Farm to Table
栽培から製粉、そば打ちから調理まで、
口に入るまでの全行程を理解できるそば打ち体験。

諏訪エリア 茅野市

そばの栽培から製粉、そば打ち、調理まですべての工程を理解できるそば打ち体験施設で、本格的なそば打ちを体験しよう。

長野県茅野市の白樺湖畔に構えるそば店「朝日ヶ丘」は本格手打ちそばの店です。しかも、そば粉を仕入れて打つのではなく、そばの栽培から製粉、そば打ち、調理まですべての工程を店主自らが行うというこだわりの店。長野県内にそば打ち体験ができる施設や店は数あれど、栽培からはじまってそばのことを実体験に基づいて教えてもらえる機会はなかなかありません。そんなそば職人が教えるそば打ち体験に参加しました。
そば打ち体験というと、まずはそばの打ち方や道具の説明などを受けるのだろうと思いませんか? そこは栽培から手がけるだけあって、まずは畑のお話から。店主でありそば打ち職人である両角芳隆さんから、農作業のことや製粉のこと、八ヶ岳地域のそば栽培の歴史、そばには欠かすことのできないそばつゆのことなど、そばについて幅広くお話をお聞きすることから体験はスタートしました。

そばの知識をアップデート

まずは両角さん、玄そば、丸ぬき、製粉されたそば粉がそれぞれ入った3種類の瓶を取り出して、そば粉ができるまでのお話から聞かせてくださいました。 そばづくりは春先、白樺湖から8km離れた標高1000mのそば畑での土づくりからスタートします。7月に種を蒔き5日から1週間で芽が出て、8月には花を咲かせるとのこと。「花はとても可憐ですが、香りはかなり独特なんです。養蜂家の方が蜂蜜をつくっていますが、こちらもクセのある味わいです」と両角さん。さすが、栽培しているからこそのこんなお話も新鮮で、好奇心を刺激してくれます。
そばは雑草より早く大きく育つため畑の手入れにはそこまで手はかからないものの、10月の収穫後のそばの実の天日乾燥やゴミ取りは家族総出の作業で非常に手間がかかるそう。「機械を持っている事業者に委託してしまえば楽ですが、それだと自社畑以外の玄そばも混ざってしまう。自分で手をかけて育てて自信を持って提供できるものだからこそ意味があるので、どんなに手間がかかってもこの作業は自分たちでやりたいんです」。
ほかにも、米の減反政策をきっかけに地域のそば栽培がはじまったこと、栽培をはじめた当初は鎌での収穫でいかに大変だったかということ、そして徐々にそば栽培農家と栽培面積が増えたことから茅野市との連携で農家が共同で使えるコンバインを導入していったいきさつなど、さまざまな視点からそばの話をお聞きすることができます。

中央の「丸抜き」は右の「玄そば」からそば殻(外皮)だけを取り除いたもの。左の「そば粉は」石臼で「丸ぬき」をひくことでできあがります
店主の両角さんが手づくりの資料をもとに、そばの工程を詳しく説明してくれます

土作りを終えたそば畑に機械で種をまく

コンバインで収穫、以前は鎌での収穫だった

天日乾燥やゴミをとりのぞく

ひと通りそばの説明が終わったら、そばの実の選別、丸抜き、製粉を行う機械の見学へ。石臼は想像していたよりもゆっくりと回っています。そうやって少しずつ挽くことで熱がかからず風味を損なわないのだとか。なるほど。「そばの実を挽いた際に、最初に出てくるそば粉が更科そばになるんだよ」と、そばの豆知識を聞けることも楽しみのひとつです。
話を聞いていると、そばについてなんとなくしか知らなかったことについてしっかり理解することができ、新たな発見が得られます。

製粉前の玄そば
石臼で少しずつそばの実が挽かれていきます

いよいよそば打ちを体験

いよいよそば打ちを体験

水の加減が鍵を握る「こね」

これまで1時間ほどかけてそばの知識を吸収してきたので、そば粉を見る目も変わり、「よくぞ育ってくれた」と、どこか愛おしい気持ちにすらなっています。そんな気持ちを胸に秘めつつ、そば粉につなぎの小麦粉を二割、混ぜ合わせ、こね鉢へ。いわゆる「二八そば」づくりに挑戦です。
そば打ちに用いる水は水道水ですが、水道水だからと侮るなかれ、地下水や湧水を水源とする天然水を100%利用した水道水なのです。集配地から自然流下で店舗や家庭に届けられるようになっているとのこと。この水を加えながら、そば粉を手早くかき混ぜていきます。

分量を間違えないように、細心の注意を払いながら水を加えます

「あせって一度に水を入れすぎてしまうとまとまらずに失敗するよ」というアドバイスのもと、慎重に、しかし粉が乾いてしまわないうちに手早く粉をかき混ぜていきます。粉のひと粒ひと粒に水を吸収させいく、そんなイメージ。
水の分量を変えながら数回に分けて加えながら手を動かしていくと、小さかった粉の塊が少しずつまとまりはじめます。「初めてとは思えないくらい上手ですね!」と、両角さんにお褒め言葉をいただいて、うれしくてさらに必死に手を動かしていきます。

水を入れたら、手早くかきまぜます

最初に水を加えた段階、まださらさら。本当に固まるのか半信半疑

粉が少しずつだまになりはじめる

粉がまとまりはじめる。コシをだすために何度も力をいれてこねる

ある程度まとまった段階で、コシを出すためにこね鉢のなかで力を入れてそば生地をこねます。この作業がもう、大変。思った以上に力がいることに驚きます。ひとかたまりになってからこねること5分ほど。耳たぶぐらいのやわらかさになってきたら完成間近。やわらかすぎても硬すぎてもおいしいそばにはならないそう。見極めには職人としての長い経験が必要であると感じました。「そばは追究するほどに奥深いです。死ぬまで勉強だと思っています」と両角さん。そば職人、一朝一夕でならずです。

こね終了。すべてがまとまってまあるいそば生地ができあがりました

まずは丸く、続いて四角に「のばす」

次は、まんまるのそば生地をひらたく伸ばす工程です。更科粉で打ち粉をしながらまずは手で丸く伸ばしていきます。ある程度が広がったら次は麺棒で伸ばし、90度生地を回してまた伸ばすを繰り返すことで、平たくきれいな円形に整えられていきます。
生地を均等に平たく整えるのがなかなか難しかったり、生地を回すときにちぎれてしまわないか不安になったりしますが、こねる工程がうまくいっていたのか生地は順調に薄く仕上がっていきます。

まずは先生に生地を少しずつひろげてもらいます

ある程度大きく広がったら、今度は麺棒に巻きつけながら伸ばします。すると生地は巻きつけた方向に長くなります。それを先ほどと同様、90度回しては巻きつけ伸ばし、回しては巻きつけ伸ばしを繰り返していくことで、次第に生地が四角になっていくのです。「このあと、生地を畳んでから切ります。四角に伸ばすことで、切ったときにそばがある程度、同じ長さになるんですよ」と、両角さん。すべての作業に意味があるというのが、探究心をそそる要因のひとつかもしれません。

まずは麺棒を使わず手で生地を広げる

麺棒を使って生地を回転させながら徐々に大きくする

生地を麺棒に巻き付け、さらに薄く、今度は四角になるように伸ばす

均一なそばを目指して「切る」

クライマックス、いよいよそばを細く切ります。まずは両角さんのお手本から。畳んだ生地のうえに載せた「こま板」と呼ばれる板に沿うように包丁を当て、そばを切ります。そばを切ったら刃を斜めに横に傾け、わずかにこま板をずらすことで等間隔に切っていきます。さすがそば職人、まな板に気持ちいい音がタイミングよく鳴り響きます。

伸ばし終えた生地を畳んで切る準備
両角さんの実演を見つめ、作業を頭のなかに叩き込みます

次に私たちも挑戦。慎重にそば生地に包丁を入れます。こま板のずらし幅がまちまちだと均一な太さにならないため注意が必要です。一気に緊張感が広がります。

駒板をずらしながら丁寧にそば生地に刃をいれます

1回ずつ丁寧に切ります

包丁とこま板の動きのタイミングを合わせながら切り進めます

切り終わったそばが均一であるか太さをチェック

切り終わったそばはとてもきれい。両角さんに「初めてのそば打ちとは思えない」と、ここまでまた褒められて、とってもうれしい。ひとつずつ作業を積み重ねてきた喜びを感じます。

切り終わったそば。上出来です! あえて食感の違いを試すために最後(右端)は太めに切ってみました

さっそく、食べてみよう!

切り終わったそばは両角さんに茹でていただきます。そして登場! 実際にざるに盛られたそばを見ると、感動はひとしお。そばのつけあわせの漬物や煮付けも彩りを添えます。いざ、実食。
「おいしい!」
自分たちで苦労して打ったそばだからなのか、自家栽培のそば粉を使ったそばだからなのか、そのおいしさは格別です。

自分たちが打ったそば。「幅が太いそばは茹で時間が違うから」と別で茹でていただき、上に載せていただきました。そばの繊細さに改めて驚くとともに両角さんの心遣いに感謝
そばをもちあげ
つゆにつけて
一気にすすります
う、うまくない?

確かな食を実感したい人のためのそば打ち体験

そば粉をこねて、のばして、切るという一連の作業を進めていくと、自分が作った「作品」のようでそばがどんどんかわいく思えてきます。単純なそば打ち体験ではなく、そばがどういう状態で畑に植えられ、どんなふうに実がなって収穫されるのか、そばが私たちの口に入るまでのプロセスの全体像を知ることができたことが、さらにその思いを強くするのかもしれません。
さらにそばの栽培から製粉、そば打ちから調理まですべての一貫して携わっている両角さんの口からリアルな言葉で聞けたこともまた、説得力がありました。「10月下旬頃、お店に新そばって看板が掲げられますけど、本当にみんな新そばなんですか?」なんていう直球な質問にも、はぐらかさず真正面から答えてくれる両角さんの実直さも魅力のひとつ。さて、いただいたそばのお膳には、野沢菜漬けと金糸瓜の煮つけが添えてありました。「これも全部うちで栽培して、収穫して、調理したものです」。すごい! 両角さん! 自分たちでつくって、自分たちで提供する。これほど安全安心なことはありません。そして、おいしくて楽しい。そばを栽培から知りたいという人や確かな食を実感したい人、そして子どもたちにも経験してほしいそば打ち体験です。

そば打ち体験を教えてくれる両角ご夫妻とお子さん。アットホームな雰囲気でリラックスしてそば打ち体験を楽しめます
白樺湖畔に建つそば店であり体験もできる「朝日ヶ丘」。宿泊もできます

更新日:2020/02/19

ツアーガイドおススメポイント

よくある「そば打ち体験」ではなく、そばの奥深さをもっと知りたいと思う人にぴったり。
オプション+1,500円で食事をアップグレードすると、自分が打ったそばに加えておいしい自家製のお米、野菜、みそなどもいただけます!

一般社団法人 ちの観光まちづくり推進機構

ツアー参加者の感想

当日は二人で参加しました

そばが口に入るまでの全ての工程が理解でき、単なるそば打ち体験ではできない充実した時間を過ごすことができました!

1日1組!そばづくり丸ごと体験

開催時期 通年
時間 14:30~16:30
予約 一般社団法人 ちの観光まちづくり推進機構
料金 大人 4,700円(税抜)/1名あたり
TEL 0266-73-8550

 

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