エリアガイド安曇野

安曇野

信州屈指の田園リゾート、安曇野。
朝日に染まる北アルプスの山並み、一面に広がる田園風景。
美術館やカフェ巡りを楽しめる、“アートエリア”としても人気があります。

清らかな湧水が生み出す風景

北アルプスを源とする梓川などの扇状地の末端に位置する安曇野は、名水の里として知られる地です。国土交通省から「水の郷」に認定され、環境省の「名水百選」にも選出された安曇野わさび田湧水群など澄んだ清流を感じられる場所も点在しています。豊かで美しい水に恵まれた長野県はわさびの生産量日本一。なかでも安曇野はそのほとんどの栽培を担っています。年間120万人の観光客でにぎわう「大王わさび農場」は、15haという広大なわさび畑を誇ります。園内には、黒澤明監督の映画『夢』のロケ地になった水車小屋や、四季折々の水生植物を眺められる親水広場、「水と生きる」をテーマに、わさび栽培の歴史を学べる100年記念館など、見どころが満載です。名物「わさびソフトクリーム」をはじめ、「本わさび丼」「わさびコロッケ」など農場で採れたわさびを使ったスイーツや料理も見逃せません。

清らかな水が満ちる大王わさび農場のわさび田

安曇族が拓いた地

そもそも安曇野は、海人族の安曇族が拓いた地ともいわれています。その祖神である穂高見命(ほたかみのみこと)を御祭神に仰ぐ穗高神社は、古くより厚い信仰を集める神社です。その奥宮は上高地に、嶺宮は北アルプスの奥穂高岳の頂上にあり、日本アルプスの総鎮守とされ、交通安全、産業安全の守り神として広く信仰されています。近年は、パワースポットとしても人気です。
毎年、9月26・27日には、本宮例祭が行われ、御船神事では船形をした山車5艘が曳き出され、勇壮な姿を見ることができます。本殿の隣にある「御船会館」では、「いつでも見られる穂高人形・御船祭」として、御船神事の山車のほか、長野県無形文化財に指定されている伝統人形飾物、神宝、古文書など貴重な展示物を数多く公開しています。

本殿は右殿・中殿・左殿が並ぶ三殿方式  (c)安曇野市観光協会

安曇野のシンボル的建築の美術館

安曇野といえば「安曇野アートライン」と名付けられるほど、美術館やギャラリーが連なる地です。安曇野のシンボル的存在の碌山美術館は、日本近代彫刻の扉を開いた荻原守衛(碌山)の作品と資料を公開する美術館。禄山は日本人で初めてロダンに師事し、日本の近代彫刻の礎を築いた人物です。展示棟は4棟あり、30歳で急逝した碌山が、苦悩のなかで制作を続けてきた作品<女>などの作品のほか、碌山と関係の深い高村光太郎、中原悌二郎らの作品も保存・展示しています。
ツタのからまる西欧教会風の建物は、碌山が洗礼を受けていたキリスト教の精神を反映し、設計はカトリック信者である今井兼次に依頼。とがった屋根と焼きレンガの外壁が特徴的な外観も、季節の移ろいに合わせて変化する芸術作品のようです。

外観も四季折々に楽しめる (c)安曇野市観光協会

安曇野の風景とともに楽しむ美術館

子どもをテーマに描き続けた絵本画家・いわさきちひろの作品と、世界の絵本画家の作品を展示しているのが安曇野ちひろ美術館です。木のぬくもりを感じる館内には5つの展示室とミュージアムショップを備え、北アルプスを望む絵本カフェも併設。年4回の企画展に合わせて作品が入れ替わり、季節ごとに楽しめます。
美術館の周囲に広がる53,500㎡の「安曇野ちひろ公園」では、ちひろが愛した安曇野の自然や風景を感じることができます。ちひろ美術館館長を務める黒柳徹子さんの自伝的物語「窓ぎわのトットちゃん」の世界を体感できる「トットちゃん広場」では、「電車の教室」や星が見える井戸、土俵なども再現されています。

自然との一体感も得られる安曇野ちひろ美術館

安曇野の主なスポット