豪雪地帯・飯山市の冬を代表する景色として知られる『かまくらの里』。毎年1月下旬から約1カ月間、20基ほどのかまくらが雪原に造られ、日没頃にはその一つひとつに明かりが灯されます。真っ白な雪原にぽっと浮かぶオレンジ色の光は、イルミネーションのきらびやかさとは異なる、素朴であたたかな光景。奥には赤い鳥居が目を引く「かまくら神社」も設けられ、やわらかな光に照らされた雪の社を訪れる特別な体験が楽しめます。

また、かまくらを貸し切って食事ができる「レストランかまくら村」も予約制で営業。寒い夜にしみわたる名物の「のろし鍋」とおにぎりのセットが味わえます。人気で予約が埋まりやすいため、早めの申し込みがおすすめです。
このほか、売店もあり、立ち寄り（予約不要・要協力金）だけでもOK。幻想的な灯りが映し出す“雪国の夜”を体験しに、ぜひ足を運んでみてください。

JR長野駅前交差点から善光寺交差点までの表参道一帯が、“光の参道”として輝きを放つ『善光寺表参道イルミネーション』。約1.8km続く街路樹にシャンパングラス形のモチーフをはじめ、並木を縁取る光の帯など多彩な装飾が施され、街道全体が黄金色に染まります。

12月25日までは善光寺口駅前広場や「ながの東急百貨店」前にクリスマスツリーが設置され、周辺エリアはホリデームードに包まれます。善光寺に向かってゆるやかに続くイルミネーションは、観光客はもちろん市民にも親しまれる冬の風物詩。やさしい光に包まれながら、夜の街歩きを満喫してみてはいかがでしょうか。

冬の長野市を彩る『長野灯明まつり』は、善光寺周辺と城山公園を舞台に行われるライトアップイベント。1998年（平成10年）の長野冬季オリンピックのレガシーを受け継ぎ、光を通して平和への願いを未来へつないでいます。

善光寺本堂では、国際的照明デザイナー・石井幹子氏が手がけるライトアップが実施され、鮮やかな色彩に照らされた夜の善光寺が幻想的な表情をみせます。
一方、善光寺から徒歩すぐの城山公園では、約800基の切り絵灯籠が並ぶ「ゆめ灯り絵展」を開催。一つひとつに込められた想いや物語が灯りとなって揺らめき、心温まる光景が広がります。

善光寺周辺から城山公園までがやわらかな光でつながり、冬の夜の散策がより心地よいひとときに。澄んだ空気の中、灯りに包まれる特別な体験を味わってみてはいかがでしょうか。

国営アルプスあづみの公園堀金・穂高地区で開催される『Winter Illumination』は、県下最大級の規模を誇る光の祭典。2025年のテーマは「星のすべて 〜All of the Stars〜」。星や宇宙をイメージした多彩な光の演出によって、自然豊かな公園の中に壮大な“宇宙空間”が広がります。

入口付近では、全長約12mの宇宙船イルミネーションがお出迎え。敷地内には「天の川銀河」や「オーロラの道」などのエリアが点在します。青や白色の光が広がる一帯は、まるで星の海のよう。展望テラスから会場全体を一望することができます。

音と光が連動するショー演出も見どころのひとつで、会場全体が一つのステージとして輝きます。さらに、スマートフォンで参加できるデジタルスタンプラリーやフォトサービスなどの企画も充実。11月・12月・1月の第2・4土曜日には打ち上げ花火が実施され、イルミネーションとの共演を堪能できます。

国宝・松本城やその周辺の街なかを光で彩る『松本市イルミネーション』。城下町ならではの情緒と現代的な光の演出が調和する、松本ならではの冬景色に出合えます。

松本城公園では、天守や石垣に映像を投影する「松本城プロジェクションマッピング」が実施。四季のモチーフや伝統文化をテーマにした映像が次々と映し出され、松本城が色鮮やかに表情を変えていきます。

市街地では、大名町通りから千歳橋まで、やわらかなイルミネーションが続きます。木々のライトアップが通りを包み、千歳橋周辺ではガス灯とあたたかな光が重なり合う。そんな街並みを巡りつつ、松本城プロジェクションマッピングにも立ち寄って、冬の松本ならではの夜を満喫してみてはいかがでしょうか。

冬の恒例イベント『軽井沢ウィンターフェスティバル』の一環で、軽井沢駅前のロータリーや旧軽井沢エリアなど町内各所にイルミネーションが施され、ショッピングや街歩きとあわせて華やかな冬の風景が楽しめます。

また、軽井沢屈指の景勝地として知られる「白糸の滝」を舞台とした期間限定のライトアップも開催。高さ約3m・幅約70mの滝をスクリーンに光の移ろいが映し出され、さまざまな情景をみせてくれます。国立公園内での開催のため、自然公園法に基づき光量や色味に配慮した穏やかなライトアップが特徴で、冬の静寂と光が溶け合う幻想的な時間を堪能できます。

街なかにきらめく華やかな光と、白糸の滝に浮かび上がる神秘的な光。冬の軽井沢ならではの絶景を巡りに、ぜひ訪れてみてください。

大正時代からの歴史を持つ「軽井沢高原教会」で、毎年催される『軽井沢高原教会 星降る森のクリスマス』。夜空にまたたく星の光、森に点在するランタンキャンドル、そして教会前にそびえる大きなクリスマスツリー。静かな森に広がるあたたかな明かりが、心をそっと満たしてくれる、クリスマスシーズンならではのイベントです。

2025年のテーマは「願う」。教会へと続く「星明かりのプロムナード」を進むと、今年新たに登場した「Wishing tree」が迎えてくれます。ガラス球が螺旋を描きながら空へ伸び、その中心を光の柱が貫くシンボリックな作品で、“大切な人の幸せを願う気持ちを星に届ける”という想いが込められています。

このほか、教会オリジナルのレターセットに気持ちを綴る「Message of wishes」も実施。日曜・12月24・25日には「クリスマス礼拝」や、星空の下に歌声が響く「Harmony of wishes」なども行われます（24・25日は予約者のみ参加可）。

佐久市の冬の風物詩として親しまれる『樫山工業（かしやまこうぎょう）イルミネーション』。2005年（平成17年）に敷地の有効活用をきっかけに始まり、今年で21回目を迎えました。約25万球ものLEDが一帯を照らす大規模なイルミネーションは、今では県内外から多くの人が訪れる人気ぶり。

2025年度のテーマは「不思議の国のアリス 〜光の波〜」で、アリス第二章「涙の池」の情景を、45個の色とりどりの球体イルミネーションで表現しています。物語の世界に足を踏み入れたようなワクワク感を味わえるのが魅力です。

国道沿い約200mにわたり並ぶ13本の巨大ツリーも見どころの一つ。冬の澄んだ夜空に映える青白い光が存在感を放ちます。イルミネーション鑑賞専用の駐車場も用意されているため、車を停めてゆっくり散策しながら楽しめます。

八ヶ岳の麓・標高1300mに位置する原村では、冬の恒例イベント『原村 星空のイルミネーション』が開催されます。会場となる八ヶ岳自然文化園には多彩なイルミネーションが灯り、頭上には澄んだ空に広がる満天の星々。街明かりの少ない高原ならではの環境で、光がいっそう際立つ特別な夜を過ごせます。

地元の学生がプログラミングした音と光の演出や、窓をノックすると音楽が流れる「光るリスの家」のミニゲームなど、体験型の仕掛けも用意。園内で撮影した写真を募る「原村星空のイルミネーション2025フォトコンテスト」も開催されています。

会場内のレストラン「デリ＆カフェ K」では、地元食材を使ったデリプレートやコーヒー、八ヶ岳のクラフトビールを提供。営業時間は八ヶ岳自然文化園の公式サイトをご確認ください。

長野県南部、中央アルプスと南アルプスに囲まれた飯島町。その玄関口であるJR「飯島駅」前で実施される恒例のイルミネーションは、ローカル線の駅ならではの素朴な雰囲気の中に、カラフルな明かりが輝き、帰路につく人や旅途中の訪問者をほっとさせてくれます。

周辺には、湖越しに中央アルプスを望む「千人塚公園」や、地元の旬の食材がそろう「道の駅 花の里いいじま」など立ち寄りスポットが点在。昼間の観光とイルミネーションを組み合わせて、のどかな冬の飯島町をゆっくり味わってみてはいかがでしょうか。

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文：松尾 奈々子