TOP PHOTO：©和泉荘
 

記載の情報は記事構成時点（2025年11月）のものとなります。最新の情報は各施設へご確認ください。

松本市の『浅間温泉』は、1300年以上の歴史を持つ温泉地。江戸時代には初代松本藩主・石川数正により歴代城主専用の湯処「御殿湯」が置かれ、周辺には城主や家臣たちの別邸が建ち並びました。こうした背景から、浅間温泉は“松本の奥座敷”とも呼ばれます。
明治以降は与謝野晶子や竹久夢二、正岡子規など多くの文人墨客が訪れました。その痕跡として歌碑などが温泉街に残されています。

浅間温泉の湯は無色透明のアルカリ性単純温泉で、豊富な湧出量を誇ります。源泉温度が約50℃と高いため、加水や加温を必要とせず、源泉をそのまま堪能できる施設が多いのも特徴です。

アクセスはJR「松本駅」からバスで約20分、「国宝 松本城」から車で約10分。上高地や乗鞍高原、美ヶ原高原、安曇野エリアへの移動にも便利な立地です。北アルプス登山やハイキング、松本観光の拠点として広く利用されています。

『浅間温泉』の詳細は下記サイトをご覧ください。
☞浅間温泉旅館協同組合公式HP

浅間温泉の中心部に位置する『ホットプラザ浅間』。24時まで営業している日帰り温泉施設です。広々とした大浴場や、花と緑に囲まれた露天風呂、90℃のドライサウナ、水風呂がそろいます。ボディーソープやシャンプー類も完備。施設入口には源泉かけ流しの足湯もあります。

館内には70畳の休憩所のほか、浅間温泉観光案内所も併設し、地域の情報収集にも便利。観光の前後に立ち寄りやすいスポットです。

浅間温泉の外湯の代表格である『仙気の湯』。湯坂バス停から坂を少し上った場所にあり、昔ながらの共同浴場の雰囲気を残しています。江戸時代から地域の湯として親しまれてきました。当時は湯温が高く”仙気（冷えによる下腹部や腰の痛み）に効く名湯”として多くの入湯客でにぎわったと伝わります。設備は比較的新しく、観光客でも気軽に利用しやすいのが特徴です。

早朝6時から営業しているため、朝風呂として利用することも。加温・加水なしの源泉かけ流しで、浅間温泉の湯をご堪能ください。

日帰り温泉施設『湯々庵 枇杷の湯（とうとうあん びわのゆ）』は、松本城主の湯殿として利用されていた“御殿湯”の詰所跡に建つ、約400年の歴史を受け継ぐ温泉です。男女二つの大浴場があり、ヒノキの露天風呂、泡風呂、サウナ、水風呂も完備。予約制の貸切露天風呂もあり、プライベートな時間を過ごせます。

併設する日本料理亭（完全予約制）では手打ちそばや御膳などを用意するほか、館内には歴代城主ゆかりの着物や古文書など、貴重な資料を展示。歴史を感じる落ち着いた空間で、浅間温泉の奥深い魅力にふれることができます。

日帰り入浴も受け付けている温泉旅館『和泉荘』。男女それぞれサウナ併設の大浴場と露天風を備えています。広々とした大浴場でくつろぐもよし、四季折々の自然に囲まれた露天風呂で心身をほぐすもよし。

タオル付きの入浴券プランもあり、気軽に立ち寄れるのもうれしいポイント。松本城主も愛したという浅間温泉の名湯に、ゆっくりつかりながら癒やしの時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

『錦の湯 地本屋』は源泉100％循環式の湯を満喫できる温泉宿。館内には、ヒノキの香りに包まれた「華の湯」と、日本庭園を望む「錦の湯」の二つの浴場があります。いずれも内湯と露天風呂を備え、広々とした湯船と開放的な露天で、浅間温泉のやわらかな湯につかり至福のひとときを過ごすことができます。

混雑状況などにより日帰り入浴を受け付けない日もあるため、訪問前に必ずお電話で確認のうえ、お出かけください。

『ホテル玉之湯』は、源泉かけ流しと循環を併用した湯を満喫できる温泉宿。男女それぞれに、総檜の露天風呂を備えた大浴場があり、やわらかな湯ざわりと木の香りにほっと癒やされます。

館内には趣の異なる四つの貸切展望風呂を用意。松本平や高ボッチ高原を望む眺望風呂や、ジェットバス付きタイプ、リフトを備えたバリアフリー対応の浴室など、ニーズに合わせて選ぶことができます。貸切風呂は事前予約を受け付けておらず、当日予約制。利用希望の方はお電話でお問い合わせください。

『みやま荘』は、大浴場と中浴場の2種類のお風呂を備えた温泉宿。いずれも露天風呂が併設され、美人の湯といわれる浅間温泉の湯をじっくり味わえます。

湯船はやや小ぶりながら、どこかほっとするような雰囲気。露天風呂では周囲の緑が目にやさしく、四季ごとに異なる景色を眺めながら、肩の力を抜いて穏やかな湯浴み時間を満喫できます。

文：松尾 奈々子