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長野県の“低い山”に登ってきた 初心者にもおすすめ!冬の低山登山は想像以上に面白い

3000m級の山々が連なる山岳県の長野県。冬山はハードルが高く冬は登山をしない人も多いのではないでしょうか?長野県には秋~春先に楽しめる低い山=低山もたくさんあります。標高がそれほど高くない山であれば積雪も少なく初心者にもおすすめ。今回は、長野市の中条地区にある「虫倉山」(標高1378m)に実際に登ってきました。
※2020年12月上旬に取材したものを記事化しております。※撮影時のみマスクを外しております。

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登山スタート

虫倉山は、長野市西部にある中条地区にそびえる山で、地元では「むしくらの里」とも呼ぶくらい地域のシンボルになっています。頂上からの眺望が抜群で“信州百名山”に指定されています。
虫倉山山頂へは5つのコースがありますが、今回は初心者向けで登山口に名勝「不動滝」がある「不動滝コース」で登ります。
登山口へ向かう林道(不動滝線)入口に建つ「虫倉山道しるべ」で登山届を提出。トイレやロッカーも設置されたきれいな施設です。

林道入口にある「虫倉山道しるべ」。林道が通行止めの際はここから歩く

行程などの基本情報を記入して登山届を提出。トイレや鍵付きロッカーなども完備されています

虫倉山道しるべから登山口までは約2キロ。10台以上停めることができる駐車場のほか、大きなトイレもあります。ただし、トイレは冬季閉鎖になるため虫倉山道しるべで済ましておくのがおすすめ。
この日は気持ちよく晴れて絶好の登山日和。準備運動をして出発します。

登山スタート!

準備運動もしっかりしました

不動滝コース登山口の駐車場。トイレ(冬季閉鎖)も完備されています

登った12月上旬はほとんど積雪がなく、大量の落ち葉が堆積していました。滑りやすいので特に下山の時は注意が必要です。登り始めてすぐ、鎖のあるちょっとした急坂があります。高度感はあまりないので楽しんで通過できました。

落ち葉が堆積して地面はフカフカ。下山時は滑りました

ちょっとした鎖場がスリリングで面白い

登山口から10分ほどで細い沢を渡ります。水量は多くありませんが、ここは“サンショウウオ”が住んでいました。
『サンショウウオを食べたり、飲んだりしないでください』という不思議な注意書きがかれた看板が立っています。「食べたり、飲んだり!?」と衝撃を受けましたが、飲むと寿命が延びるという迷信があるようです。
石をそーっと持ち上げてみると黒っぽい色をした可愛らしいサンショウウオを発見できました。

石を持ち上げたらそっと元に戻しておきましょう

石の下に隠れていたサンショウウオ

景色を楽しみながらゆっくり歩く

天気が良く歩いていると暑いくらいでこまめに服を脱いだり着たり調節していました。木々が落葉しているので隙間からも景色を楽しみながら歩けます。冬なので虫も少なくて快適です。

木々の隙間からも景色を楽しめるのが冬登山の魅力の一つ

夏場は暑すぎる低山でも冬は快適。行程も比較的短いので写真を撮りながらのんびり歩くのもおすすめ

ゆっくり歩き進めて40分ほど、急な斜面をジグザグに登っていくと「金倉坂」という看板が立っています。昔、山に住んでいた長者がここに黄金を埋めたと言い伝えられている場所だそうです。

埋蔵金があると言われている「金倉坂」。ゴツゴツした岩がいくつも積み上がっています

斜面には巨大な岩も埋まっていました

登山道の分岐には看板もありますが、念のため地図アプリでも方向を確認

さらに25分くらい進むと東屋があり展望が一気に開けました。アルプスの山々を見ながら休憩。空気が澄んでいるのでより一層綺麗に見えました。ここから稜線を歩き、あと30分くらいで頂上です。

歩き始めて1時間ほどにある東屋からは、思わずカメラを向けたくなるアルプスの絶景が広がっています

頂上まであともう少し。尾根は両側が切り立ち道幅が狭いので慎重に歩きます

山頂到着!
360度のパノラマビュー

登山口から1時間半ほどで山頂に到着。一気に視界が開け、北アルプスや北信五岳(妙高山、黒姫山、斑尾山、戸隠山、飯縄山)などが一望できます。

山頂到着!

遠くの景色まで見渡せます

山頂は遮るものがなく思わず手を広げたくなるほど開放感抜群です

虫倉山の山頂は、2014年に発生した「長野県神城断層地震」により一部崩落しています。ゆっくり休憩する場所としては少し狭いので、景色と撮影をひとしきり楽しんだら下山します。
登りと同じ道を引き返し、5分ほど下った場所にある「一服むしくら」が休憩場所としておすすめ。

「一服むしくら」からもアルプスの絶景が見えます

麓の道の駅でゲットした
おやきでおやつタイム

登山の楽しみの一つでもある”おやつ”。用意したのは、麓の「道の駅中条」で購入した「笹おやき」。ふかしたおやきが笹で巻かれている中条名物のおやきです。お湯を沸かしてコーヒーといただきました。
おやきとコーヒーという不思議な組み合わせですが、なかなか良い組み合わせでした。特に山の上で飲むコーヒーはやっぱり絶品です。

名物の「笹おやき」

休憩時は体が冷えてくるので温かい飲み物がおすすめ

低山だと登山口からの行程も比較的短いので、あまり時間を気にすることなくゆっくり休憩できます。冬だと空気が澄んでいるので遠くまでよく見渡せました。

双眼鏡などを持参して景色を楽しむのもおすすめです

時間に余裕があるので休憩もゆっくりできます

温泉やグルメ
下山後の楽しみ

帰りは落ち葉で滑らないように注意しながら下山し、1時間ほどで登山口に到着。休憩含めて3時間ちょっと、歩行距離4.3kmの山歩きでした。

今回の登山データ

低山はマイナーな山が多いためか、途中で他の登山者とすれ違うことも少なく、自分のペースで静かな山歩きができることも魅力の一つです。

下山後、登山口近くにある名勝「不動滝」でも記念撮影。秋は見事な紅葉が見られるそう

低山は比較的短い時間で登ることができるので、下山後も麓の観光施設に寄ったり、食事をしたり、温泉なども楽しむことができます。
この日は、おやきを購入した「道の駅中条」で遅めのランチとスイーツを堪能しました。虫倉山登山口の近くには日帰り入浴もできる温泉施設「やきもち家」もあるので、温泉で汗を流すのもおすすめ。

「道の駅中条」の看板メニュー「おぶっこ」。ぶつ切りの野菜や豚肉などが入ったみそ仕立ての汁に平打ちの太麺が入った煮込みうどんみたいな郷土料理。冷えた体も温まります

登ってきた虫倉山(写真中央)を眺めながらデザート。歩いた後の甘いものは最高でした

在宅勤務などで家にいる時間も増え、運動不足気味だったこともあり、今回の3時間ほどの山歩きは丁度良い運動になりました。木々の隙間からも景色を楽しむことができ、眺望よし、暑さなし、虫なしの大満足な登山になりました。
魅力がたくさんある低山登山を始めてみませんか?

魅力がたくさんある低山登山

今回登った虫倉山は、元長野県警察山岳遭難救助隊長であり、低山含め長野県内の山についてまとめた本も出版している中嶋豊さんに「特に好展望」とおすすめされた山でした。登山をする際は、標高が低い山でも油断は禁物です。必要な装備と準備はしっかりと行い、安全に山歩きを楽しみましょう。
中嶋さんに冬の低山登山の魅力や注意点、服装のポイントなどを聞いてきましたので、コチラの記事も是非読んでみてください。

※虫倉山不動滝コース登山口の地図はコチラ
※虫倉山道しるべの地図はコチラ
※道路積雪後は林道が通行止めになります。通行止めの場合は虫倉山道しるべから歩く。虫倉山道しるべから登山口まで徒歩30分程度。
※虫倉山についての詳細はコチラ

【まとめ】
冬の低山登山は想像以上に面白い

・低山は行程も短めなので登山初心者や運動不足解消にもおすすめ
・人が少なく自分のペースで静かな山歩きが楽しめる
・真夏だと暑すぎる低山でも冬なら快適に登れる!虫も少なめ
・落葉しているので木々の間からも景色が楽しめる
・時間に余裕があるので麓で温泉やグルメを楽しむのもおすすめ
・低山登山の注意点や服装のポイントなどの詳細はコチラから

※行政・関連機関が発信する最新情報を入手したうえで登山計画を立て、安全登山をしましょう。

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