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【保存版】この夏、SUPにチャレンジします!

水面に浮かぶボードに立ち、パドルを漕いで楽しむウォーターアクティビティSUP(スタンドアップパドルボード)。近年、各地でSUPを体験できるフィールドが増えています。そのなかでもビギナーにおすすめなのは湖。長野県飯山市・北竜湖でのSUP体験ツアーをご紹介!

更新日:2021/09/30

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湖がSUPにおすすめなワケとは

緩やかな坂道を登り詰めると、視界に飛び込んでくるのは深い緑に囲まれた美しい湖。車から降り、湖のほとりに立つと、おとぎ話の世界に迷い込んだような空気感に包まれます。歩いて1周できそうなコンパクトな湖畔に、周囲の豊かなブナ林を鏡のように映し出す湖面、聞こえてくるのは小鳥のさえずりだけ。ここは長野県飯山市の北東、野沢温泉村の入り口にある北竜湖。この秘密の楽園のような湖を舞台に、スタンドアップパドルボード、通称SUP(サップ)が誰でも気軽に楽しめるのです。

長野県自然百選にも選ばれている神秘的な湖、北竜湖

初めてSUPに挑戦するのなら、道具のレンタルとガイドがセットとなったツアーへの参加が断然おすすめ。今回は北竜湖を中心にSUPツアーを開催している『nozawa green field』の体験ツアーに参加しました。ガイドは代表の河野健児さん。北竜湖は初心者のSUPデビューに最適な場所だと語ります。

「SUPはもともと海から生まれたマリンスポーツです。海だと波も風も潮の流れもあって、バランスを崩して落ちることもありますが、湖なら難易度がグッと下がります。長野県には大小さまざまな湖がありますが、北竜湖は周囲を山に囲まれていて風の影響を受けにくく、サイズ感も手頃、設備も整っているので、SUPデビューには特に適しているんです」

『 nozawa green field』代表の河野健児さん。野沢温泉観光協会会長も務めている

プロスキーヤーとしても活躍する河野さん、自身がSUPを始めたのはスキーのトレーニングに取り入れたのがきっかけだそうです。SUPが日本に普及し始めた2010年頃、メインフィールドは海だったけれども、野沢温泉村出身の彼にとって身近にある、川や湖でもSUPで遊びたいと考えた河野さん。2015年、仲間とともに、折りたたんで持ち運びのできる“インフレータブルSUP”のブランドを立ち上げました。

本ツアーでは、河野さんたちが開発した日本のフィールドに適したSUPが用意されています。インフレータブルSUPは、使う前に空気を入れて膨らませる準備が必要ですが、ツアーではこの通り、すぐ使えるように湖の上にセットされています。

河野さんたちのオリジナルブランド『PEAKS 5』のSUPは初心者にも乗りやすい

レクチャーを受けてからSUPに乗り込む

ツアーの始まりは、冗談を交えた自己紹介から。場の空気も和んだところで、レンタルに含まれているライフジャケットとパドルを受け取り、パドルの持ち方や使い方を教わります。

ガイドは3人のイケメンガイドのなかから指名制で選べるとか!?

レンタルで使用するSUPとパドル。空気で膨らませたとは思えないほどしっかりしている

熱中症対策に飲み水は持参すべし。水筒などはSUPの上部のネットに固定できる

まずは河野さんがSUPに乗り込み、基本の漕ぎ方をレクチャー。見ているだけだととっても簡単そうです。

乗る位置や両足の幅、パドルを入れる場所などを丁寧に説明する河野さん

一通り、基本を学んだところでいよいよSUPに乗り込みます。この日、筆者とともに体験ツアーに参加してくれた友人はこの日、初めてのSUP体験。河野さんのサポートを受けながらゆっくりと湖上へ!いきなり立つのは難しいので、まずは膝立ちで漕いでみます。

少し緊張しながらボードの上へ。漕ぎやすいところまで押し出してもらえる

膝立ちならグラグラすることもない。パドルの使い方を覚える

SUPはスピードに乗れば乗るほど安定するもの。膝立ちである程度漕ぎ方を習得したら“スタンドアップ”です。初めてでも意外と簡単に立つことができました!河野さんに方向転換などのコツを教わりながら、対岸まで行ってみることになりました。

クルージングを楽しむ贅沢な時間

慣れてくると徐々に周りの景色を楽しむ余裕が生まれてきます。湖には、他にフライフィッシングをしている人と、遠くにSUPヨガをしている人が2人いるだけ。空と森と湖に包まれた貸切に近い環境で、深呼吸をすると、日頃の疲れも吹き飛ぶかのよう。言葉では言い表せないほど、とにかく気持ちいいのです!

10分くらいの練習で、おしゃべりしながら漕げるようになる

「あの木の間を通ってみましょう!」河野さんについて、湖上クルージングをしていると、冒険気分でワクワクしてきます。湖のなかから伸びる広葉樹を見つけたり、魚を発見したり、ボートやカヌーとも違う湖面との近さが新鮮です。

岸に近い場所は水深も浅いので、フィンを引っかけないように慎重に漕ぐ

さらに奥まで進むと、可愛らしい黄色い花が水辺を彩るように一斉に咲いていました。花の周りを一周するように漕いで観察。

アサザという水辺に咲く多年草植物。5~9月頃まで楽しめる

SUP入水地点の横にはスイレン。大きな花が美しい

漕ぎ疲れたら、いつでもどこでも休憩できるのがレイクSUPの魅力。足だけ水につけてSUPに腰掛けたり、寝転んだり。流れはほとんどないけれど、風で流されたとしても北竜湖なら危険箇所はほぼ無し。ただこうして、水の上でゆっくりするためにSUPを使うという楽しみ方もあるのです。

水分を取り身体を休める。おやつを持参してもいいかも

水の揺らぎ、吹き抜ける微風が心地よすぎる時間

あまりの気持ちの良さに本当に眠ってしまいそう

SUPの遊び方は無限大

後半戦は、SUPを使ったいろいろな遊び方を教えてもらいます。SUPで波に乗ったり、ヨガをしたり、釣りもできるということは知っていたけれど、あとはただ漕ぐことを楽しむものだと思っていました。

「連結してみましょう」。河野さんが私たちの乗る位置をズラし、3枚のSUPを少しずつ重ね始めました。私たちは座ったまま、一番後ろの河野さんが漕いでくれて勝手に進んでいきます。「わー、なんて優雅な!!」漕がなくても勝手に進むスペシャルクルージングです。そのまま3人で立って漕ぐこともできます。河野さんのツアーでは、なんと最大40人ほどで連結したこともあるのだそう。

ガイドさんが漕いでくれる連結スタイル。私たちはおしゃべりしているだけ

3人同時に漕ぐとスピード感も違う。息を合わせて漕ぐのがポイント

「慣れてくるとこんなこともできますよ」。ここで河野さんが凄技を披露。素早く方向転換する時に使うとのことで、SUP後部に重心を移し、トップを浮かせてバランスを取りながらクルクル回るという技術。ついでに三点倒立まで!さすがアスリート、体幹がしっかりしているとこんなこともできてしまうのですね。

その場でクルッとクイックターン。前後に開いた両足とパドルでバランスを取っている

三点倒立も一発で決めるアスリート河野さん

見ていると挑戦してみたくなる筆者。クイックターンにチャレンジしてみましたが、重心を後ろに下げるだけで途端に足元は不安定になるので、スリル満点です。全くクイックではないけれど、少しは回れるようになったところで、ボッチャーン! ついに落ちてしまいました。一度落水するともう怖いものはありません。何度も落ちながら練習するのでした。

後ろ足を下げるだけでかなり怖い

すぐにバランスを崩してしまう

お決まりの落水!でも水が気持ちいい

「じゃあ今度はそっちのSUPに乗り移ってください」。今度は1枚のSUPに2人で乗るという遊び。これもまた、ぴったりと息が合わないと前に進まず、足元はグラグラ。不安定な状況に笑いがこみ上げてきて、爆笑しながらのチャレンジ。他にもこんな遊びがありますよって、提案が次から次へと出てきて、SUPの奥深さと自由さに驚くばかりでした。

2人乗りSUP。「せーの」で漕ぐのだけどなかなかうまくいかない

2枚のSUPを横に並べて広々休憩

レベルが違ってもみんなで遊べるSUP

あっという間の2時間。大満喫で体験ツアーを終えました。ツアーの後は湖のすぐ前にある温泉を利用したり、更衣室で着替えたりと、施設環境もバッチリ。湖畔には小さなキャンプ場まであるのです。

今回、私は自ら(?)ボチャンしましたが、初めてでも落水せずに乗れるし、真夏など暑い季節は敢えて水に飛び込んで遊ぶのもひとつ。河野さんは言います。

「レンタルSUPは7~8種類あるので、落ちたくない人には特に浮力のあるSUPを貸したり、アクティブな人には動きやすいモデルを選んだりと、お客様のレベルや体重、ニーズに合わせて道具を用意しています」

道具の選択肢の広さと同時に、遊びの幅が広いというのも特徴的。『nozawa green field』のゲストは初心者だけでなく上級者もいるそうです。

「初めて体験するという方が8割なんですが、波に乗ったり、川を下りたいという目的を持った方もいらっしゃいます。海での漕ぎ方をアドバイスしたり、慣れた方とは秋に四万十川のSUPツアーに一緒に行くということもありますよ」

ワンちゃんと一緒に漕いだり、みんなで飛び込んだり
©️nozawa green field

一度体験してみたいという人から、湖上でのんびりしたい人、子どもやペットと楽しみたい人、上達したい人まで、本ツアーの受け入れ口は広い。初めてのSUPを満喫した友人も、その部分に共感したようです。

「ガイドさんによる事前レクチャーがとてもわかりやすく、初めてでも短時間で無理なくスタートできたのが良かったです。初心者から経験者までミックスでも、それぞれのレベルに合わせた技術やコツ、遊び方を教えてくれるので、レベルを問わず一緒に楽しめますね!」


この夏はぜひ信州の湖でSUPにチャレンジしてみませんか。

撮影:杉村 航 文:尾日向梨沙

<著者プロフィール>
尾日向 梨沙
1980年、東京都生まれ。編集者/ライター。
早稲田大学第二文学部卒業後、13年間スキー専門誌『Ski』『POWDER SKI』(実業之日本社)などの編集を担当。2013年より同誌の編集長を務める。2015年よりフリーランスとなり、スノーカルチャー誌『Stuben Magazine』を創刊。2018年より藤沢市鵠沼の自宅を舞台に、歴史的建造物と周辺の緑の保存活動を開始。2020年に湘南から長野県飯山市に移住。スキーのあるライフスタイルを送りつつ、畑での野菜作り、雪国での太陽光発電の挑戦など、自然に寄り添った暮らしを目指す。

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