地域と人の“美”がつくる長野の日本酒とワインの“美”。
左：甑（こしき）から蒸気が立ち昇り酒米の蒸し上がりが近い状態（午前7時頃）©️Azumi Tamaoka
左：「ファミリア」を生活の中心に置くワイナリー ©️カンティーナ・リエゾー
「お酒の数だけ物語がある」……多くの作家たちが作品の中で語ります。ある作家は自らの言葉で、またある作家は主人公に代弁させ思いを伝えます。お酒にはそんな力があるのかもしれません。
名酒と称される日本酒や名ボトルと評価されるワインを生むためにはいくつかの条件が必要とされます。例えば日本酒は、清酒の約80%を構成する水、原料となる酒米を育む土壌、そして気候。またワインは、ブドウの生育を左右する少ない降水量、糖分を蓄えるために必要不可欠な１日の寒暖の差と長い日照時間など。これらの条件下、大切に育てられた酒米や各種ブドウが生産農家・醸造家の経験・技術・熱意によって製品となり私たちに届けられるのです。
長野県はこれらの条件に恵まれる代表的かつ優良な地域として認知されています。年間平均気温12.9度（2019年統計）、4月～9月の月間平均日照時間1,970時間（2020年統計）。地勢的にも標高3,000m級の高山が囲み、南・北・中央アルプスから発する水は長い時間地下を流れ岩や土の成分と交わりながら濾過され、肥沃な生産地を構成。千曲川は佐久平と善光寺平、犀川は松本平、天竜川は伊那谷・諏訪盆地が好例です。
すでにそれぞれ地域の自然環境により天然の個性を身にまとった酒米・ブドウは、その到着を待つ蔵元・醸造家の元へ委ねられます。ここからは、まるで子どもが青春を迎え、さらに大人へと成長するように、例えば日本酒（清酒）では純米酒、吟醸酒など８種類の名称に。ワインは赤・白・ロゼ・スパークリングとなって社会へ……。
今回『NAGANOマルシェ』で展開する販売イベント（頒布会）では上記の世界の中でも「とりわけ個性輝く、地元で愛飲され当地流通ばかりの、まさに生粋の地酒」。そして「栽培方法、自然酵母発酵、瓶詰めに至るまで、可能な限り自然に添った形で製造された自然派ワイン」が登場しています。
地酒の選出と構成を担当した玉岡あずみさんは（唎酒師、長野県酒造組合公認 信州・地酒アドバイザー）「地酒は長年の蔵元と地元人との信頼関係が築いたお酒。地域の誇りです。それぞれの地域の日常文化に接し味わえる生粋の地酒です」と語ります。
いっぽうワインは「生産本数が数百本という超新星のワイナリーや自然派ワイン、まだワイン界へ産声を上げていないワインなど、とても希少性の高い、コアなワインをセレクトしました」と花岡純也さんが教えてくれました（日本ソムリエ協会認定ソムリエ、NAGANO WINE応援団代表）。
県内に点在する80蔵の中から16蔵24品種の地酒を選出。新興目覚ましい68ワイナリー、約40の委託醸造者から７新規ワイナリーと６委託醸造者合計24種類のワインが集結。まさに長野の風土・文化が醸造した地域愛の集大成かもしれません。
地域と人とワインを語る、素敵な一文を見つけました。
「近代日本ワインの父」と称される醸造家・麻井宇介さんの著作から……
「［ワインのありよう］とは、つくり手と飲み手の間に置かれたワインが、いかなる［情報］を背負って存在しているか、視線をそこに注いだ時、目に映る姿である」（『麻井宇介 著作選 風土に根ざした輝ける日本ワインのために』＊（著：麻井宇介／イカロス出版）から引用。
皆さんも“長野の地酒と自然派ワインを巡る旅”に出かけませんか。
文：Go NAGANO編集部（佐藤）
『The B級グルメ 本当の地酒に出逢う』【信州地酒お届け便】8カ月
『The B級グルメ 本当の地酒に出逢う』【信州地酒お届け便】4カ月
『超新星＆自然派ワイン頒布会』8カ月
『超新星＆自然派ワイン頒布会』４カ月
