"トレンドの予感"
手軽&ロケーション抜群!
山城トレッキングに行ってきた_長野市編

山の地形を活かして築かれた城=山城。敵の移動を阻害し、高所からの視界を確保できるため、戦国期に軍事上大きな役割を果たしました。上杉謙信と武田信玄が争った「川中島の合戦」など、何度も大きな戦の舞台となった長野市は70を超える山城跡が残り、現代ではトレッキングを楽しめる山城もあります。
今回は、長野市域最大級といわれる葛山(かつらやま)城跡へ山城トレッキングに行ってきました。比較的短時間で登れ、運動不足の解消にもおすすめ。山頂は展望広場として整備されていてロケーションも抜群です。歴史にふれたいという人はもちろんですが、「歴史はよくわからない…」という人も十分楽しめますよ。

更新日:2021/04/30

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目次

長野市域で最大級の山城 葛山(かつらやま)城跡へ

その他長野市内で楽しめるおすすめ山城5カ所
・旭山城跡
・若槻山城跡
・尼巌(あまかざり)城跡
・牧之島城跡
・髻山(もとどりやま)城跡

長野市域で最大級の山城
葛山(かつらやま)城跡へ

葛山は善光寺の北西にある山で標高は812m。山頂にある主郭を中心に城郭構造が東西約900m、南北約600mにおよび、長野市域では最大級の山城とされています。
トレッキングルートがいくつも整備されていますが、今回は駐車場も完備されている芋井地区から登りました。長野市中心部からでも車で約20分とアクセスも良好です。

山城トレッキングスタート!10台ほど停められる広い駐車場があります

駐車場からは立派な桜も見ることができました

トレッキングルートはしっかりと整備され、立て看板もあるので安心です。とっても静かで、人もほとんど歩いていないので熊鈴などの音の出るものを携行していくのがおすすめ。”密”とは無関係な世界で時々聞こえる鳥のさえずりを聞きながら森の中を進んでいきます。

鳥の声を聞きながらのんびりと歩きました

ベンチや標識もしっかり整備されています

駐車場から30分ほどで葛山山頂に到着しました。急斜面や危険箇所もほとんどなく、歩きやすいルートです。山頂=本丸跡(主郭)は展望が良い広場になっており、葛山城跡に関する説明書きや東屋、ベンチなどが整備されています。春は山桜が咲き、ここでお弁当を広げても気持ちが良さそうです。

広場になっている山頂=本丸跡(主郭)

城跡について書かれた案内板。とっても分かりやすくまとめられています

山桜の下にたつ祠

葛山城は第2回川中島合戦の対陣の際に山頂に築かれた上杉方の山城です。もとは葛山衆と呼ばれる地侍の城で、城主は落合氏。上杉謙信が武田方の旭山城に対する向城として拡大し、上杉方の重要な前進基地でした。高い崖の上にあり、堅固な防塁を備えていたため、武田勢も苦戦したそう。

目の前に見える山が武田方の旭山城跡がある旭山。上杉方がここから向こうにいる武田方と睨み合っていたのでしょう。長野市街も良く見えます

山頂からは旭山や長野市街が広がる川中島平を一望できるほか、飯綱(縄)山や大峰城跡、遠く北アルプスの山々などほぼ360度のパノラマビューが楽しめます。その他、外的の侵入を防ぐ防御設備「堀切」や「土塁群」を見ることができます。

飯綱山もきれいに見えます

稜線上に堀切が連続している、土塁群

少し霞んでいましたが、遠くに積雪が残る北アルプスも見えました

防御力が高い葛山城ですが、水が不自由という欠点がありました。敵の目にふれる崖からは水が十分にあるように見せかけるため米を落としたといいます。しかし遂に武田側に知られ、水を断たれたうえに火攻めにあい落城しました。
逃げ場を失った城の女性たちが身を投げた「姫谷」と呼ばれる谷底からは、女性たちの悲しい泣き声が後の世まで聞かれたと語り継がれています。

少し怖くて悲しい言い伝えがある姫谷

姫谷の近くにはこんなに立派な木の根がはっています。一部は削られてステップになっています

地面に目を向けるとタチツボスミレがいたるところに咲いていました

この日は平日でしたが、山頂は貸し切り状態。多くの遺構と素晴らしい展望を存分に楽しんで下山しました。山頂まで30分程度と手軽にトレッキングできるので運動不足の解消としてもおすすめ。
 

葛山城跡トレッキングマップ 本丸跡(山頂)から1分圏内にアルプス展望台や姫谷、土塁群などの遺構が集まっています

自然や景色を楽しむのもよし、歴史にどっぷりと浸かるのもよし、さまざまな楽しみ方がある山城トレッキングに出かけてみませんか?

さまざまな楽しみ方がある山城トレッキング

その他長野市内で楽しめるおすすめ山城5カ所

長野市には葛山城跡のほか、トレッキングが楽しめる山城がいくつもあります。山城トレッキングにおすすめの山城を5カ所紹介します。
※写真以下全て提供:(公財)ながの観光コンベンションビューロー

旭山城跡

長野県庁の西にそびえる旭山頂にあった山城・旭山城。またの名を朝日山城といいます。上杉側の葛山城の向いにあり、旭山城は武田側。裾花川をはさんで両者が200日にも及び睨み合ったといわれています。旭山の標高は785mで平柴歩道から歩く場合、片道1時間程度で山頂へ。展望台からは眼下に長野市街地、遠くに志賀方面の山々を望むことができます。本郭の石垣や堀切跡など歴史的な見どころもあり。平柴歩道と登山道の間にある「朝日山観世音」は合格祈願のご利益があり、受験シーズンには参拝者が多く訪れます。

展望台から望む景色

山頂の旭山城跡

本郭の石垣

長野市中心地から見た旭山

 

若槻山城跡

鎌倉時代初期に若槻氏を名乗る源頼隆が築き、その後上杉謙信によって整備された若槻山城。善光寺の北東・若槻地区にあり、4.9km(約3時間)でまわることができます。戦国時代には甲越による争奪戦が繰り広げられた場所で、主郭跡や堀切跡など典型的な山城の遺構がそのまま残されています。主郭から北方にある番所(ばんどころ)跡は、山背よりの備えと狼煙台に利用されたものと考えられています。若槻山城跡から標高923mの三登山頂を経て、髻山(もとどりやま)城跡へと続く全長14km(約7時間)の縦走トレッキングコースも整備されています。

若槻山城跡

堀切跡

番所跡

防御のため主郭に置き戦闘に備えたという河原石

 

尼巌(あまかざり)城跡

松代エリアにそびえる標高780.9mの尼巌山。尼巌城は絶壁の山頂に土豪・東条氏が築城されたとされる山城です。三方が断崖絶壁で北西だけが尾根続きになっており、南方の敵に備えたことが分かります。主なトレッキングコースは3つあり、どのコースも片道1時間~1時間半ほどで登ることができます。峠を監視する役割を担った山頂は眺望が抜群。松代の町並みがよく見えます。堀切など山城の遺構のほか、巨大な岩場や石仏など見どころもたくさんあります。麓に温泉があるのでトレッキング後に汗を流すのもおすすめです。

尼巌山

山頂からの展望。目の前にそびえるのは「皆神山」

太陽神である天照大御神が隠れ、世界が暗闇に包まれたという天岩戸伝説が残る場所もあります

カモシカに出会えるかも

 

牧之島城跡

信州新町にある城跡で、武田信玄が馬場信房に築かせたもの。安曇野から善光寺平に繋がる街道を監視・警備する拠点だったそう。現在は公園として整備されていて、「馬場信房之城趾の石碑」が建てられているほか、兵をひそませるために設けられた「千人枡形」や防御目的で設けられた「馬出し」など数多くの遺構が残っています。城跡から2kmほど登ったところにある上の平展望台からは天気の良い日は北アルプスが一望できます。

土塁に囲まれている本丸跡。現在は桜などが植栽されています

兵をひそませるために設けられた千人枡形

三日月形の堀

 

髻山(もとどりやま)城跡

標高744mの髻山頂にある本城があり、やや下がった平坦部に小城が築かれたという髻山城。上杉側が川中島出陣の際に要衝(ようしょう)として利用したといいます。長野市の北端、飯綱町牟礼との境にあり、山頂からは善光寺平を一望することができます。山頂付近にはカタクリの群生地があり、春には見事に咲き誇ります。上杉謙信が井戸に黄金の千手観音像を投じて祈願したところ、清水が湧き出したという伝説が残る「髻山観音清水」や山頂(=主郭)手前にある石垣などを見ることができます。約3.8㎞(約3時間)のトレッキングコースが整備され、若槻山城跡までの縦走も可能。

山頂から望む善光寺平

山頂手前に残る石垣

東屋などが設置された山頂

髻山観音清水


<参考>
(公財)ながの観光コンベンションビューロー
「ながの山城あるき~歴史トレッキングガイド~」
https://nagano-yamajiro.com/

※他の登山者と距離を保つなど新型コロナウイルス感染拡大防止対策をお願いします。行政・関連機関が発信する最新情報を入手したうえで計画を立て、適切な服装・装備で安全にトレッキングを楽しみましょう。

取材:編集部(みやざわ ちえ)

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