エリアガイド北信濃エリア

北信濃エリア

歴史薫る町並みを訪ねて
長野を代表する温泉リゾートへ

仏都から蔵のまちへ。さらに、北斎が晩年を過ごした栗の里へ

善光寺を中核に門前町を形成する長野市は、長野北部地域の表玄関。そこからさらに北へ、千曲川沿いに小布施町、須坂市へと続く一帯は、善光寺平と呼ばれる古き歴史が息づく里です。
長野駅を降りたら、まずは表参道(中央通り)を歩いて、善光寺にお参りへ。ここは、遠く奈良のいにしえから、宗派によらず、すべての人々を受け入れてきた庶民信仰の聖地。最近は、パワースポットとしても人気です。
国宝の本堂や重要文化財の山門・経蔵、仁王像など見どころもいろいろ。真っ暗な回廊を行くお戒壇巡りで、〝極楽の錠前〟をさわると、極楽往生が約束されるといわれています。
須坂市は、古い町並みが続く蔵のまち。明治から昭和まで生糸で栄えた歴史の足跡を辿って「岡信孝コレクション・須坂クラシック美術館」へ。「豪商の館 田中本家博物館」では、20もの蔵が建ち並び、田中家に伝わる貴重な品々を見ることができます。
栗の里として、年間120万人もの観光客が訪れる小布施町は、葛飾北斎が晩年を過ごしたところ。今も数多くの肉筆画や錦絵などが残されています。老舗栗菓子店の自慢のスイーツを味わったあとは、歴史と文化が薫る栗の小径へと歩きだしましょう。

長野北部地域屈指の豪商である田中本家は、江戸時代から須坂藩の御用達を勤めた商家。現在は、「田中本家博物館」として開放

岩松院の本堂に描かれた葛飾北斎の「八方睨み鳳凰図」。1990年には、隠し絵の富士山が発見されたことでも再注目されました

小布施町の名物といえば栗。町内には栗菓子店が軒を連ね、栗ご飯に栗菓子など、さまざまに楽しめます

外湯をはしごして、人情にふれる。名湯に身をゆだねる至福のとき

すがすがしい緑に包まれる山あいや森のなか、渓谷など、長野県のいたるところに湧出する温泉。長野県は、なんと北海道に次いで温泉地数、第2位の温泉王国なのです。温泉地とは、ひとつの温泉に1ヵ所以上の宿泊施設がある場所のこと。また、温泉を利用した公衆浴場の数は全国1位と、至近距離内にいくつもの日帰り温泉施設があるのも特徴です。
北信濃の温泉としては、全国区で人気の高い野沢温泉をはじめ、名湯が連なる湯田中渋温泉郷、高山温泉郷がその代表格。野沢温泉には13の外湯があり、すべて無料で開放されています。はげしく湯けむりをあげる麻釡で野沢菜を洗う村のおばちゃんたちの姿は、冬の風物詩。温泉で洗った野沢菜は、味も格段にアップするのだそうです。
9つの温泉地からなる湯田中渋温泉郷のなかでもとりわけ賑やかなのが湯田中渋温泉です。宿泊したら9つの外湯をまわる巡浴祈願外湯めぐりに挑戦を。それぞれ泉質も効能も異なる9つの外湯で九(苦)労を流し、最後に高薬師さんにお参りすれば、満願成就まちがいなしです。猿が湯に浸かる愛くるしい姿で知られる地獄谷野猿公苑も、湯田中渋温泉郷のひとつです。
高山温泉郷は、松川渓谷を背景に、七味温泉、五色温泉など7つの温泉が点在。新緑から雪見風呂まで、どの季節も野趣ゆたかな風情を楽しめますが、とくに紅葉の頃は神秘的ともいえる美しさ。ゆったりと、心まで、のふとまって(温まって)ください。

野沢温泉の中心的存在の麻釜(おがま)。村の台所ともいわれ、野菜や卵を茹でる人や、野沢菜を洗う姿が見られます

石畳の渋温泉は奈良時代の僧行基が開湯したと伝えられ、武田信玄の隠れ湯としての歴史もあり古くから湯治場として栄えてきました

文人墨客が訪れた山田温泉も高山温泉郷の温泉のひとつ。その中心部に建つ桃山風建築の大湯を中心に旅館が並ぶ温泉街

猿が温泉に浸かる場所として海外からも多くの観光客が訪れる地獄谷野猿公苑。地獄谷温泉で人も温泉を楽しめます

大自然が遊びのフィールド。トレッキングコースも充実

新潟県との県境、そこは上信越高原国立公園と、2016年に誕生した妙高戸隠連山国立公園が広がる、ダイナミックな山岳リゾートエリア。上信越高原国立公園内にある志賀高原は、スキー観光とともに発展してきたスノーリゾートであり、長野オリンピックの競技会場ともなりました。また最近は、ユネスコエコパークにも認定され、幽玄な亜高山性針葉樹林と美しい湖沼、高層湿原等々、手つかずの大自然が最大の魅力です。この豊かなフィールドを舞台に、いくつものトレッキングコースが整備され、専任ガイドが案内するエコツーリズムも好評です。
一方、妙高戸隠連山国立公園には、戸隠山と黒姫山といった北信五岳と呼ばれる5つの山岳のうちの2座を見ることができます。その山容から、信濃富士とも呼ばれる黒姫山の東裾野に広がるのが黒姫高原。秋には100万本のコスモスが咲き乱れる絶景スポットです。山頂から野尻湖を望む望湖台、黒姫童話館、御鹿池などを巡るトレッキングコースもあり、人気を集めています。
急峻な山容が特徴的な戸隠山は、古くから多くの修験者が訪れた信仰の山。今でも宿坊が並び、戸隠神社を中心に、多くの人が訪れます。参拝はもちろん、戸隠山のほか、初心者でも挑戦できる飯縄山など、山歩きが楽しめる地域。名物戸隠そばも、お忘れなく。

菅川林道から野尻湖の全景、左から黒姫山、妙高山を望みます。野尻湖では、ヨットやボート、カヌーなどのアクティビティが体験できます

黒姫山の東斜面を利用したコスモス園には、20種100万本の世界のコスモスが咲き乱れます。見ごろは、8月上旬から10月上旬

志賀高原にある湿原のひとつ、四十八池湿原。トレッキングコースも整備された人気スポットです

奥社、九頭龍社、中社、宝光社、火之御子社からなる戸隠神社五社のうち写真は中社。杉並木が見事な奥社へは2kmの参道を歩きます

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