。TEL 0269-67-0767。
https://nozawa-onsen.jp/
Google マップ

スポット③志賀高原・しなの木コース
〈6月上旬~中旬見頃〉

上信越高原国立公園内に位置する志賀高原。中央エリアの一の瀬地区、焼額山の南麓に樹齢800年というシナノキの巨木があります。例年6月上旬から中旬、そのシナノキ近くで文字通り“花を添える”サンカヨウ。周辺は「しなの木コース」として遊歩道が整備されています。一の瀬ダイヤモンドスキー場駐車場から、シナノキまでは徒歩30分ほど。

志賀高原ガイド組合によると霧吹きで水をかけただけでは、透けるに至らなかったといいます。水が十分に浸透する必要があるのか。透明なサンカヨウを確認したのは「長雨の次の日」。サンカヨウの近くで、同じく白い花・ツバメオモトも透けて見えたとか。雨のお花街道。目を凝らしてゆっくり散策すると、新たな発見があるかもしれません。標高1,600メートルの一の瀬地区より少し遅れて6月中旬から下旬頃、大沼池(標高約1,700メートル)近くでサンカヨウが開花します。

*見頃情報はこちら
〈志賀高原ガイド組合〉
TEL 0269-34-2133。9~16時。無休。
https://lnky.jp/FCdiHjH
☞しなの木コース地図(志賀高原観光協会HP内)
https://lnky.jp/l0t6OHa

高原に咲くサンカヨウ。白い姿も可憐で素敵 ©志賀高原ガイド組合

【松尾奈々子の甘味処】
一の瀬ダイヤモンドスキー場から車でおよそ10分の『志賀高原 山の駅』。旧志賀高原ロープウェイの山麓駅をリノベーションした施設には、カフェや売店が並びます。冬は周辺の3スキー場へつながるゴンドラの発着所にも。ここで人気の「マドレーヌチーズソフト」は、温かくふわふわなマドレーヌチーズバーガーの上に濃厚なバニラソフトクリームが載った至福の味。旧ゴンドラの中で食べることもできます。

ふわふわのマドレーヌチーズバーガーと濃厚バニラのマリアージュ

〈志賀高原 山の駅〉
長野県下高井郡山ノ内町平穏大字平穏7148。カフェ・売店 9:00~15:30。火曜定休。TEL 0269-34-2621。
https://lnky.jp/yCD5VoV
Googleマップ


サンカヨウの花言葉のひとつは「幸せ」。雨に恵まれ、条件が整い、妖精のようにメルヘンチックな姿に出合えたら……。雨の日の「幸せ」を探しに出掛けてみませんか。

*踏み荒らしや盗掘はやめましょう。

長野県の自然公園の情報マナー

https://lnky.jp/U9xhV70

記載の内容は、取材時点の情報となります。各施設の営業状況やサービス内容、取扱商品等は変更となる場合がございます。最新の情報は各施設へお問い合わせください。
 

取材・文:松尾奈々子

<著者プロフィール>
松尾奈々子(Nanako Matsuo)
1993年生まれ。長野市出身・在住。
元記者、現観光地広報担当。果物店の娘。大好物はイチゴ。顔は大福に似ているといわれる。人の話を聞くことが好き。

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